殺し屋の娘は憧れた兵士になって愛されてます

鈴菜えり

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少女は兵士に志願!!

3話 幻術

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ついに兵士志願者の試験時間がやってきた。
まずは受付で年齢確認と名前を記入する。だが、やはり見た目というのは大事なのか何度も何度も本当に成人??と聞かれた。腹が立ったので血の契約書でも書いてやるから持ってこい!!と言うと周りが焦りだし「ごめんなさい!」と頭を下げて謝罪した。
ちなみに血の契約書というのは簡単に言えば自分の血で書いたら嘘を付けない契約書。大体は死刑囚に使うものだ。
何故かって?己の死刑日まで強制労働させるためにはやらなければならないからだ。ぶっちゃけ、奴隷書とも言われている。まあ、こんな使い方は王家の信頼されている者にしか知らされてもいなければ一般人でもあまり知られていない。どっちかと言うと血の契約書というのが一般的に知られている名前だ。
騒ぎにはなったが無事に通過出来た。言われた方へ足を動かしていると開けた場所に出た。といっても机が並んでいたが…
「よぉ!来たな!」
大きな声でこちらに呼びかけてくるのは今朝助けたルディルだった。
その他もろもろもいるが…
「二日酔いは改善されたようで何よりだ」
「まあ、それは世話になったよ。それよりこちらの人たちを紹介するぜ」
「兵士様たちを僕のようなまだ兵士になってない一般人に紹介していいのか??」
「いや、それは別にいいんだよ。お前はきっと試験なんて全部合格するだろうしな」
「……期待されて光栄だよ」
「その間はなんだよ」
それについては押し黙る。
だってそうだろ?自分で言って自分の傷を抉るのは心苦しいが、見た目がこんな子供に期待って言われても信じ難いのは当たり前。ましてや自分の実力を1度でも見せていれば納得はまだいくが、見せてもないのに期待などされるはずがない。
そんなことを思っていると一人の大男が近寄ってきた。
「疑り深い奴だな。小僧、安心して大丈夫だぞ!大体の上位兵士は対面した相手の力量ぐらい感じ取れる」
豪快に笑う大男。パッと見では30代半ばぐらいだが…
「初対面を警戒するのは分かるけど一般人にまでそういう警戒はあまり良くないんじゃないか?…お兄さん」
その言葉にルディルと一緒にいた兵士達も驚きを隠せない。
どう見ても大男はおじさんという見た目だ。それをどう見たらお兄さんと言えるのかと周りはきっと思うだろう。
「それともこれも何かの試験か?」
「何を言っているんだ小僧?俺はどう見てもおじさんって歳だろ?お兄さんって言ってくれるのは嬉しいが流石に小っ恥ずかしい」
「僕、今すごく可哀想な子ってレッテル貼られた気がするから、解いてくれると嬉しいんだが…うん。する気なしか。なら、こうすればいいって事だな」
大男に自然に自身を近づけて行き大男に触れる。触れた瞬間、花瓶でも割れたかのようなパリン!という音が響いた。
大男に触れていたはずの手はいつの間にか20代ぐらいの青年の体に触れていた。
青年は自分の手や体を見たあとルディル側へと視線を送る。
ルディル達は驚いた顔はまだ続いていたが青年がルディル達に視線を向けられていることに気が付き、解かれていると顔を縦に動かす。それを見た青年はこちらに向き直った。もちろんもう青年から手は離してる。
僕は変態じゃないから当たり前だ。
「どうやって…いや、いつから俺が幻術を自身にかけていることが分かった?」
「最初からだが?」
それを聞いて青年はもう驚きを通り越して呆れていた。ため息まで付いている。
「最初から、か。自信なくすな…」
「いやいや。一般人や幻術に対して対抗意識が元々高くない人は分からないでしょう。それに僕もここまで高い幻術を使いながら演技力まで高い方は久々です。生憎ながら、僕には通用しなかったと言うだけですよ」
「君の師匠から教わったのか?」
それを聞いた瞬間少し焦った。だが、何故知っていたかは瞬時に分かった。
ルディルに少しばかり殺気を送り「勝手に人の情報を渡すな」と目で訴えた。
そこに割り込んできたのは好青年の美男子だった。
「まあまあ、そんなに怒らないでくれ。俺達が、逸材は今年はいるのかという話をしていた時にルディルが『シュオナがそうだな』っていうから聞いたんだよ。師匠であり親って羨ましいね。俺もそう言うこと言ってみたいよ。
あ、俺はルバ。気軽に呼んでくれ」
「名乗り遅れたが俺はラスア。ラスと呼ばれている。好きに呼んでくれ」
「にしてもよくラスの幻術見破ったね!本当に期待の新人だよ!」
そんな話を長いこと話し続けた。
精神的にかなり疲れた。
もちろん筆記もちゃんと受けた。意外と簡単に終わってあっけなかった。実力試験は明日行われる。一旦家に帰宅するように言われたのでまた明日城に来ることになった。
明日はルディルと戦うのだろうが、今回、人の勝手な情報を売った分はきっちり返す。まぁ、それなりの実力者なのは確かだが、上手くいくか…まあ、師匠程ではないしなんとかなるだろう。
明日のために早く寝ますか。







その夜ルディル達は…

「にしても、確かシュオナだったか。アイツは本当に一般人なのか?どこかの兵士とかの間違いではないのか?」
「一般人で間違いありません。調べてもこの国で育った一般人ですよ。ただ、親が全くと言っていいほど分からなかったのですが…」
「ふむ。実力は十分にある。そして知識面はさらに高い今回の筆記は一般人からすれば国立大学に行けるほどの問題もあるのだからな。普通に暮らしていても優秀な子だろう」
「問題は戦闘経験があるかどうかですね。私はルディルの話を聞いている限り対人戦闘があり、尚且つ人を殺したことがあるような口ぶりでしたし」
「一応警戒しといた方がいいな。敵側だったら厄介だ。あの年で人を殺めたことがあるなど考えたくもないものだがな」
「どう考えても仕方ないでしょう。明日になれば分かることよ。
それにしても可愛い子だったな~」
その言葉を言った女性に皆苦笑するしかなかった。
「それではそろそろ解散しよう。また明日も頼むぞ?」
部屋にいた皆は一人一人次々と部屋から出ていき帰っていった。
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