殺し屋の娘は憧れた兵士になって愛されてます

鈴菜えり

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実力測定

10話 その2

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全員がトラウマレベルの生き物や嫌いな生き物が出たらしく、シュオナのような人は出なかったそうだ。
皆は1時間もかからずに終わった。部屋から出てきた新兵たちの顔は少し窶れたようにも見える。
「さて、他のやつも終わったな。今から次の場所へ移動する!ヘトヘトだと思うが付いてこい!次もシュオナから始めるので休む時間はちゃんと設ける」
皆フラフラしながらケンたちの後を追う。シュオナは10分もあれば完全回復するのでもう疲れてはいなかった。
もちろん能力も使って回復してるからだよ?能力も使わずに10分で完全回復なんてそんな化け物じゃないからな?
「シュオナはこいつらの3倍も走ってたのによく疲れてないな?」
「僕は10分もあれば回復するからな~。その後は暇だったな」
それを聞いて驚く一同。
人類種(人族)は能力を持っている確率は数百人に一人。二つ以上の能力を保有している人族は数千分の一いるかどうかだ。それを思えばシュオナは十分多才である。
「…化け物じみてるな」
「ちょっとケンにぃ、化け物とは失礼だからな?僕は回復の能力を持っているからだよ。まぁ、全力で走ってた時も身体強化をかけて避けてたからな~。
…なんか、師匠の恐ろしさを久々に受けて自主訓練がどれほど甘やかしていたか身をもって痛感したよ。にしても師匠の幻リアルだったな…威圧や殺気、師匠の体を動かす際に出る癖まで同じだよ」
ため息混じりに言う。
そんなことを言うとケン達は口を開いたままシュオナを見る。
ケンにぃ、ハヨク?皆そんな口をずっと開けてると顎が痛くなるから早く閉じなさい。
「シュオナって人類種だよな?」
「種族が分かれば苦労はしないよ」
「どういうことです?」
不思議そうに皆こちらを見つめる。
「僕、自分の種族が分からないんだよ。師匠が言うには僕は人類種ではないことは分かっているんだけど…かと言って僕はエルフでもハーフエルフでもなければ獣人でもない。吸血鬼でもなければ鬼でもない。人型の種族を考えると希少種族を考えたけど希少種族は仲間意識が今言った種族よりも強い。だから拾われるはずがないから希少種族ではない。そう考えると僕は何の種族かわからないんだよ」
「そうか…。シュオナ、もし良ければコルグ隊長とサーナ副隊長に言えばきっと何かわかるはずだと思うんだがこの実力測定が終わったら一緒に聞きに行こう。種族が分かるだけでも訓練メニューを少し変えなければいけないからな」
「そうだね種族が分からないとそれも困るね。それに私もシュオナの種族が気になるからついて行ってもいいかい?」
そんなに僕の種族が気になるかな?
割と鬼と人間のハーフだったとか吸血鬼とのハーフだったとかだと思うけど…まぁ、それはそれで珍しいけど…
鬼人は身体能力が優れ能力は人間と同じく能力を持つものが少ないが怪力である。気性が荒いものもいるが比較的優しい種族。
吸血鬼は能力が様々あり一度に4つ能力発動できる優秀な種族。だからなのか、とても優越感がありどんな種族よりも優れていると思い込んで他の種族を下目に見ている。
多分だが、自分の種族は鬼人か吸血鬼のハーフじゃないかとは思っている。もしかしたら吸血鬼と鬼人のハーフかもしれない。だけどどれもその種族特有の体型も髪や目の色もしていない。
「構いませんよ」
「それと、私もシュオナともっと仲良くしたいので呼び捨てとタメ口で構いませんよ?」
「…本気ですか?」
「本気ですよ」
即答である。
「ハヨクさんとヨハンはどこまでが本気か分かりません」
「そうですか?」
「そうですよ」
そんなたわいもない話をしているうちにケンの足が扉の前で止まりこちらを向く。
「ここでは筋力がどのぐらいあるのかを測る。すぐに終わってしまうだろうが心してかかるように。この部屋には大小の大きさが異なる岩があるが、ただの岩と思うなよ?岩には特殊な付与をしてある。それは岩を持ち上げた岩が少しずつ重くなるようになっている。それをどのぐらいの重さまで持ち上げられているかというものだ。大概全体で1時間で終わる。まずは全体の見本としてシュオナ、お前からやり始めろ」
「はい」
部屋に入り大小の岩が並ぶ。
「筋力を向上させる。または身体強化を使っていいか?」
小さめの岩の前で止まり後に振り返って質問をする。
「それも本人の実力の1つだから問題はない」
「そうか」
それを聞くなり小さめの岩の前から動き自身の4倍程あろう大岩の前に止まる。そして手を大岩にかけた。
誰しもが大岩を持ち上げようとしていることに驚く。
本来なら例え身体強化の能力を使ったとしても元々の大岩の重さは変わりなくそこからどんどん重くなるそれをあの小さな体が保てるはずがない。これは誰がどう見ても分かる常識だ。
だが、忘れてはならない。シュオナは最悪の夜とまで呼ばれたあの男の子供であり弟子なのだということを。そんな常識など破壊する。
そして大岩は浮き上がる。シュオナは何気ない顔で大岩を抱えている。
持ち上げて10秒ずつ2倍3倍となっていく。
シュオナは自身に身体強化と筋力増強。地盤固定を全力でかけている。
だが、やはり20分程で降参した。
押しつぶされる前に「もう腕が限界だ!」と叫ぶとハヨクが転移で出入り口へ転移させてくれた。
大岩は大体3000kgを20分耐えたことで120倍され全力を出せば36t持てることが分かった。
だが、考えて欲しい。135cmの13歳が36t持てるなど異常でしかない。能力を使っても大の大人でも持ち上がらない。
「なんかもう…なんでもありだな」
「そうだね…」
「??」
1人だけ理解していないがこればかりはどうしようもない。
「…超人は超人だ。お前達はお前達で全力をだし挑んでくれ」
「酷い言われ用だ…頑張ったのに」
「シュオナが人類種ではないことは分かった。人族が皆シュオナみたいな超人だったら今頃どの種族も奴隷か滅ぼされている」
「それは流石にないんじゃないか?」
「ありうるよ」
「…さいですか」
もうこれは諦めだ。
なんか疲れたよ僕。
「他の皆も頑張れ。僕なんか疲れたよ」
そうしてシュオナが終わったことによりほかの新兵達は5人ずつ入って行き順番に執り行われていく。予定されてた1時間程で全体が終わった。
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