殺し屋の娘は憧れた兵士になって愛されてます

鈴菜えり

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兵士として

18話 パートナー探し1

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「ここが訓練場か…。扉の前なのに中からもの凄い緊張感が漂ってる…」
意を決して扉を開ける。
目に飛び込んできたのは殺気だって訓練している青年達。圧倒的な圧力にシュオナは後ずさりそうになるが踏みとどまる。口角を上げてここでこれから鍛錬すると思うと体が震える。
「おい、シュオナ」
声をかけてきたのは六番隊隊長のミカギだった。
つり目のせいで不良気味に見えてしまうが本当はとても優しい人思いがあるいい人。能力適正で知り合い仲良くしてくれ、気遣ってくれるお兄ちゃんタイプだ。
「ミカギ隊長、今日からよろしくお願いします」
「あぁ、コルグ隊長からも言われているしな。お前はまずパートナー探しをするように。いきなり高ランクになりパートナーがいない。頑張って探せ」
どこかへ行こうと背中を見せた。
「1ついいですか?」
「何だ?」
振り返らずに足を止めた。
「パートナーの批准とかありますか?」
「そんなものはない。気が合うかお互いの武器の相性とかで決める奴もいる」
「そうですか。ありがとうございました」
そのまま歩いて行く後ろ姿へと感謝をいいシュオナも行動に移す。
だがSSランクになる前に大抵なやつはSランクに上がる前には既に組んでいる奴が大抵だ。
「さて、戦う相性はまず置いておいて、1番目をつけるべきは性格だよな…
まず、僕と気の合う性格してる奴っているのか?」
そんなことを考えながら周りの人達を見る。皆仲良さそうに接し信頼と実力を高めあっている。
部屋の隅を歩きながら戦う人たちを観察する。
足の運び方、剣の振り方、弓の命中率の向上の仕方。様々な分野の人達が鍛錬している。それの技術を盗もうと自然と足が止まる。自分ならどう行動するか初めて敵対する相手がどのような武器でどのような行動をするか先輩兵士達を見ながら思考の海へと入る。
「…、し……」
「シュ……、…した?」
「おい!しっかりしろ!!」
「ふぇっ?!?」
体に急な衝撃を受けて混乱して変な声を出し、周りを見渡す。
そこにはミカギとチトセが立っていた。
チトセはミカギのパートナー。つまり、六番隊副隊長だ。こちらも能力適正で知り合った魔族の青年。可愛い顔をしているし、語尾を伸ばすので特徴的な話をするので間違えたりはしない。
ただし、性格は良くしてくれる人はとてもいい人だが、気に食わない人だと精神的、物理的にも容赦なく追い詰めて先輩兵士や新兵をやめさせたりする腹黒な人だ。
「何度呼んでも気が付かないから心配したんだよ~?大丈夫ぅ??」
チトセがシュオナの頭を撫でながら心配そうな顔をしていた。
「は、はい。びっくりはしましたがどうやら考え事をしていて気づかなかったようです。気づかず申し訳ありません」
「そうだったんだねぇ~。シュオナ、パートナー探ししているって聞いたけどぉ、決まった~??」
「いえ、パートナー探しよりも先輩方の戦い方を見ていました。とても勉強になります。僕もいずれは、あんないう風に戦いたいです」
それを聞き耳をたてていた先輩兵士達は少し照れていた。シュオナが自分たちを真剣な表情で見ていたことは視線で分かっていたので少し気にしていたのだ。
「そうだったんだね~。だから声掛けても気が付かなかったんだねぇ。勉強熱心でいい子だな~」
最初に会った時から本当に思う。
この2人は外見と中身のギャップがありすぎる!!何がどうしてパートナーになったんだよ?!1番の謎だよな…
「SSランクにはパートナーを組んでいないものはいない。だからシュオナがAランクの所へ行くことを伝え忘れた。すまない…」
「別に大丈夫だ。教えてくれてありがとう。それとミカギは約2ヶ月後のアレは知ってるか?」
「…あぁ、知っている。それがどうした?」
「それまでにパートナーが見つけないといけないのか?」
「いや、それには及ばない。シュオナとほぼ同等の実力がなければ約2ヶ月後のアレには一緒に行けないからな。見つからなくてもシュオナは1人で行くことになる」
これで急がなくてもいい事が分かった。
「低ランク…Cランクから護衛に参加できると噂で聞きましたが…」
それに反応したのはチトセだった。
「あ~、あれねぇ、参加出来ると言っても捨て駒の様な扱いされるし~、あんまり人気がないんだけどぉ…馬鹿な兵士達が出世したくて参加するんだよねぇ~。確かに王子達に何かがあり、それを守ったとなれば功績は大きいけどぉ、Cランク適度の実力しかない奴らは近隣に住む高ランクモンスターに食べられて終わっちゃうだけだから心配しなくていいよ~。兵士がいなくなるのは痛手だけど何もわからず突っ込む馬鹿はこの国の兵士には要らないからねぇ~」
とても容赦のないことを言う。
確かに命令無視の行動は大きな失態に繋がり王子を守れなくなる。兵士が自身のよくのために勝手に動くなどあってはならない。そう考えればモンスターが不必要な兵士を掃除してくれたことに感謝しているとも聞こえる。
「容赦ないですね…」
「あははははは。それは他の兵士達の為でもあるんだよぉ?感化されちゃうかもしれないしね~」
この人も国の為に心を鬼にしている事を伺わせる。各隊長達も副隊長達も優秀かつとても優しい人達。
その1日、結局パートナー探しをせず先輩兵士達の戦いを分析していたのだった。
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