殺し屋の娘は憧れた兵士になって愛されてます

鈴菜えり

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兵士として

19話 パートナー探し2

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この5日間Aランクの訓練場へ行き続け、自分と気が合いそうな人を探すが1人も見つからなかった。
SSランクの訓練場へと視線を足元へ向けながら歩いていると声がかかってきた。
「おーい!シュオナ!元気してたか?」
目の前から声をかけてきたのはルディルだった。
「久しぶりだな。2人とも元気そうで何よりだ」
「お久しぶりですね。シュオナは元気なさそうですが…」
優しい撫でてくれる手つきが今のシュオナにとって焦りを無くしてくれるを温かいものだった。
…最近周りが妹扱いされるにも慣れてきた。
「聞いたんだぞ?俺たちよりもSSランクに上がったんだってな!大出世じゃないか!羨ましいぜ」
「そうですね。私達でも昨日やっとSSランクに昇格出来ましたからね」
「まずはSSランクになったんだな。おめでとう!
僕、今パートナー探ししてるんだ。でもAランクに僕と気が合いそうな人がいなくてな…見つからないんじゃないかって思っててな…」
一気にシュオナの周りの空気が重くなる。
「そういうことか。まぁ、まだ入って3ヶ月くらいだし仕方がない。むしろたった3ヶ月でよくSSランクになったもんだ。俺なんて10年くらい掛かったってのによ」
「私は26年くらいですね」
「…一気に上がったな」
「ふふふ。エルフの寿命は長寿ですからね、気長にやっていたのですよ」
ヨハンを見て一体何歳だろうと思う。まさか師匠と同じかそれ以上なのでは?と思ってしまう。ここまで穏やかで丁重な言葉遣いだとそうだと思ってしまってもおかしくはない。
「僕…パートナー探すの諦めて気長に待とうと思う。訓練だってしないといけないし、2ヶ月後に仕事が決まったし」
「ふふふ。意外と待っていたらいきなり巡り会うこともあるものですよ。私がそうだったようにね」
ルディルを見ながらクスクスと笑う。
どうやらヨハンもパートナー探しをしていたが見つからず気長に待っていたらルディルと出会ったようだ。
シュオナもこんな巡り方をしたいと考えてしまう。
「でも、僕はエルフではないから長寿ではないかもしれないし、仕事が終わりしだいもう一度探してみる」
「そう考えたのならそうしなさい。それと、2ヶ月後の仕事とは何ですか?」
「そうだな。俺らにはそんな知らせ来てないぜ?」
シュオナはヤバいと言う気持ちでいっぱいになる。これはあまり他言しては行けないこと。何とかオブラートとに収めよう。嘘をつくときっとヨハンが徹底的に調べるはずなので嘘は付かずに何とかしよう。
「実はそれは言えなくてな。コルグ総隊長に口止めされてるんだよ」
「何故?」
ですよねー。やはり聞いてきますよねー。
「言っとくけどな、僕が直接関わっているってわけじゃないからな?コルグ総隊長から2ヶ月後の仕事を直接頼まれた。まぁ、そのことが原因で昇格したが…。
それにもう少しすればコルグ総隊長から高ランクの兵士達全体に連絡が来るはずだ。それまで待っててくれ」
自分が言えるのはここが限界だ。
これで納得してくれるといいんだが…。
「んー…なんか気になるが近いうちに知らせが来るならいいか」
「そうですね…。私も気になりますがシュオナを信じましょう。もしなければ直接コルグ総隊長に聞きに行けばいいのですから」
お願いします。それはやめてください。怒られます。
「僕はこれから訓練場に戻るが2人はどうするんだ?」
「そうだな…本当はこれで切り上げるつもりだったがシュオナと一戦やるのもいいかもな」
「ふふふふ。そうですね。私もシュオナと手合わせしたいですね」
2人もついてくることが決まり一緒に訓練場へ向かうこととなった。
「これから同僚になるな!よろしくな!!」
にっと笑うと、2人も笑顔で頷く。
「そんなもん決まってるだろ?」
「そうですね。そんな事言わなくてもいいではありませんか。もう友達なのですから」
「そうだよな」
ヨハンの友達という言葉を聞いてさらに嬉しくなる。
初めてルディルとヨハンの口から友達と言われた。
初めての心を許せる友達。歳は離れていてもこういうやり取りをするのはとても嬉しい。
仲間だ。とは言われたことは何度もある。でも友達だ。友だ。とは聞いたことは無かった。師匠が生きていた時は言われても仮初なモノ。そこまで信用できるものでもなかった。だが今は、知り合って話すうちにその人物がどういう人がわかってくる。自分では口から簡単に出ない言葉を言ってくれたことに心躍る。
そのまま2人に抱きつき「僕は今幸せだ!」と言うと2人にもみくちゃにされながら訓練場へ行くのであった。
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