殺し屋の娘は憧れた兵士になって愛されてます

鈴菜えり

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王子達と巻き込まれる

20話 ラキル王子とライル王子の対面

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来訪1ヶ月前に各国の王子達がこの国に来られることを兵士全員に知らされた。
その時の高ランク兵士達は呆れていた。
シュオナはその顔を見て同情する。自分だってそう思ったのだから。

各国の王子達来訪1日前。
今現在、王宮の大きな扉の前にいる。
王子達との顔合わせだ。一応護衛にあたらせて頂くのだから顔合わせをしないといけない。
シュオナは来たくはなかったがこれも仕事の内なので我慢する。
扉に手を当てノックする。
「SSランクのシュオナです。王子方、入室させて頂いてもよろしいでしょうか?」
「あぁ、父上から聞いている。入れ」
「失礼致します」
意外とすぐに返事が帰ってきた。そのままドアノブに手を置いて扉を開ける。
部屋に入ると2人の男がいた。
銀髪の髪とウルトラマリンブルーのような綺麗な瞳を持つのがラキル王子。
金髪の髪にラキル王子と同じ瞳を持つのがライル王子。
2人はじっとシュオナを観察する。
「お前が俺達の護衛か。…チビだな」
「こんなチビが俺たちの護衛?まず務まるのか??」
ニッコリと微笑みながらシュオナは口を開く。
「王子方、確かに僕は背がまだ低いですが成長途中と言うだけでございます。少しずつ伸びていますよ?
それにコルグ総隊長から直々に頼まれました。どうか見た目で判断なさわないでください。明日の道中何があるかわかりません。そう考えれば僕のような背の低い華奢な者が強いとは思わないとのコルグ総隊長の配慮なのですから」
王子達が言いたいことを言うのを殴りにかからなかった自分のことを褒めて欲しい。
コンプレックスを好き勝手に言われるのを耐えることもできるようになった。
それと、前は135cmだった身長もこの5ヶ月で143cmに伸びた。異常とも言える成長は体もびっくりしている事だろう。これも自身のわからない種族に原因があるのだろうか?
「くくくくく。そうか、コルグが貴様にとても期待を寄せている。あいつが貴様に頼んだのなら心配はさほどないのだろう」
「兄さん、本当にこんなチビに任せるのか?俺はサーナ副隊長の方がいいんだがな」
「まぁ、そう言うな。確かにあの女はいい女だがアイツはコルグの女だ。コルグを怒らせるのは父上にも迷惑がいく。コルグは父上の友人なのだから。それは避けたい」
「チッ、仕方ないか。おい、お前。しっかり俺たちを守れよ?」
「勿論でございます。それが僕の仕事ですので」
深々と頭を下げる。
「つまらん奴め。女でも連れていくか?最近遊んでいる女が敵意があって面白いからな」
「そうだな。最近の女は少し敵意があった方が面白いが、迎えに行くのに女を連れてはいけない。まあ、代わりがここにいるがな」
こちらを向きながらさらに観察してくる。
「お前は男にしてはまだ幼い。女顔にも近いからイケるかもな」
衝撃の事実を受けた。思わず顔がひきつる。
なんつーか、女顔なら男でもよしのリバでしたか。どれだけ性欲があるのやら。
それにしても…聞き捨てならない言葉を王子は言った。敵意があった方が面白いだと?本当にそう思っているのか?
「王子、遊びは程々にしてください。明日は各国の王子方が来られるのです。
…それと僕からの忠告です。敵意を向けられて面白いなど仰ってはなりません。それはいつしか命を落とすのです」
「ふん。貴様の様な愚民が俺に指図するのか?女など抱いてやれば快楽に溺れるしか能のない者ばかりだ。そんな奴の殺意や敵意などたかがしている」
シュオナは王子2人に一般人が本当に殺意が湧いた時に出せる程度殺気をぶつけた。
「これでもですか?」
2人はガタガタと震えだした。
「今出している殺気は一般人が出せる程度のものです。これは女性にも出せる程度ですよ?これを受けてもまだそんな事がいえますか?
僭越ながら、王子達はあまりにも人を舐めすぎですよ。知性ある生き物は時に感情だけで突き動かされるのです。今まで国王様に内緒でメイド達を王子達が遊んでいらしたみたいですが、メイド達も我慢の限界がきて衝動的に王子達を殺すかもしれませんよ?
まぁ、城に使えるメイドがそんなことはしないでしょうが、一応忠告は致します。生きる者には必ずしも感情があり、その一瞬の負の感情に負けて衝動的になってしまう可能性をお忘れにならないでください」
忠告をして退室許可も取らずに王子達がいる部屋から出ていく。
シュオナは女を物のように思っている王子達に少し腹を立ててコルグ総隊長の元へ今回の事を報告する為に城をあとにする。



シュオナが出ていった後の王子達は…

「なんだ…あのチビは」
「コルグの奴…。俺達の命令を無視できるような奴を護衛に付けたようだな…」
シュオナがいない部屋になってから落ち着きを取り戻した。
「腹立つなあのチビ…」
「だが、アレは奴自身からの忠告だと俺は思うが…。何故俺達がメイド達を抱いていたことを知っていた?メイド達が話したのか?」
「それは無いな。脅してあるからそれはないんじゃないか?」
「……となると、奴自身で自力で調べたことになるな」
「それは大丈夫なのか?」
「俺たちに危害を加えようとするならこんな忠告しないだろう。ましてや、国に使える兵士になってまでやることではない。兵士になるにはそれこそ事前に高ランク兵士達により調べ尽くされる。怪しい奴は兵士にはなれない」
「とういことは、本当に俺たちを思ってのことか?」
「だろうな。どうやら、ただの愚民と思っていたがなかなかに面白い奴のようだ」
王子達に目を付けられたことをまだ知らないシュオナは、これから苦労することをまだ知らない。
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