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拉致監禁
24話 目覚め
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体が怠い。全身が痛い。吐き気がする。そんな体の不調。
「さ…、お………よ」
「?」
体を揺さぶられ、瞼をを開ける。
全身の痛みと吐き気ともに覚醒してシュオナを見つめる吸血鬼。
「どうやら成功したようだ。おめでとう。これで君は自身の種族を超え、私を超えた化け物だ」
とても不吉な言葉を言いながら微笑む男。
「…目が覚めてよかった」
吸血鬼の隣にいたのはフードの青年。
「お前は、王子達を人質に取っていた時の…」
「あの時はごめんよ。俺にはそんな権限がないから…」
「いや、奴隷だとは知らずに怒りをぶつけた。すまない」
フードを取り素顔を見せた。
綺麗な青みがかった銀髪。スカイレッドの瞳。そして大きなふさふさの耳があった。
「獣人…。
しかも希少種の種族…レッドアイ族」
レッドアイ族は全員が赤い瞳をしていて、特殊な瞳の力と能力に優れた獣人の中で唯一身体強化以外の力を使える希少種族。
「俺の種族知ってるんだ。俺の住んでいた村は人族に襲われて壊滅したよ。俺たち子供は奴隷にされた。俺は吸血鬼のご主人様に最近買われた」
「ふむ。この獣人の種族を知っているなら話は早い。君はこの獣人を受け取り好きにしなさい。私からのせめてもの依頼料金だよ」
驚くなか獣人の青年がシュオナの前に立つ。
「ご主人様から聞いています。貴女が新しく俺を飼ってくれる人になると」
「…好きにしていいんだったな?」
吸血鬼へと視線を向けて確認する。
「あぁ、私は君に殺してもらうからね。あと、君が寝ている間に君と獣人の主従契約はこちらで既に済ませておいたよ」
いつの間に契約したんだよ…。気を失って眠っている時に勝手にするなよ…。
「さて、もう話は十分でしょう。約束通り、私を殺してくれ。妻と子の元へ行かせてくれ」
無言で頷き体の不調は治りきってはないが立つことは出来たので、ふらふらと吸血鬼に近づき吸血鬼の心臓へ手を当て顔を見る。
「これから先、良き来世があることを祈る。今度こそ幸せになってくれ」
「君は敵である私を心配してくれるんだね」
「そうだな。死ねないのは辛いからな。同情するよ。
願っても願ってもそれは叶わない事を知っていても必ず何かをあると信じて生き続けたアンタは凄いよ。そして僕を見つけ願い続けたことが今叶う」
「そうだね。俺はついに叶う。ただ一つの願いが…。
……ありがとう若き兵士様」
その言葉を聞き終え心臓へ能力を使い圧をかけて潰した。吸血鬼はそのまま前へと倒れてきた。それを受け止め、床へゆっくりと下ろしてあげる。
「本当に変な吸血鬼だな。
自分の力に溺れない高位の吸血鬼、お前が絶望する前に会ってみたかったよ」
どこか満足そうに眠る姿は流石吸血鬼なだけに綺麗な肌と整った顔立ちをしている。ここに置いておくと、ここの組織を壊滅させた後この吸血鬼の死体をどうこうするものが出てきてもおかしくないので異空間にしまう。
「さて、もうここには用はないが、その前に…」
シュオナは獣人の青年へと振り返り近づく。
「名前は?」
「…犬」
「違う。それは奴隷時に勝手に付けられて呼ばれた時のだろ?僕が聞いているのはレッドアイ族の時の君の名前だ」
「…リュイ。それが俺の名前」
「なんだ、いい名前があるじゃないか。よろしくリュイ!」
手を差し伸べる。それを恐る恐るとるリュイ。
「リュイ、まず聞きたいことがある」
「はい」
一呼吸してから真剣にリュイを見つめる。
「人族が憎いか?」
「憎いです」
「僕も?」
「ご主人様は人族ではないでしょう?」
「…よく人族出ないことわかったな」
「人族とは違う匂いですから。とてもいい匂いがします」
匂いだけでわかるものではないと思うのだが…。それにいい匂いってなんだ?もしかして食べたら美味しいとかじゃないよね??
「そうか…。まず、僕が人族の国の兵士だとはわかっていると思う。僕は人族の王子を助ける。助ける王子は人族だけではない。獣人もエルフも魔族、様々な国の王子達を助ける。リュイにも手伝って欲しい。嫌ならやらなくていい。僕だけでやるから」
「ご主人様の命令なら何でもやります」
「そう言えば、主従契約をしていたんだよね。………はい。これで破棄できた」
リュイの首輪に手を置いて複雑な能力が付与してある部分を破壊する。
リュイの首から首輪が外れて床に落ちる。
「首輪が…」
「これでリュイは自由だ。僕は強制的に命令されるのもするのも嫌いだ。まぁ、時と場合によってはするけど比較的嫌いだ。自分が自由ではないのが僕には耐えきれない。ましてや、リュイは人攫いに会ったようなもので、違法奴隷だ。
本来奴隷は犯罪者がなるものだ。一般人奴隷もちゃんとしたもののはずだ。
リュイ、君は自由だ。自分の意識で行動してくれ」
「俺は……アンタについて行く。奴隷の俺を解放した。ついて行くのも自由だろ?それにお前がいる国なら獣人だろうとそこまで差別しないだろ?」
「はっ、当たり前だ!ペスタルティナ王国はどんな国よりもいい国だ。そんな差別なんかしない。差別が酷いそんな国なんかに誰が兵士になるかっての」
シュオナはいい気分になりながらリュイの手を握る。
「それと、僕の名前はシュオナ。お前呼びはやめろ。…少しの間かもしれないがよろしくな」
「俺こそよろしく頼む。俺はお前しか頼れる奴はいない」
2人は部屋の外に出て王子達が監禁されている場所へと向かう。
「さ…、お………よ」
「?」
体を揺さぶられ、瞼をを開ける。
全身の痛みと吐き気ともに覚醒してシュオナを見つめる吸血鬼。
「どうやら成功したようだ。おめでとう。これで君は自身の種族を超え、私を超えた化け物だ」
とても不吉な言葉を言いながら微笑む男。
「…目が覚めてよかった」
吸血鬼の隣にいたのはフードの青年。
「お前は、王子達を人質に取っていた時の…」
「あの時はごめんよ。俺にはそんな権限がないから…」
「いや、奴隷だとは知らずに怒りをぶつけた。すまない」
フードを取り素顔を見せた。
綺麗な青みがかった銀髪。スカイレッドの瞳。そして大きなふさふさの耳があった。
「獣人…。
しかも希少種の種族…レッドアイ族」
レッドアイ族は全員が赤い瞳をしていて、特殊な瞳の力と能力に優れた獣人の中で唯一身体強化以外の力を使える希少種族。
「俺の種族知ってるんだ。俺の住んでいた村は人族に襲われて壊滅したよ。俺たち子供は奴隷にされた。俺は吸血鬼のご主人様に最近買われた」
「ふむ。この獣人の種族を知っているなら話は早い。君はこの獣人を受け取り好きにしなさい。私からのせめてもの依頼料金だよ」
驚くなか獣人の青年がシュオナの前に立つ。
「ご主人様から聞いています。貴女が新しく俺を飼ってくれる人になると」
「…好きにしていいんだったな?」
吸血鬼へと視線を向けて確認する。
「あぁ、私は君に殺してもらうからね。あと、君が寝ている間に君と獣人の主従契約はこちらで既に済ませておいたよ」
いつの間に契約したんだよ…。気を失って眠っている時に勝手にするなよ…。
「さて、もう話は十分でしょう。約束通り、私を殺してくれ。妻と子の元へ行かせてくれ」
無言で頷き体の不調は治りきってはないが立つことは出来たので、ふらふらと吸血鬼に近づき吸血鬼の心臓へ手を当て顔を見る。
「これから先、良き来世があることを祈る。今度こそ幸せになってくれ」
「君は敵である私を心配してくれるんだね」
「そうだな。死ねないのは辛いからな。同情するよ。
願っても願ってもそれは叶わない事を知っていても必ず何かをあると信じて生き続けたアンタは凄いよ。そして僕を見つけ願い続けたことが今叶う」
「そうだね。俺はついに叶う。ただ一つの願いが…。
……ありがとう若き兵士様」
その言葉を聞き終え心臓へ能力を使い圧をかけて潰した。吸血鬼はそのまま前へと倒れてきた。それを受け止め、床へゆっくりと下ろしてあげる。
「本当に変な吸血鬼だな。
自分の力に溺れない高位の吸血鬼、お前が絶望する前に会ってみたかったよ」
どこか満足そうに眠る姿は流石吸血鬼なだけに綺麗な肌と整った顔立ちをしている。ここに置いておくと、ここの組織を壊滅させた後この吸血鬼の死体をどうこうするものが出てきてもおかしくないので異空間にしまう。
「さて、もうここには用はないが、その前に…」
シュオナは獣人の青年へと振り返り近づく。
「名前は?」
「…犬」
「違う。それは奴隷時に勝手に付けられて呼ばれた時のだろ?僕が聞いているのはレッドアイ族の時の君の名前だ」
「…リュイ。それが俺の名前」
「なんだ、いい名前があるじゃないか。よろしくリュイ!」
手を差し伸べる。それを恐る恐るとるリュイ。
「リュイ、まず聞きたいことがある」
「はい」
一呼吸してから真剣にリュイを見つめる。
「人族が憎いか?」
「憎いです」
「僕も?」
「ご主人様は人族ではないでしょう?」
「…よく人族出ないことわかったな」
「人族とは違う匂いですから。とてもいい匂いがします」
匂いだけでわかるものではないと思うのだが…。それにいい匂いってなんだ?もしかして食べたら美味しいとかじゃないよね??
「そうか…。まず、僕が人族の国の兵士だとはわかっていると思う。僕は人族の王子を助ける。助ける王子は人族だけではない。獣人もエルフも魔族、様々な国の王子達を助ける。リュイにも手伝って欲しい。嫌ならやらなくていい。僕だけでやるから」
「ご主人様の命令なら何でもやります」
「そう言えば、主従契約をしていたんだよね。………はい。これで破棄できた」
リュイの首輪に手を置いて複雑な能力が付与してある部分を破壊する。
リュイの首から首輪が外れて床に落ちる。
「首輪が…」
「これでリュイは自由だ。僕は強制的に命令されるのもするのも嫌いだ。まぁ、時と場合によってはするけど比較的嫌いだ。自分が自由ではないのが僕には耐えきれない。ましてや、リュイは人攫いに会ったようなもので、違法奴隷だ。
本来奴隷は犯罪者がなるものだ。一般人奴隷もちゃんとしたもののはずだ。
リュイ、君は自由だ。自分の意識で行動してくれ」
「俺は……アンタについて行く。奴隷の俺を解放した。ついて行くのも自由だろ?それにお前がいる国なら獣人だろうとそこまで差別しないだろ?」
「はっ、当たり前だ!ペスタルティナ王国はどんな国よりもいい国だ。そんな差別なんかしない。差別が酷いそんな国なんかに誰が兵士になるかっての」
シュオナはいい気分になりながらリュイの手を握る。
「それと、僕の名前はシュオナ。お前呼びはやめろ。…少しの間かもしれないがよろしくな」
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2人は部屋の外に出て王子達が監禁されている場所へと向かう。
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