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拉致監禁
23話 吸血鬼
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体に鈍い痛み。息が吸いにくい。苦しい。そんな感覚が体に与え続けていた。
そして最後に足の部分から焼ける様な痛みが突き抜ける。
「んぐぅぅぅ…!!!」
「ん?気がついたか?」
足から痛みが引かない中、声をかけてきた男。その声には聞き覚えがあった。
自分を吹っ飛ばした奴の声だ。
「やれやれ、精神的なストレスに肉体的な疲労。君、今までの生活でよく生きてたね?」
手足を見ると鎖で繋がれていて少しの範囲しか動かせない。
「ああぁ、無理無理。それ特別製の鎖だから取れないよ。とても頑丈に作られてるし」
「ここ、は…どこ、だ?王子達は、どうした?」
呂律が回らず途絶えながら聞く。
「質問が多いね。ここは組織の隠れ家。王子達は別の部屋で全員監禁されてるよ。まぁ、拷問付きだけど」
それを聞いて焦りが積もる。
兵士や殺し屋側の者は慣れているとはいえ、何も知らない一般人や貴族達はそんな経験も覚悟もできない。
そんな人が拷問などやられては精神が崩壊するかもしれないし、耐えきれず自害するかもしれないからだ。
「何故、僕を殺さない?」
「君は1度死んでるよ」
思いがけない言葉が飛んでくる。
1度死んでる??どういうことだ?生きるものの命は必ず1つ。それ以上でもそれ以下でもない。
「混乱するのは分かるけど、事実だよ。俺はね、ずっと探してたんだ。君のような子をね」
「…拷問し続けられるからか?」
「そんなくだらないことは拷問好きのコブラに譲るよ。
俺は、自身の永遠と続く絶望を終わらせてくれる奴を探してたのさ」
「永遠と続く絶望?終わらせてくれる奴??」
意味の分からない言葉をいう男。
だが、不思議と嘘をついていないとわかった。
「俺は吸血鬼でね。長いこと生きた。愛する妻を迎え子ができた。
だが、すべて奪われた。同族に殺されたのだよ。俺も妻と子と共に殺されたはずだった。だが生きていた。高位の吸血鬼だけの数少ない者だけに与えられる再生の能力。その力を持つ俺は死ぬ事が許されなかった。妻と子の元にも行けず生き続けて一体何千年たったとだろうな」
悲痛な言葉。どれほど辛かったのだろうか?敵なのに同情し、また助けられるのなら助けたいと思ってしまう。
「それを僕に話すってことは僕ならお前を殺せるとでも言いたそうだな」
「いや、今の君では俺は殺せない。だが、私の数千年の実験の成果には能力の転移が可能だとわかった。君には私と同じ再生の能力がある事は君が死んで蘇ったことにより私と同格の能力がある。そこに私の再生の能力を上書きしてしまえばいいのだよ。
今までの実験では被験体が耐えられずに死ぬ。それに比べて君は再生の能力があるからそう簡単には死なないから安心して能力を渡すことができる。
ただ、君はそう簡単に死ねなくなる。もしかしたら俺のようになるかもしれないがね」
「…それをしたら僕は自由になっていいのか?それとも戦うのか?」
そう。そこが重要なのだ。
そう簡単に死ねなくなるのは、はっきり言ってとても困るが、何も行動せずに後悔するよりやって後悔する方がマシだからだ。
「好きにするがいい。俺は元々この組織にはあまり興味がない。ただ実験するのには丁度よかったというだけの事」
「なら、好きにしろ。僕は王子達を助けなければならない。
それと出来ればここの情報をくれ。アンタの能力を押し付けられるんだ。そのぐらいいいだろ?」
「いいだろう。この組織に情などない」
そこから色々な情報提供してくれた。
この組織がある場所。どういう構造をしているか。組織に所属している者の名前と顔。組織に関連する国と貴族の話。
「あと、お前が気を失ってからもう14日経つぞ」
「はぁあああ?!?」
まさかの14日!そんなに眠っていたのか!その原因を作ったのはアンタだけどな!!
「王子達はまだ生きているから安心しろ。だが、全員が精神的に不安定になり、人を信じられずにいる」
それはそうだろう。
教えて貰った組織に所属している者の中には、7カ国の内、3カ国に組織の幹部が紛れ込んでいたのだ。
しかもかなりの地位にいて王子達は顔見知りだったかもしれない。
「さて、話は終わった。そろそろ本題の物へと移る。少しの間、意識を失い体を弄くり回す感覚と痛みがあるがお前なら耐えれるだろう」
首筋に注射を打たれだんだんと眠くなる。
「目が覚めた時はすべてが終わっている。そして最後に私を殺してくれ」
そのまま意識を失い深い眠りにつく。
そして最後に足の部分から焼ける様な痛みが突き抜ける。
「んぐぅぅぅ…!!!」
「ん?気がついたか?」
足から痛みが引かない中、声をかけてきた男。その声には聞き覚えがあった。
自分を吹っ飛ばした奴の声だ。
「やれやれ、精神的なストレスに肉体的な疲労。君、今までの生活でよく生きてたね?」
手足を見ると鎖で繋がれていて少しの範囲しか動かせない。
「ああぁ、無理無理。それ特別製の鎖だから取れないよ。とても頑丈に作られてるし」
「ここ、は…どこ、だ?王子達は、どうした?」
呂律が回らず途絶えながら聞く。
「質問が多いね。ここは組織の隠れ家。王子達は別の部屋で全員監禁されてるよ。まぁ、拷問付きだけど」
それを聞いて焦りが積もる。
兵士や殺し屋側の者は慣れているとはいえ、何も知らない一般人や貴族達はそんな経験も覚悟もできない。
そんな人が拷問などやられては精神が崩壊するかもしれないし、耐えきれず自害するかもしれないからだ。
「何故、僕を殺さない?」
「君は1度死んでるよ」
思いがけない言葉が飛んでくる。
1度死んでる??どういうことだ?生きるものの命は必ず1つ。それ以上でもそれ以下でもない。
「混乱するのは分かるけど、事実だよ。俺はね、ずっと探してたんだ。君のような子をね」
「…拷問し続けられるからか?」
「そんなくだらないことは拷問好きのコブラに譲るよ。
俺は、自身の永遠と続く絶望を終わらせてくれる奴を探してたのさ」
「永遠と続く絶望?終わらせてくれる奴??」
意味の分からない言葉をいう男。
だが、不思議と嘘をついていないとわかった。
「俺は吸血鬼でね。長いこと生きた。愛する妻を迎え子ができた。
だが、すべて奪われた。同族に殺されたのだよ。俺も妻と子と共に殺されたはずだった。だが生きていた。高位の吸血鬼だけの数少ない者だけに与えられる再生の能力。その力を持つ俺は死ぬ事が許されなかった。妻と子の元にも行けず生き続けて一体何千年たったとだろうな」
悲痛な言葉。どれほど辛かったのだろうか?敵なのに同情し、また助けられるのなら助けたいと思ってしまう。
「それを僕に話すってことは僕ならお前を殺せるとでも言いたそうだな」
「いや、今の君では俺は殺せない。だが、私の数千年の実験の成果には能力の転移が可能だとわかった。君には私と同じ再生の能力がある事は君が死んで蘇ったことにより私と同格の能力がある。そこに私の再生の能力を上書きしてしまえばいいのだよ。
今までの実験では被験体が耐えられずに死ぬ。それに比べて君は再生の能力があるからそう簡単には死なないから安心して能力を渡すことができる。
ただ、君はそう簡単に死ねなくなる。もしかしたら俺のようになるかもしれないがね」
「…それをしたら僕は自由になっていいのか?それとも戦うのか?」
そう。そこが重要なのだ。
そう簡単に死ねなくなるのは、はっきり言ってとても困るが、何も行動せずに後悔するよりやって後悔する方がマシだからだ。
「好きにするがいい。俺は元々この組織にはあまり興味がない。ただ実験するのには丁度よかったというだけの事」
「なら、好きにしろ。僕は王子達を助けなければならない。
それと出来ればここの情報をくれ。アンタの能力を押し付けられるんだ。そのぐらいいいだろ?」
「いいだろう。この組織に情などない」
そこから色々な情報提供してくれた。
この組織がある場所。どういう構造をしているか。組織に所属している者の名前と顔。組織に関連する国と貴族の話。
「あと、お前が気を失ってからもう14日経つぞ」
「はぁあああ?!?」
まさかの14日!そんなに眠っていたのか!その原因を作ったのはアンタだけどな!!
「王子達はまだ生きているから安心しろ。だが、全員が精神的に不安定になり、人を信じられずにいる」
それはそうだろう。
教えて貰った組織に所属している者の中には、7カ国の内、3カ国に組織の幹部が紛れ込んでいたのだ。
しかもかなりの地位にいて王子達は顔見知りだったかもしれない。
「さて、話は終わった。そろそろ本題の物へと移る。少しの間、意識を失い体を弄くり回す感覚と痛みがあるがお前なら耐えれるだろう」
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そのまま意識を失い深い眠りにつく。
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