殺し屋の娘は憧れた兵士になって愛されてます

鈴菜えり

文字の大きさ
58 / 60
数年後

55話 男達に異変

しおりを挟む
今現在シュオナ達は廃墟と化した宿屋に着き物陰に隠れている。
「シュオナ、リュイ、建物の中に誰かいるか?」
ククルとククアはシュオナとリュイの顔を見て確認をする。
2人は首を横に振ったが曇った顔をする。
「生物らしき熱は見られないし、気配もない。でも違和感がある」
「シュオナの言うとうりだ。何かがこの宿屋の中に仕掛けられている感じがある。解除した方がいい。国民に何かあっては手遅れだしな」
「シュオナとリュイがこう言っている。ククル、ククア。俺は解除した方がいいと思っている。他はどうだ?」
ミカギが周りに確認をとる様に周りを見渡す。
「僕はぁ、いいと思うよ~。被害が出てからだと責任は全部こっちに来るしね~。やらなかったら報告書がさらに厚くなるだけだから早く片付けちゃおー?」
チトセは苦笑いをしながらケラケラと笑う。
「俺達も問題ありません」
ルディルの言葉にハヨクは無言で頷く。
「「俺達はもとよりそのつもりだったぞ?とにかく決まったから警戒しながら中を調べよう」」
ククルとククアの言葉を聞いた後周りを警戒しながら宿屋の中に入っていく。
廃墟の宿屋のわりにはとても綺麗だった。つい最近床を箒の様なもので履いた様な跡も見つけた。ここにいたのは確実だと分かった。
「2階には何も無かった。後は宿屋の奥の大部屋だけだ。気を抜かないように」
ククルの言葉に更に警戒しながら部屋の中へと順番に入っていく。それぞれ部屋の部屋を確認しにククル達は各自散っていった。シュオナとリュイは出入口の警戒をする。
そんな時に出入口の扉が唐突にバシン!!と音を出し閉まってしまった。
「なんだ?!急に扉が閉まったぞ?!」
「俺に任せて!」
シュオナは何も気配も音も聞こえなかったので混乱した。
リュイは咄嗟にドアノブに手を掛けて思い切り押す。だが獣人のリュイでもビクともしなかった。
「リュイでも開けれないのか…。もしかしてミスリル合金?」
「流石に宿屋に使わないだろ」
扉を見ながら話していると後から足音が聞こえてきた。
「「どうした?!」」
「お前達大きな音がしたが無事か?!」
「大丈夫ぅ~?」
「シュオナ!リュイ!」
「2人とも大丈夫ですか?!」
全員が大慌てで戻って来た。
「すみません…扉が唐突に閉まり閉じ込められてしまいました」
俯き自身の未熟さを反省をするシュオナ。
「音も気配もしなかったのですか?」
「そう。僕もリュイも音を聞いてない。気配もなかった」
「そうですか。2人が聞き取れなかったという事はこの部屋に入ってしばらくすると自動的に閉じ込められるようになっていたようですね。ククル隊長、ククア副隊長、どうしますか?」
「「どこかしら解除するためのものがあるはずだ。それを探そう」」
「それが懸命な判断だな」
全員が納得して探しに行こうとすると唐突にリュイが顔半分を手で覆い片膝をつく。それを隣で見ていたシュオナは驚き近寄る。
「リュイ?!大丈夫か?何かあった…の、か??」
リュイの様子を見ると何やら顔を赤らめて床を見たままこちらを見てくれなかった。
「皆!リュイの様子がおかしいんだ!!この部屋の何か仕掛けがもう既に発動しているかもしれない!気をつけてくれ!」
シュオナが声をかけた時には全員が何故か顔を赤くして顔半分を覆っていた。
「皆どうして顔半分を覆ってるんだ?人体に悪影響あるような感じはしないぞ?」
不思議に思いククル達に近寄ろうとすると「近寄るな!!」と大声を出して足を止めさせられた。
「ど、どうしたんだよ?急に大声を出して止めなくても普通に言えばいいだろ…」
本当に心配になりさらに近づこうと足を進める。
「シュオナ、頼む…今は近づくな」
「お願いですから…今はあなたに何をするか…」
ルディルとハヨクの言葉に驚き、あと五歩程歩けば手が届くほど近くいる場所で足が再び止まる。
「急にそんなことを言ってもわかるわけないだろ。リュイから始まって皆おかしすぎるぞ?」
「……どうやらシュオナ。いや、女性には効かないようになっているようだな」
ククルがシュオナを視界に入れないように下を向きながら言う。
「女に効かない??…そんな毒物あるわけないだろ」
「どれだけ鈍いんだ…ククルが言っているのは毒物ではない。知っているとは思うがこれは媚薬か興奮剤だ。男しか効かないように改良されているんだろう」
さらにククアが付けたしてくれたおかげで理解が出来た。
「結局は僕以外は動けないということだな。僕が探してくるよ。どうやって異性だけに効果を出しているのか仕組みにとても気になるが壊さないとこの状況を改善しないからな」
シュオナは責任重大な任務を与えられた。場違いなのは分かっていたが頼られたような気がして嬉しかった。
「頑張って探すからそれまで耐えててくれ!はっきりって媚薬?興奮剤?が、どれ程辛いか知らないし、わからない。まず使いたくもないし知りたくもないからな。
とにかく急いで探してみる!一通り探したら一旦ここに戻ってくるから!!敵が乗り込んできてみんなが怪我をしたなんて考えたくもないからな!それじゃ、行ってくる!」
シュオナは各部屋へ何か変な物や不自然な物がないか探しに行った。
しおりを挟む
感想 82

あなたにおすすめの小説

白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

処理中です...