当て馬な俺は、JKのサラダボウルで恋を学ぶ

秋花 犀

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恐ろしい提案

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「いや、ちょっと待て!
色んな女の子に会うってどういうことだよ?」
意味不明な事を言い出した澪に詰め寄る俺。
そんな俺を気にもせず平然とした表情で澪は口を開いた。
「言葉のまんまよ。有志にはとにかく経験が足りないのよ、足りないから自分がどんな子が好きなのかも分からない。で、それを解決するのが色んな種類の女の子に会うって事なのよ!!」
ドヤりながら言ってきた澪に頭がクラクラしてくる。色々と言い返したい事はあるが、何から言えば良いのか分からず眉を寄せ悩んでしまう。少し時間がたった頃、澪のため息が聞こえ俺は顔をバッと上げた。
「はぁ~、別にそんな深刻な顔しなくても良いでしょ。会った女の子みんなと付き合う訳でも無いし、あくまで社会勉強だと思って軽く考えなって。」
「うっ、確かにそうだけどよ。
そのやり方だと澪にも迷惑かけるだろ?
てか逆になんで澪はやる気満々なんだよ。」
そうだ澪の提案はめちゃくちゃ良いものだと思うし、これ以上無いくらいの社会勉強にはなるだろう。でも澪には何のメリットも無いはず、こんなにも協力的なのは幼なじみだからかそれとも恩を売って俺を下僕にする為なのか・・・。澪の真意が見えず提案を受けあぐねていしまう。
そんな俺の言葉を聞いた澪は少し考え、少し俯いていた俺の顔を覗き込み目を合わせ満面の笑みで。
「そーれーはー、秘密!」
きっと俺以外の男だったら恋に落ちるかも知れないが俺には良からぬ事が起こりそうな予感しかしなかった。俺は後ろずさりし澪との距離を空ける。
「なんだその顔、やめろ背筋がぞくっとしたから。それに秘密ってなんだよ、ぜってぇ俺に何かさせる気だろ!」
「はぁあ?私の善意と笑顔になんてこというのよ、この当て馬男!
確かに無いわけないけど今言っても面白くないのよ!!」
「当て馬って・・・、はぁ、何が面白くないんだよ。巻き込まれる俺の身にもなれっての。」
「別にホントのことでしょ。
それに女の子達と会えるんだからあんたに不利な事なんて無いじゃない。感謝して欲しいくらいよ。」
「なっ、お前って奴は・・・。」
「それでこの提案受けるの?受けないの?」
傲慢なこいつにある意味究極の2択を迫られる。確かに色んな女の子達に会えるのは大いに有難いことだ、でも澪がきっと後出しで言ってくる事に関してはろくな事では無いだろう。断っても澪に叱責され、受けてもろくでも無い事に巻き込まれる。ならば俺は・・・。
「そっ・・・。」
「なに?」
「その提案受けさせて頂きます!!」
結局俺は少しでも良い事が起きる方を選んだ。
まぁ、澪の策略にまんまと乗せられた気しかしない、その証拠に目の前に立っている女は俺の事を見てニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべているし。
はぁ、俺はこれからどうなって行くのだろうか、高校2年の春、幸先不明のまま俺はスタートした。
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