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航空自衛隊を襲撃した話

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ワイは某日、航空自衛隊を襲撃する訓練に参加していたこのときは地方の連隊にいたせいか、訓練事態は結構のんびりとしたものだった。習志野の基地襲撃よりかはハードルは低い


まぁ訓練と言ってもこちらは仮説敵で、最後にはやられないといけない役で、もし途中で見つかって撃たれてもそれは状況として扱われた。


「ワイ君、ワイ君」
統裁部状況付与関係の幹部に呼ばれる

「ふぁい」
気の抜けた返事で統裁部の部屋に入る、作戦図や
パソコン、コーヒーセット、いかにもって感じの
部屋だコーヒーの薫りが漂っている
もちろん統裁部には空自の偉い人がいる

あまりここには居たくない…



訓練は数日間、日によって様々な状況をワイ達はこなしていた 
最初の方はただの不審者であったり
民間人であったりまぁ軽い状況を出すだけであった

が、いよいよ本格的な襲撃を行うときが来た


「じゃぁワイ君達はここからここらの範囲から潜入して襲撃側主力の陽動を頼むね、時間は◯◯時」

「主力はここから潜入して火力発揮しつつ前進ね」


襲撃側の陽動が人が元々少ないせいか、ほんの数人しかおらず、そのほとんどが単独での潜入からの陽動となった、ワイももちろん単独である
一時的に解散し部屋に戻る


時間になるまで仮説敵といえど基地内で食事はとるし、風呂も入る。あぁこいつらが今回の敵か…という空自隊員の目は冷たかった…


夜を迎え装備を整える
ワイは補助官に死亡と言われるまで死ぬ気は全くなく、今回は暴れまわってやろうと意気込んでいた

ギリースーツを着込み空砲発射補助具のついた89式を手に取る


時間になり潜入を開始する
潜入ししばらく人気のない所を歩いていると
基地の警備犬の住まいについた
シェパード達はもちろん檻の中にいる

昼間みたときはものすごくハンドラーに懐いて可愛かった、だがワイの目の前にいるその可愛かった犬達はすでに唸り声をあげている


「うぅぅぅ!!!!!」


落ち着いてくれ、ワイは敵じゃない
昼間もいたでしょ?と身振り手振りをするが
犬達はおかまいなしに吠えだした


「まだはええよ!馬鹿犬!!!!」


陽動開始時刻までまだまだ時間がある
ワイは急いでその場を走り去る


しばらく歩くと監視所が見えてきた
陸自と違って屋根もありしっかり作ってある
非常に羨ましい

ワイ達なんか立ちっぱなし出屋根もなく
雨が降れば雨衣で震えながらたって警備をしていた

これが格差社会か……と良く観察をしていたら補助官がいた、そして監視所からは声がする

(中に人がいるな…)

ちょうど陽動開始時刻がきた
そろそろわざと見つかり逃走して警備の目を引き付けるか


とワイは監視方向にわざと立った 
これで相手が気付いて出て来たら猛ダッシュで
司令部の方に走り去ろうと思っていたのだが

監視所のやつら一向に気づかない

補助官に手を振る
補助官は気づいているみたいだ

仕方ないから監視所の前で踊る


が、全く気づいていない

更に踊るが、気づかない

段々と腹がたってきた
お前らは犬以下だ

89式に空砲を装填し
切り替え軸をレに
そして1弾倉分、監視所に撃ち込む


夜間であったのもあり
静寂な監視所に爆音が響く

「そろそろ撃ち返してくるだろう」
と思っていたが中にいた隊員は
一生懸命サイレン鳴らしたり電話機で
報告していた


「まぁ、報・連・相大事だよね…」
ワイは猛ダッシュで監視所に近づいて
模擬手榴弾放り込んで補助官に
手榴弾!!って叫んで逃走した



もうこの監視所には用は無い、おそらく死亡判定もらったはずだ

陽動は始まったが今ひとつ効果をみいだせないワイは司令部のほうを目指して歩いていた


基地内建物の影から顔だし辺りをうかがう
WAFが2名が警戒している


あまりにも近いから空砲は撃てない

よしここは手榴弾に切り替えてと思った瞬間、こちらに気付いたWAFはワイに警告無しで64式を数発発包してきた、空包の風がダイレクトに顔に当たる

「あ、安全距離!!」

ひぎぃと物陰に隠れたらしこたま空包撃たれ続けた、空包がなくなれば警笛鳴らされ続けられた

さっきの監視所のやつらとは比較にならんほどの戦闘狂だ

ただ行動は正しい

こちらも距離をとり空砲を撃ち続ける
あたりが慌ただしくなり他の隊員も集まってきた


(そろそろ潮時かな?)

陽動としては充分役目を果たしたワイは安い演技で
その場に倒れ込む


基地内は騒然としていた
その中更に主力が突入を開始したのだ

だが訓練である以上、仮説敵であるワイ達はやられなければならない、状況を与え対処をどうするかを考えさせねばならなかった

次々と襲撃側は撃たれ倒れていった

しばらくして状況終了がつげられワイ達は解放された


あの戦闘狂のWAFは何者だったんだろうか……
その答えを知ることもなくワイは装備品を解除し部屋にもどった


糸冬



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