俺の悪役チートは獣人殿下には通じない

空飛ぶひよこ

文字の大きさ
82 / 311

今後の予定

しおりを挟む
「……クリスのことは、友人としか思ってないんだ」

「知ってる」

「……あれは全部、ヴィダルスの目を欺く為の演技で……」

「だから知ってるって」

「……クリスにだって、詳細こそ話してはいないが、俺が好意があるふりをすることは事前に伝えてある。クリスも、快く了承してくれた」

「それは知らなかったけど、想定内だし」

「……エディを、エディを裏切ったわけでは……」

「だから一切気にしてないから。いい加減、俺の話を聞いてー? 気にするなら、そんなことよりも、窓の鍵壊したのに、寮監督に勘繰られるとまずいし俺の結界があるからって、そのまま放置してる件にしてー?」

 PM8時現在。
 当たり前のように、許可を求めることもせず部屋に入ってきたアストルディア(両耳ペタン&尻尾だらり)により、ぎゅうぎゅうに抱きつかれながらキュンキュン謝られております。
 ……まるで彼女に浮気現場を見られて、必死に言い訳をするダメ彼氏のようだ。
 そもそも俺達は利害関係のみで契約した番なのに、大げさ過ぎる……これも、狼獣人の性がなせる業なのかね?

「そんなことで謝らなくていいから、それより今後の話をしようぜ? よくわからないけど、お前に何か考えがあるんだろ」

 ひっつき虫と化していたアストルディアをバリッと引き剥がし、下から顔を覗き込む。
 途端、情けなく折れていた三角お耳が元に戻った。

「……エディ。闇魔法の後遺症はもう大丈夫そうか」

 ……これ、まだ無理そうと言った方が、ヤバイこと先延ばしにできんのかなー。でも先延ばしにしても、結局やることは変わりないわけだし。

「……あ、ああ。問題はない」

「そうか。お前の魔力も安定しているし、そうではないかと思ってた」

「そんなこともわかんのか?」

「俺は鼻が他の獣人に比べても鋭敏だからな」

 ……そんなに鼻が利くのに、留学初日の時は、離れた場所にいる獣人すら嫌がる煙草の臭いに耐えて、俺のもと来てくれたのか。ちとジンと来るものがあるな。

「また体内に闇が蓄積する感じがあれば、言ってくれ。恐らくこれからする話は、お前にとって非常に辛い話になるだろう」

「……まあ、ある程度は覚悟してはいるけど」

 苦しょっぱい気持ちではあるけど、闇が生まれるほどは絶望してはいない。だから、大丈夫……な、はず。
 真剣な眼差しをこちらに向けるアストルディアに、俺もまっすぐな視線を返した。

「できることなら俺は……卒業までに、お前の体内に子宮を形成しておきたいと思っている」

 …………まあ、そうなるよね。大丈夫。予想はしてた。

「具体的な方法は?」

「卒業までを想定するなら……最低でも週一回。俺の精液をお前の体内に入れる必要がある」

 ……わお。なんてか、めっちゃエロ漫画の設定っぽい。まあ、BL小説もエロコンテンツだからな。

「以前、俺とヴィダルスなら一度の性行為で子宮も子どももできるとか言ってなかったか?」

「俺とお前でも、一度の性交渉だけで子どもは作れる。だがその場合、お前は重い後遺症に苦しむことになる。急激に作り変えた体は虚弱化し、外を出歩くことすら満足にできなくなってしまうんだ。お前の魔法で誤魔化せば、日常生活は何とかなるかもしれないが……そうなれば、お前はもう戦士ではいられない」

 ……そういえば原作エドワード、片腕を斬られた以外にも、体中が内臓に至るまでボロボロで、自分では復讐を果たすことができないから息子である主人公に託した、みたいな設定があったかも。あれ、もしかしてヴィダルスに一日で体を作り変えられた結果?
 その割には鬼のような強さで主人公倒して、アストルディアともいい戦いしてた気もするけどさ。

「精液に混ぜる魔力の量を調整して、安全に子宮が形成されるまで通常なら半年。お前は獣人の生殖能力を弱体化させる煙草を吸っていた分、念の為卒業まで時間をかけた方がいいだろう。それから、出来上がった子宮が完全に体に馴染むまでさらに一年おいて。そこから子どもを作れば、後遺症は一切残らないはずだ」

「……うーん。想定した以上に気長な計画だ」

 てか、鑑定さん? 煙草についての追記、獣人が嫌う臭いってしか書いてなかったけど、何でさらに獣人の生殖能力を弱体化させることを書いてくれなかったの?
 もしかしたらまたかなり行数空けて、書いてたりしたの? 
 真実知った俺が動揺する姿見たかったからとか、そういうくだらない理由ならぶん殴るぞ?

 




しおりを挟む
感想 161

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~

さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。 そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。 姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。 だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。 その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。 女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。 もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。 周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか? 侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?

おしまいのそのあとは

makase
BL
悪役令息として転生してしまった神楽坂龍一郎は、心を入れ替え、主人公のよき友人になるよう努力していた。ところがこの選択肢が、神楽坂の大切な人を傷つける可能性が浮上する。困った神楽坂は、自分を犠牲にする道を歩みかけるが……

すべてを奪われた英雄は、

さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。 隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。 それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。 すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

その捕虜は牢屋から離れたくない

さいはて旅行社
BL
敵国の牢獄看守や軍人たちが大好きなのは、鍛え上げられた筋肉だった。 というわけで、剣や体術の訓練なんか大嫌いな魔導士で細身の主人公は、同僚の脳筋騎士たちとは違い、敵国の捕虜となっても平穏無事な牢屋生活を満喫するのであった。

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

処理中です...