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まさかの再会

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「……それじゃあ、遠慮なく」

 服を用意してくれた本人がこう言ってるんだ。そう気にしなくても良いか。
 嬉しそうに、私の周りをちょろちょろ飛び回るラドを適当にあしらいながら、ドラゴン舎を目指す。
 
 ……あ、なんか心なしか藁とか、そういう牧場っぽい匂いがしてきた気がする。
 それにしてもドラゴン舎、渡り廊下でつながっているとはいえ、がっつり王宮の敷地内にあるのね。いくら超重要生物とはいえ、よくもまあ、王様の家臣達が許したものだわ。暴れ出したりなんかしたら、一騒動だろうに。

「……おお、リッカ! ラドを連れて来てくれたのか」

「あ、ルートさん」

 もう、間もなくドラゴン舎に到着するという所で、ルートさんに遭遇した。

 ……わあ。完全に視線がラドに釘付けだよ。無表情が一瞬にしてでれっでれになったよ。ぶれねぇな。

「孵化した幼ドラゴンを、親ドラゴンに見せておいた方が良いかと思いまして」

「それは良い判断だな! きっとドラゴン達も喜ぶ」

 そう言ってルートさんは、出て来たドラゴン舎の方を向いた。

「いいタイミングで来たな。ちょうど今、以前話した退職した先輩がドラゴンに会いに来ていて、二体とも機嫌が良いんだ。……まあ、だからこそ、俺は邪魔だとドラゴンから追い出されたわけだが。ラドを見たら、もっと機嫌が良くなるだろうから、俺も一緒に戻ることにしよう」

 ……ルートさん。ラドだけじゃなく、親ドラゴンからも邪険に扱われている訳ですね。
 ふ、不憫……。あんなにドラゴン愛している人なのに。
 …………まあ、私がドラゴンでも邪険に扱う気がしますが。

「……あれが来ているとは、タイミングが悪かったですね。リッカ。戻りましょう」

 ……って、え? セルドア?

「え、セルドア様、急にどうして……」

「説明は、後です。……ルート。騎士の地位を返上したからには、最早部外者でしょう。簡単にドラゴンと面会させないで下さい」

「え? でも王が、いつでも会いに来るようにと、先輩に」

「ならば、せめて先に私に報告しなさい! ……リッカ。すぐに転移を……」

「ーーおい。ルート。いくらドラゴンが望んだからって、部外者である私を一人でドラゴンに対峙させるなよ。私が良からぬことを企んでいたら、どうする……っ」

 …………あ、やばい。
 セルドアが、焦ってた訳、超理解した。

「何を言っているんですか。ハミル先輩が、良からぬことなんて企むはずないでしょう」

 …………お久しぶりでもないけど、お久しぶりです。お義兄様。
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