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実・食!
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「……これは、初めて見る料理ですね」
前に置いたチャーハンをセルドアはしげしげと眺めた後、慎重な手つきでスプーンを口に運んだ。
「っ美味しいですね! 油で炒めたコメが、香ばしくてぱらっとしてます」
「お口にあったなら良かったです」
ぱあっと顔を輝かせて、スプーンを運ぶ手が速くなったセルドアに、内心ガッツポーズをする。
……よし。やっぱりチャーハンの味は、この世界でも一般的に通用する味のようだ。
まあ、名前は違うけどピラフっぽい料理は存在してるからな。当たり前と言えば当たり前か。
「やっぱりリッカは料理が上手ですね。まるで料理人が作ったみたいです」
「いや、普通ですよ。普通。色々雑で適当ですし」
料理上手というのは、母さんや姉さんみたいな人のことを指す言葉だ。私みたいに必要に迫られて作るわけでもなく、家族の為に一つ一つ丁寧に作業をして、愛情たっぷりの料理を作れる人達のことを。
「そうなんですか? 私は、料理人が作った料理外ほとんど食べたことがないから、一般的な基準が分かりません」
おぼっちゃまめ、と一瞬思ってしまってから、すぐにそうでないことを思い出す。
物心がついた時には魔術師協会に引き取られたセルドアは、家庭の味なんか知れなかったんだった。
「……魔術師協会では、専属の料理人がいたのですか?」
「食も、体内魔力バランスを整える為の必須要素ですからね。ただ、味よりも魔力の補充と強化が最優先でしたからね。料理自体はなかなかひどい代物でしたよ。魔力を増強するタナーヒ石が塊で入っていたりしましたし」
……タナーヒ石って、私が知っているアレで間違いないなら一般的には食べるものじゃないよね。魔法具作りとかで使われる、まんま鉱物だよね。
粉末にして薬としても売られていることあるけど、なんかめちゃくちゃえぐくて苦いって聞いたことあるのだけど。それを塊で、って鬼だな。
前に置いたチャーハンをセルドアはしげしげと眺めた後、慎重な手つきでスプーンを口に運んだ。
「っ美味しいですね! 油で炒めたコメが、香ばしくてぱらっとしてます」
「お口にあったなら良かったです」
ぱあっと顔を輝かせて、スプーンを運ぶ手が速くなったセルドアに、内心ガッツポーズをする。
……よし。やっぱりチャーハンの味は、この世界でも一般的に通用する味のようだ。
まあ、名前は違うけどピラフっぽい料理は存在してるからな。当たり前と言えば当たり前か。
「やっぱりリッカは料理が上手ですね。まるで料理人が作ったみたいです」
「いや、普通ですよ。普通。色々雑で適当ですし」
料理上手というのは、母さんや姉さんみたいな人のことを指す言葉だ。私みたいに必要に迫られて作るわけでもなく、家族の為に一つ一つ丁寧に作業をして、愛情たっぷりの料理を作れる人達のことを。
「そうなんですか? 私は、料理人が作った料理外ほとんど食べたことがないから、一般的な基準が分かりません」
おぼっちゃまめ、と一瞬思ってしまってから、すぐにそうでないことを思い出す。
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「……魔術師協会では、専属の料理人がいたのですか?」
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……タナーヒ石って、私が知っているアレで間違いないなら一般的には食べるものじゃないよね。魔法具作りとかで使われる、まんま鉱物だよね。
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