182 / 336
くやしかったら
しおりを挟む
「お子ちゃま扱いがくやしかったら、早く大きくおなり~。肉体的にも、精神的にもね」
からかうようにそう言いながら、おそらく幼さの現れだと思われるぷにぷにお腹を(シフォンケーキの食べ過ぎの可能性も大いにあるけど)、指でつつく。
……この触り心地。癒されるなあ。顔にべったり張り付いている時点で、鼻の辺りがめちゃくちゃ柔らかかったもんなあ。
今はラドの行動や表情(意外と分かるのよね。基本爬虫類なのに)で言いたいことを推測するしかないけど、大人になれば念話?で会話できるようになるみたいだし。
不満があるなら、その時にじっくり聞いてあげるとしよう。まだ時期尚早だ。
「……さて、そろそろ夕飯の準備をしようかね。ラドもいつまでも拗ねてないで、少しその辺りで飛び回ってお腹空かせときなさい。お腹いっぱいだと美味しくないよ?」
とりあえずソファの上にひょいとラドを置いて、台所へ向かうことにする。
先ほどまで顔にべったり張り付いていたラドは、お説教が効いたのか、今回は追いすがってはこなかった。さすがにあの状態では、料理は難しいからありがたい。
『……わかったよ。……だから、おおきくなるまでまっててね。リッカ』
「うん?」
今、一瞬脳に響くような子どもの声が聞こえた気がしたんだけど、気のせいだろうか。
振り返ったラドは、こっちを見ることなく、部屋を飛び回って遊んでいたから、多分気のせいなんだろう。
それから数日は、セルドアが遊牧魔法の魔具を完成させて持って来てくれた以外は、特別何ごともなく過ぎていった。
パックさんが魔具の出来栄えと、私主導でもストレスなくちゃんと遊牧して家畜舎に戻ってくるトリスの様子に感動して、「リッカちゃん、是非魔術師長を誑かして(意訳)、この魔具を量産させてよ!」と言ってきたけど、セルドアに無理をさせたくなかった為、一応使用経過をまとめて提言するだけはすると言っておいた。
……誑かすって。あの人私を何だと思ってるんじゃ。黄色ハートって絶対嘘だろ。
からかうようにそう言いながら、おそらく幼さの現れだと思われるぷにぷにお腹を(シフォンケーキの食べ過ぎの可能性も大いにあるけど)、指でつつく。
……この触り心地。癒されるなあ。顔にべったり張り付いている時点で、鼻の辺りがめちゃくちゃ柔らかかったもんなあ。
今はラドの行動や表情(意外と分かるのよね。基本爬虫類なのに)で言いたいことを推測するしかないけど、大人になれば念話?で会話できるようになるみたいだし。
不満があるなら、その時にじっくり聞いてあげるとしよう。まだ時期尚早だ。
「……さて、そろそろ夕飯の準備をしようかね。ラドもいつまでも拗ねてないで、少しその辺りで飛び回ってお腹空かせときなさい。お腹いっぱいだと美味しくないよ?」
とりあえずソファの上にひょいとラドを置いて、台所へ向かうことにする。
先ほどまで顔にべったり張り付いていたラドは、お説教が効いたのか、今回は追いすがってはこなかった。さすがにあの状態では、料理は難しいからありがたい。
『……わかったよ。……だから、おおきくなるまでまっててね。リッカ』
「うん?」
今、一瞬脳に響くような子どもの声が聞こえた気がしたんだけど、気のせいだろうか。
振り返ったラドは、こっちを見ることなく、部屋を飛び回って遊んでいたから、多分気のせいなんだろう。
それから数日は、セルドアが遊牧魔法の魔具を完成させて持って来てくれた以外は、特別何ごともなく過ぎていった。
パックさんが魔具の出来栄えと、私主導でもストレスなくちゃんと遊牧して家畜舎に戻ってくるトリスの様子に感動して、「リッカちゃん、是非魔術師長を誑かして(意訳)、この魔具を量産させてよ!」と言ってきたけど、セルドアに無理をさせたくなかった為、一応使用経過をまとめて提言するだけはすると言っておいた。
……誑かすって。あの人私を何だと思ってるんじゃ。黄色ハートって絶対嘘だろ。
10
あなたにおすすめの小説
生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
【本編完結】王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!
こさか りね
恋愛
私、フェアリエル・クリーヴランドは、ひょんな事から前世を思い出した。
そして、気付いたのだ。婚約者が私の事を良く思っていないという事に・・・。
婚約者の態度は前世を思い出した私には、とても耐え難いものだった。
・・・だったら、婚約解消すれば良くない?
それに、前世の私の夢は『のんびりと田舎暮らしがしたい!』と常々思っていたのだ。
結婚しないで済むのなら、それに越したことはない。
「ウィルフォード様、覚悟する事ね!婚約やめます。って言わせてみせるわ!!」
これは、婚約解消をする為に奮闘する少女と、本当は好きなのに、好きと気付いていない王子との攻防戦だ。
そして、覚醒した王子によって、嫌でも成長しなくてはいけなくなるヒロインのコメディ要素強めな恋愛サクセスストーリーが始まる。
※序盤は恋愛要素が少なめです。王子が覚醒してからになりますので、気長にお読みいただければ嬉しいです。
※本編完結しました。
【第一章】狂気の王と永遠の愛(接吻)を
逢生ありす
ファンタジー
女性向け異世界ファンタジー(逆ハーレム)です。ヤンデレ、ツンデレ、溺愛、嫉妬etc……。乙女ゲームのような恋物語をテーマに偉大な"五大国の王"や"人型聖獣"、"謎の美青年"たちと織り成す極甘長編ストーリー。ラストに待ち受ける物語の真実と彼女が選ぶ道は――?
――すべての女性に捧げる乙女ゲームのような恋物語――
『狂気の王と永遠の愛(接吻)を』
五大国から成る異世界の王と
たった一人の少女の織り成す恋愛ファンタジー
――この世界は強大な五大国と、各国に君臨する絶対的な『王』が存在している。彼らにはそれぞれを象徴する<力>と<神具>が授けられており、その生命も人間を遥かに凌駕するほど長いものだった。
この物語は悠久の王・キュリオの前に現れた幼い少女が主人公である。
――世界が"何か"を望んだ時、必ずその力を持った人物が生み出され……すべてが大きく変わるだろう。そして……
その"世界"自体が一個人の"誰か"かもしれない――
出会うはずのない者たちが出揃うとき……その先に待ち受けるものは?
最後に待つのは幸せか、残酷な運命か――
そして次第に明らかになる彼女の正体とは……?
〘完〙なぜかモブの私がイケメン王子に強引に迫られてます 〜転生したら推しのヒロインが不在でした〜
hanakuro
恋愛
転生してみたら、そこは大好きな漫画の世界だった・・・
OLの梨奈は、事故により突然その生涯閉じる。
しかし次に気付くと、彼女は伯爵令嬢に転生していた。しかも、大好きだった漫画の中のたったのワンシーンに出てくる名もないモブ。
モブならお気楽に推しのヒロインを観察して過ごせると思っていたら、まさかのヒロインがいない!?
そして、推し不在に落胆する彼女に王子からまさかの強引なアプローチが・・
王子!その愛情はヒロインに向けてっ!
私、モブですから!
果たしてヒロインは、どこに行ったのか!?
そしてリーナは、王子の強引なアプローチから逃れることはできるのか!?
イケメン王子に翻弄される伯爵令嬢の恋模様が始まる。
せっかく転生したのにモブにすらなれない……はずが溺愛ルートなんて信じられません
嘉月
恋愛
隣国の貴族令嬢である主人公は交換留学生としてやってきた学園でイケメン達と恋に落ちていく。
人気の乙女ゲーム「秘密のエルドラド」のメイン攻略キャラは王立学園の生徒会長にして王弟、氷の殿下こと、クライブ・フォン・ガウンデール。
転生したのはそのゲームの世界なのに……私はモブですらないらしい。
せめて学園の生徒1くらいにはなりたかったけど、どうしようもないので地に足つけてしっかり生きていくつもりです。
少しだけ改題しました。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。
公爵様のバッドエンドを回避したいだけだったのに、なぜか溺愛されています
六花心碧
恋愛
お気に入り小説の世界で名前すら出てこないモブキャラに転生してしまった!
『推しのバッドエンドを阻止したい』
そう思っただけなのに、悪女からは脅されるし、小説の展開はどんどん変わっていっちゃうし……。
推しキャラである公爵様の反逆を防いで、見事バッドエンドを回避できるのか……?!
ゆるくて、甘くて、ふわっとした溺愛ストーリーです➴⡱
◇2025.3 日間・週間1位いただきました!HOTランキングは最高3位いただきました!
皆様のおかげです、本当にありがとうございました(ˊᗜˋ*)
(外部URLで登録していたものを改めて登録しました! ◇他サイト様でも公開中です)
ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない
魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。
そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。
ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。
イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。
ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。
いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。
離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。
「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」
予想外の溺愛が始まってしまう!
(世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる