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ハルクイベント7
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……いや、それにしたって随分無茶をする。
大好きな植物の研究のためなら、多少の苦しみは甘んじて受け入れるあたり、とてもハルクらしいっちゃハルクらしいけど。
「……こんな短期間でここまで立派に育ったマンドラゴラは、これが初めてだからな。正直、品種改良を行ったオレも、叫び声がどんな効果に変異しているか予想がつかん。果たしてどんな効果をみせてくれるのか……楽しみだ」
…………いや、もしかして単にハルク、マゾなのか。
これから未知の苦痛が待ち受けているかもしれないっていうのに、口元はゆるっゆるでめちゃくちゃ嬉しそうだ。
いくら植物好きだからって、普通こんな手放しじゃ喜べないでしょ。苦痛にある種の快感でも見いだしてなきゃ。
「だが、お前は絶対に魔具を外したりするなよ。時々魔具に気づいたマンドラゴラが、蔓を使って耳から魔具を外そうとすることもあるから、気をつけろ。何かあってからじゃ、遅いんだからな」
「……はーい。気をつけます」
種を渡された初対面の時は、嘲笑を浮かべながら、いかにマンドラゴラが恐ろしいか嬉々脅してきたというのに、随分な変わりようだ。自分のことを棚にあげて心配してくれてるってことだもん。そんだけ親しくなったと思うと、友人としては嬉しい限りだ。
「それじゃあ、収穫するから魔具を装着しろ。お前は右側から、オレは左側から収穫して、素早く作業終わらすぞ」
「はーい。了解でーす」
ハルクに促されるままに、魔具を両耳に装着する。……おお。本当に、これつけるとなーんにも聞こえなくなるんだな。すげぇ。
魔具をするなり訪れた完全なる静寂に一人感動していると、肩を叩かれた。
「えーと……『まずはオレが先に収穫してみせるから、お前はやり方を見てろ』?」
大好きな植物の研究のためなら、多少の苦しみは甘んじて受け入れるあたり、とてもハルクらしいっちゃハルクらしいけど。
「……こんな短期間でここまで立派に育ったマンドラゴラは、これが初めてだからな。正直、品種改良を行ったオレも、叫び声がどんな効果に変異しているか予想がつかん。果たしてどんな効果をみせてくれるのか……楽しみだ」
…………いや、もしかして単にハルク、マゾなのか。
これから未知の苦痛が待ち受けているかもしれないっていうのに、口元はゆるっゆるでめちゃくちゃ嬉しそうだ。
いくら植物好きだからって、普通こんな手放しじゃ喜べないでしょ。苦痛にある種の快感でも見いだしてなきゃ。
「だが、お前は絶対に魔具を外したりするなよ。時々魔具に気づいたマンドラゴラが、蔓を使って耳から魔具を外そうとすることもあるから、気をつけろ。何かあってからじゃ、遅いんだからな」
「……はーい。気をつけます」
種を渡された初対面の時は、嘲笑を浮かべながら、いかにマンドラゴラが恐ろしいか嬉々脅してきたというのに、随分な変わりようだ。自分のことを棚にあげて心配してくれてるってことだもん。そんだけ親しくなったと思うと、友人としては嬉しい限りだ。
「それじゃあ、収穫するから魔具を装着しろ。お前は右側から、オレは左側から収穫して、素早く作業終わらすぞ」
「はーい。了解でーす」
ハルクに促されるままに、魔具を両耳に装着する。……おお。本当に、これつけるとなーんにも聞こえなくなるんだな。すげぇ。
魔具をするなり訪れた完全なる静寂に一人感動していると、肩を叩かれた。
「えーと……『まずはオレが先に収穫してみせるから、お前はやり方を見てろ』?」
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