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ルクレア・ボレアという女
エンジェ・ルーチェというヒロイン
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16年前。
ルーチェ家に、愛らしい双子の赤ちゃんが生まれた。
二卵性(ちなみにこの世界にはそういう概念はない。双子は単に双子だ。しかし、せっかくなので前世の知識も交えて分かりやすく説明させて頂こう)で、性別も違う双子だったが、二人はその髪の色を覗けば瓜二つであった。思春期を迎え、第二次性徴が起こり始めてもなお、その差は酷く微々たるもので広がる兆しもなく、良く似た愛らしい姉弟と評判だったという。
……別にルーチェちゃんは特別中性的なわけでも、背が高いわけでもないから、これはひとえに悪魔様の性別が間違……いや、成長具合があまり芳しくなか……いや、ちょっと成長期が人よりお遅れになっていたことが原因であると思われる。口を裂けても、本人には言えませんが。
そんなある日、エンジェちゃんに転記が訪れる。そう、最初に述べた、介抱イベントである。王族を救っちゃって、失われた聖魔法の使い手だと判明し、学園に収集がかかるあれである。
エンジェちゃんが、そのまま普通に学園に来てくれれば、全く問題は無かった。普通に乙女ゲームが始まっていた。しかし、ここで(私にとって)悲劇が起こる。
エンジェちゃんは、転生者だった。しかも、こんなマイナー同人乙女ゲームをプレイしたことがあるような、前世の私同様ガチオタクであり、なおかつコミュ障と引きこもりであった。
え、攻略対象とラブイベント?
やだ、二次元ならいいけど三次元の男怖い。イケメン怖い。周りの嫉妬の眼、怖い。てか、恋愛自体怖い。
苛め? やだやだやだやだ。絶対泣く。ルクレアのいじめとか、まじきつい。怖い。
てか、外出たくない。学園とか行きたくない。ずっと家に引きこもって、たまに怪我とか病気の患者さん癒やしてお金貰って、それで生きていきたい。ゲームとか、本気でマジいらない。ヒロインとか絶対嫌だ。怖い怖い怖い、外、怖い
……と、なったらしい。
しかし、エンジェちゃんを学園にと、言ってきたのは王族だ。提案に見せた、命令だ。そこそこ裕福とはいえ、庶民のルーチェ家では逆らうことが出来ない。必死に周囲は説得するが、尋常でないくらい怯えるエンジェちゃんは何を言っても首を縦に振らず、ついに強硬手段に出た。
聖魔法による、結界魔法の最上級、【異次元別離】を展開したのである。それは、別次元に特別な空間を使って中に閉じこもるという、最大の引きこもり魔法。聖魔法の使い手以外は、まず、どうやっても干渉が出来ない魔法だ。
……うむ。エンジェちゃん。家族はとても可哀想だが、そこまで突き抜けているとすごいな。なんという才能の無駄遣い……いや、ある意味では、天はものすごく相応しい人に聖魔法の才を与えたともいえる。引きこもりの鏡だな。
さて、困ったにはルーチェ家の皆さん。こうなったら、エンジェちゃんを学園に通わせることは不可能だ。かと言って、王族に逆らうわけにはいかない。さて。どうしたものか。
そこで白羽の矢が立ったのが、エンジェちゃんそっくりの悪魔様。鬘かぶせて、女装させれば、あら不思議。エンジェちゃんがもう一人、あっという間に出来上がり。
そんなわけで、悪魔様が女装してこの学園に通うことになったらしい。
……うん、なるほど。なるほど。
しかし、私は、本物のエンジェちゃんに言いたい。
同じ転生者で、そういう事情だって知ったら、私エンジェちゃん虐めたりしないよ? 寧ろ全力で庇って、エンジェちゃんがイベントフラグ折るの全力で協力するよ?
同じ転生者で、同じ同人ゲームをやった同志。きっとエンジェちゃんとは気が合う気がするんだ。うん、きっと心の友と書いて、心友になれるよっ!
恋愛なんかそっち抜けで、二人で美しい友情で結ばれた青春の日々を送ろう?
――っだから、今からでもお願いします!
チェンジでっ!
この悪魔様と、今すぐチェンジでお願いしますっっっ!!!!
ルーチェ家に、愛らしい双子の赤ちゃんが生まれた。
二卵性(ちなみにこの世界にはそういう概念はない。双子は単に双子だ。しかし、せっかくなので前世の知識も交えて分かりやすく説明させて頂こう)で、性別も違う双子だったが、二人はその髪の色を覗けば瓜二つであった。思春期を迎え、第二次性徴が起こり始めてもなお、その差は酷く微々たるもので広がる兆しもなく、良く似た愛らしい姉弟と評判だったという。
……別にルーチェちゃんは特別中性的なわけでも、背が高いわけでもないから、これはひとえに悪魔様の性別が間違……いや、成長具合があまり芳しくなか……いや、ちょっと成長期が人よりお遅れになっていたことが原因であると思われる。口を裂けても、本人には言えませんが。
そんなある日、エンジェちゃんに転記が訪れる。そう、最初に述べた、介抱イベントである。王族を救っちゃって、失われた聖魔法の使い手だと判明し、学園に収集がかかるあれである。
エンジェちゃんが、そのまま普通に学園に来てくれれば、全く問題は無かった。普通に乙女ゲームが始まっていた。しかし、ここで(私にとって)悲劇が起こる。
エンジェちゃんは、転生者だった。しかも、こんなマイナー同人乙女ゲームをプレイしたことがあるような、前世の私同様ガチオタクであり、なおかつコミュ障と引きこもりであった。
え、攻略対象とラブイベント?
やだ、二次元ならいいけど三次元の男怖い。イケメン怖い。周りの嫉妬の眼、怖い。てか、恋愛自体怖い。
苛め? やだやだやだやだ。絶対泣く。ルクレアのいじめとか、まじきつい。怖い。
てか、外出たくない。学園とか行きたくない。ずっと家に引きこもって、たまに怪我とか病気の患者さん癒やしてお金貰って、それで生きていきたい。ゲームとか、本気でマジいらない。ヒロインとか絶対嫌だ。怖い怖い怖い、外、怖い
……と、なったらしい。
しかし、エンジェちゃんを学園にと、言ってきたのは王族だ。提案に見せた、命令だ。そこそこ裕福とはいえ、庶民のルーチェ家では逆らうことが出来ない。必死に周囲は説得するが、尋常でないくらい怯えるエンジェちゃんは何を言っても首を縦に振らず、ついに強硬手段に出た。
聖魔法による、結界魔法の最上級、【異次元別離】を展開したのである。それは、別次元に特別な空間を使って中に閉じこもるという、最大の引きこもり魔法。聖魔法の使い手以外は、まず、どうやっても干渉が出来ない魔法だ。
……うむ。エンジェちゃん。家族はとても可哀想だが、そこまで突き抜けているとすごいな。なんという才能の無駄遣い……いや、ある意味では、天はものすごく相応しい人に聖魔法の才を与えたともいえる。引きこもりの鏡だな。
さて、困ったにはルーチェ家の皆さん。こうなったら、エンジェちゃんを学園に通わせることは不可能だ。かと言って、王族に逆らうわけにはいかない。さて。どうしたものか。
そこで白羽の矢が立ったのが、エンジェちゃんそっくりの悪魔様。鬘かぶせて、女装させれば、あら不思議。エンジェちゃんがもう一人、あっという間に出来上がり。
そんなわけで、悪魔様が女装してこの学園に通うことになったらしい。
……うん、なるほど。なるほど。
しかし、私は、本物のエンジェちゃんに言いたい。
同じ転生者で、そういう事情だって知ったら、私エンジェちゃん虐めたりしないよ? 寧ろ全力で庇って、エンジェちゃんがイベントフラグ折るの全力で協力するよ?
同じ転生者で、同じ同人ゲームをやった同志。きっとエンジェちゃんとは気が合う気がするんだ。うん、きっと心の友と書いて、心友になれるよっ!
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