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ダーザ・オーサムというショタキャラ
ダーザ・オーサムというショタキャラ19
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しかし、そんな私を、デイビッドはなぜか心底残念なものを見るような目で見て、ため息を吐いた。
な、なんだ、その反応は……!?
「……ばぁーか」
「痛っ!……」
……くは、ない。
思わず反射的に言っちゃったけど、痛くはない。
悪魔様には非常に珍しいことに、かなり力加減して貰ってる。
だが、何ゆえここでデコピン?
何ゆえ、馬鹿?
「なんか得意気にしてるが、お前、普通に失敗してんぞ。今回の脚本」
「……え、なんで! 普通にダーザの好感度、上がってる感じだったじゃん!」
呆れたように言われるが……解せぬ。
だってあからさまに、ダーザのデイビッ東京に対する態度変わってたではないか。
もう、恋に落ちちゃうんじゃね?
てな感じだったではないか。
「……まぁ、確かに好感度? つーか俺に対する評価は上がってたな。今後、教科書奪われたことを、あのガキがねちねち言うことはねぇだろーよ。その点は誉めてやってもいい」
「でしょ、でしょ?」
そうだよ。私の脚本は、ちゃんとダーザのデイビッドに対するマイナス好感度を覆したはずだ。
最初から素直に、「俺の為にありがとうございます。ルクレア様。あなたは天才です」と言わんかい。
「……だけど、あれじゃ下僕化はまず無理だな」
「え」
……どういうこと?
思いがけない言葉に、頭の中にクエスチョンマークが飛び交う。
こういうのって、好感度あげさえすれば良いんじゃないの?
戸惑う私の脇で、デイビッドは何かの匂いを嗅ぐように、すんと鼻を鳴らすと、不愉快げに顔をしかめた。
「……まだ甘ったるい匂いが残ってやがる。一番嗅ぎとりやすい感情とはいえ、ここまで強いのはもう相当だな。お前の脚本のせいで、途中からますます濃くなってやがったし」
「匂い……?」
「あぁ、そうだ」
デイビッドはひどくげんなりした表情で吐き捨てた。
「あのガキ……どこぞの糞王子なみにプンプン臭ってやがんだよ。特定の雌に対する、一方的な発情フェロモンの匂いがよ」
「……ぶふっ!」
デイビッドのあんまりな言葉に、思わず噴出した。
……発情って、発情って、あーた……!
「……それは、ダーザもオージン同様に、熱烈に恋している子がいるってこと?」
「あぁ、そうとも言うな」
……なら、最初から、そう言え!
なんて情緒がない表現の仕方すんだ、君は……っ!
あまりに、ロマンが無いぞ……! ロマンが……!
「……ともかく、あんだけ強烈なフェロモン発している奴、落とすなんてまず無理だな」
そう言ってデイビッドは肩を竦めた。
「その女によっぽどこっぴどくフラれでもしない限り、他の女に目ぇ向けることはねぇだろーよ。小手先の技で何とかなるもんじゃねぇ。……まぁ、あのガキの下僕化は諦めた方が、楽だな。手間がかかり過ぎて、わりにあわねぇ」
そ、そんな……。
思わず、その場にへたり込む。
成功したと思ったのに……。解放へと、一歩近づいたと、そう確信していたのに……。
オージンは仕方なかった。だってゲームの公式設定でエンジェちゃん本人に恋してたから。
でもダーザまで、他の誰かに恋しているだって?
何それ、そんなのゲームでは無かったよ。いや、もしかしたら私の攻略してないエンドであったかもしれないけど、明らかにそんな展開王道ルートじゃないよ……! どういうこっちゃ。
……あぁ、でもそもそもデイビットの存在自体が、全く王道じゃなかったぁぁぁ……!
--ちょっと待て。私の前世のゲーム知識、ひょっとして全く役に立ってないんじゃないか?
私が前世で読んでいたゲーム転生もの小説は、正規ルートが歪んでなんぼな話が主流だったけど、いくらなんでもこんな状況、ちょっとあんまりじゃない?
メリットをくれ、もっとメリットを!
転生者特典として、未来を見通せる能力故の、攻略キャラの詳細のパーソナルデータを知っているが故の、メリットを!
なんか、メリットどころか、ゲーム知識故の行動が全部が全部後ろ手に回っている気がするんだけど、気のせいじゃないよね?
おいこら、どっかにいる世界の神さま、どうなってんだ、これ!
「……まぁ、俺は別にあのガキをそこまで下僕にしてぇわけじゃねぇから、この件ではお前が失敗しようがかまわねぇけどな」
そう言って悪魔様は、とても「イイ」笑顔を浮かべながら、私の肩を叩いた。
「良かったな、ルクレア。……これで俺の永久下僕の地位に、一歩近づいたぞ」
……のおおおおおおおぉぉぉぉ!!!!!!!!
な、なんだ、その反応は……!?
「……ばぁーか」
「痛っ!……」
……くは、ない。
思わず反射的に言っちゃったけど、痛くはない。
悪魔様には非常に珍しいことに、かなり力加減して貰ってる。
だが、何ゆえここでデコピン?
何ゆえ、馬鹿?
「なんか得意気にしてるが、お前、普通に失敗してんぞ。今回の脚本」
「……え、なんで! 普通にダーザの好感度、上がってる感じだったじゃん!」
呆れたように言われるが……解せぬ。
だってあからさまに、ダーザのデイビッ東京に対する態度変わってたではないか。
もう、恋に落ちちゃうんじゃね?
てな感じだったではないか。
「……まぁ、確かに好感度? つーか俺に対する評価は上がってたな。今後、教科書奪われたことを、あのガキがねちねち言うことはねぇだろーよ。その点は誉めてやってもいい」
「でしょ、でしょ?」
そうだよ。私の脚本は、ちゃんとダーザのデイビッドに対するマイナス好感度を覆したはずだ。
最初から素直に、「俺の為にありがとうございます。ルクレア様。あなたは天才です」と言わんかい。
「……だけど、あれじゃ下僕化はまず無理だな」
「え」
……どういうこと?
思いがけない言葉に、頭の中にクエスチョンマークが飛び交う。
こういうのって、好感度あげさえすれば良いんじゃないの?
戸惑う私の脇で、デイビッドは何かの匂いを嗅ぐように、すんと鼻を鳴らすと、不愉快げに顔をしかめた。
「……まだ甘ったるい匂いが残ってやがる。一番嗅ぎとりやすい感情とはいえ、ここまで強いのはもう相当だな。お前の脚本のせいで、途中からますます濃くなってやがったし」
「匂い……?」
「あぁ、そうだ」
デイビッドはひどくげんなりした表情で吐き捨てた。
「あのガキ……どこぞの糞王子なみにプンプン臭ってやがんだよ。特定の雌に対する、一方的な発情フェロモンの匂いがよ」
「……ぶふっ!」
デイビッドのあんまりな言葉に、思わず噴出した。
……発情って、発情って、あーた……!
「……それは、ダーザもオージン同様に、熱烈に恋している子がいるってこと?」
「あぁ、そうとも言うな」
……なら、最初から、そう言え!
なんて情緒がない表現の仕方すんだ、君は……っ!
あまりに、ロマンが無いぞ……! ロマンが……!
「……ともかく、あんだけ強烈なフェロモン発している奴、落とすなんてまず無理だな」
そう言ってデイビッドは肩を竦めた。
「その女によっぽどこっぴどくフラれでもしない限り、他の女に目ぇ向けることはねぇだろーよ。小手先の技で何とかなるもんじゃねぇ。……まぁ、あのガキの下僕化は諦めた方が、楽だな。手間がかかり過ぎて、わりにあわねぇ」
そ、そんな……。
思わず、その場にへたり込む。
成功したと思ったのに……。解放へと、一歩近づいたと、そう確信していたのに……。
オージンは仕方なかった。だってゲームの公式設定でエンジェちゃん本人に恋してたから。
でもダーザまで、他の誰かに恋しているだって?
何それ、そんなのゲームでは無かったよ。いや、もしかしたら私の攻略してないエンドであったかもしれないけど、明らかにそんな展開王道ルートじゃないよ……! どういうこっちゃ。
……あぁ、でもそもそもデイビットの存在自体が、全く王道じゃなかったぁぁぁ……!
--ちょっと待て。私の前世のゲーム知識、ひょっとして全く役に立ってないんじゃないか?
私が前世で読んでいたゲーム転生もの小説は、正規ルートが歪んでなんぼな話が主流だったけど、いくらなんでもこんな状況、ちょっとあんまりじゃない?
メリットをくれ、もっとメリットを!
転生者特典として、未来を見通せる能力故の、攻略キャラの詳細のパーソナルデータを知っているが故の、メリットを!
なんか、メリットどころか、ゲーム知識故の行動が全部が全部後ろ手に回っている気がするんだけど、気のせいじゃないよね?
おいこら、どっかにいる世界の神さま、どうなってんだ、これ!
「……まぁ、俺は別にあのガキをそこまで下僕にしてぇわけじゃねぇから、この件ではお前が失敗しようがかまわねぇけどな」
そう言って悪魔様は、とても「イイ」笑顔を浮かべながら、私の肩を叩いた。
「良かったな、ルクレア。……これで俺の永久下僕の地位に、一歩近づいたぞ」
……のおおおおおおおぉぉぉぉ!!!!!!!!
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