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第一話 別れ
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「こんな時間にどうした?士」
ある夜、霧矢諒(きりやりょう)はリーダーである篠宮士(しのみやつかさ)に呼び出されていた。
指定されたこのバーは諒達冒険者にとっては隠れ家のような空間で、重要な話や機密の話をする際はよく利用されていた。
普段から客はいないが、それは今日も例外ではなく店内には諒達以外に客の姿はなかった。
後ろから諒が声をかけると、士はグラスを置いてゆっくりと振り向いた。
「来たか、諒」
士はいつもより緊張感のある表情でそう答えると隣に座るよう促した。諒は黙って頷いて隣に座り、適当に水分を注文する。
士も再びグラスを手に取り酒を口に含む。しばらく会話もなく、氷とグラスがぶつかる音だけが空間を包んでいた。
普段から二人の間に会話が多いわけではなかったが、今回のような静けさは初めてのことだった。
気まずさに負けて士の方を盗み見る。彼は何か悩んでいるようにグラスの中を覗いていて諒の視線には気づいていないようだった。
諒にはその悩みが何なのか大体察しがついていた。それが今回の本題であることも大方予想が付いている。しかし、察しがついているからこそ、余計に諒から口を開くのはためらわれた。
諒は視線を戻して再びグラスを傾ける。また少しの沈黙が訪れるが、次にそれを破ったのは士の方だった。持っているグラスを空にしたところで、意を決したように口を開く。
「諒、いつまで勝手を続けるつもりだい?」
「・・・やっぱりその話か」
予想と寸分の狂いもない士の言葉だが、それに喜びなど微塵もなかった。諒は大きなため息をついて素っ気なく答える。
士の言う勝手というのはそのままの意味だ。ここ数か月間諒はパーティーでの依頼にはほとんど参加せずに単独で依頼を受けていた。
しかもほぼすべてが独断で、別にパーティーの利益のための行動でもない。そんなことをしていて反感を買わないはずもなかった。
士率いるパーティーは総勢五人。モンスターと命のやり取りを行う冒険者としては非常に小規模だが、それでもAランクという上位パーティーの仲間入りを果たすまでになっていた。
そんなこれから規模も大きくして成長していこうという時期に、諒のような存在はその妨げになる可能性は大いにある。身勝手な奴がいると広まればパーティーのブランドに傷もついてしまうだろう。
もちろんそんな状態で数か月も放置されていたわけではない。士の口からこの言葉を聞くのも何回目になるかわからないほどだ。
そして、諒の答えもいつもと変わらない。だが、もういい加減このやり取りにも飽き飽きしていた。もう一度大きく息を吐き、士に視線を合わせる。
「俺とお前ではもう理想が違う。お前がなんと言おうが、悪いが俺は勝手にやらせてもらう」
「理想?このパーティーが成長していくことは君の理想ではないとでも言うのかい?」
「・・・ああ」
「そうか・・これを見てくれ」
諒の反応を見て士も覚悟を決めたように一枚の紙を取り出して彼に見せる。
パーティーからの除隊書、該当者は当然諒だ。もうそれだけで士の言わんとするところは理解できた。
諒は数秒で紙から視線を外して士に戻す。
「それが、お前の答えか」
「ああ、僕はリーダーとしてこのパーティーを大きくする使命がある。それを共に目指せない人間は、もういらないんだ」
「それはもっともな意見だな」
「諒、これが最後だ。君がこのパーティーを大きくするために協力してくれるなら、こんな紙、すぐに破いてこれまでのことも水に流すさ。だけど、それが出来ないというなら・・・」
そこから先は言わなくてもわかるだろうというように口を閉じた。
諒もいずれこうなることは想像できていた。どこまでいっても士との関係はリーダーと部下だ。リーダーの意思に従わない奴が逆に数か月もいれたことが奇跡というものだ。
それゆえに、諒の意思もこれを見せられて尚変わることはなかった。何かを期待するように諒を見る士を正面から見返し、ゆっくりと首を横に振った。
「俺がこれを見せられて初めて事の重大さを理解したとも思ってないだろ。何を言われようが、俺の意思は変わらない」
「・・・正気かい?Aランクであることを捨てることの意味はよく理解しているはずだ。それでも曲げない君の意思とは一体何なんだい?」
「俺はパーティーが大きくなることに興味はない。もうお前とは目指すものが違う。それだけのことだ」
「そうか・・・なら、これ以上の会話はもう無駄だね。残念だよ、諒」
「・・・俺も残念だよ」
そこからは二人の間に会話はなく、ただ静かに二人は最後の時間を過ごした。
言いたいことが無いわけではない。だが、士の言った通りこれ以上言葉を重ねても無駄だった。二人の間には譲ることはおろか妥協案すら存在していない。決着をつけるには、もうどちらかが消えるしかない。お互いそれをわかっていた。
どれだけそうしていたのかははっきりとはわからない。だがその時は来た。
心は決まった。三杯目のグラスを飲み干した諒は静かに席を立った。
「世話になったな。士」
「ああ・・・今まで楽しかったよ、諒」
最後の言葉も必要以上に交わさせることはなかった。
目すらも合わせることはなく、諒はバーを後にした。
真夜中の外はバーと大して変わらない静けさだった。この選択をした諒をどこか責めるかのように活気の薄れた街並みと物悲しい風が店を出た諒を迎えていた。
まるで諒の心の内を見透かしているようだ。まっすぐ帰路についていたが、途中で道の端にポツンと置かれたベンチが目に入った。
少し迷った後、諒はベンチに座って大きなため息をつく。
「・・・さすがに後悔がない、とは言えないな」
もともと諒は最初から士のパーティーにいたわけではない。彼らがCランクの頃に偶然依頼を通して出会ったのが最初だった。
一目ぼれとでもいうやつだ。
あの頃の士は何よりメンバーのことを考えて行動していたまさに理想のリーダーだった。士は全員のことを必要とし、メンバーもそんな彼を頼り、信頼していた。
そんな彼のリーダーとしての器に惹かれ、諒はパーティーに加入したのだ。
それからは高ランクになるまでずっと一緒にやってきた仲だ。そんな彼の元から離れるのは未練の一つも残るというものだ。
士の前では平静でいたはずだが、1人になると急に後悔が押し寄せてきた。だがもう戻ることは出来ないし、戻るつもりもない。
諒がかつて惚れた「篠宮士」はもうあそこにはいないのだから。
もう一度大きく息を吐いて立ち上がると、後ろから諒を呼ぶ声が聞こえた。
「霧矢さん、こんな時間にどうしたんですか?」
「・・・明美か。おまえこそこんなところでどうした?」
こんなところで誰かと思って振り向くと、そこに立っていたのは小柄な少女だった。火野明美(ひのあけみ)、士のパーティーの一員だ。
月の光を反射しているように透き通った輝きをたたえる黒髪を左にまとめたサイドテールがまず目を引く。
そして釣り目がかった彼女の目は真面目な印象を見るもの与える。そしてその印象に違わずしっかりした少女だ。
しかしまだ14歳と冒険者の中でも非常に幼い。
それでも高ランクの依頼でも他のメンバーにまったく引けをとらない技量をもっていた。
パーティーの中でも一つ外れた実力をもつ諒のことを師匠のように慕っており、彼とは一番交友関係のある人間だ。
同時に諒にとっては今一番会いたくない人物だった。今回の一件もおそらくは諒と士しか知らないはずだ。
明美は諒がパーティーを辞めたなんて夢にも思っていないだろう。それは彼女の寸分の濁りもない赤い瞳を見ればすぐにわかった。
「私は寝る前に特訓するのが習慣ですので。でも今日はなんだか眠れなくて、少し長くやってました」
「・・・そうか、あいかわらず頑張ってるみたいだな」
「当然です。霧矢さんに近づくために、鍛錬はかかせません」
Aランクに入ってからは顔を合わせる機会も減ったが、明美の諒に対する思いは全く変わっていなかった。
自分が誰かに慕われていて、こんなに努力している姿を見せられると決意が揺らぎそうだった。
そもそもどうやって話したものか。色々な思いが交錯して中々諒から口を開くことが出来ずにいた。
「霧矢さん、何かあったんですか?何か悩んでるようですけど」
「・・・いや、なんでもない。悪いな。それじゃあ俺はもう帰るとするよ。お前もあんまり夜に出歩くものじゃないぞ」
「はい、おやすみなさい。霧矢さん」
結局何も伝えることはなく、諒は明美に別れを告げた。おそらくその内士の口からすべて告げられることだろう。その時彼女がどんな顔をするか・・・だがそれがどうだったとしても、もう諒には関係ないことだった。
明美の姿が見えなくなった後、もう一度大きなため息をついて今度こそ諒は帰路についた。
ある夜、霧矢諒(きりやりょう)はリーダーである篠宮士(しのみやつかさ)に呼び出されていた。
指定されたこのバーは諒達冒険者にとっては隠れ家のような空間で、重要な話や機密の話をする際はよく利用されていた。
普段から客はいないが、それは今日も例外ではなく店内には諒達以外に客の姿はなかった。
後ろから諒が声をかけると、士はグラスを置いてゆっくりと振り向いた。
「来たか、諒」
士はいつもより緊張感のある表情でそう答えると隣に座るよう促した。諒は黙って頷いて隣に座り、適当に水分を注文する。
士も再びグラスを手に取り酒を口に含む。しばらく会話もなく、氷とグラスがぶつかる音だけが空間を包んでいた。
普段から二人の間に会話が多いわけではなかったが、今回のような静けさは初めてのことだった。
気まずさに負けて士の方を盗み見る。彼は何か悩んでいるようにグラスの中を覗いていて諒の視線には気づいていないようだった。
諒にはその悩みが何なのか大体察しがついていた。それが今回の本題であることも大方予想が付いている。しかし、察しがついているからこそ、余計に諒から口を開くのはためらわれた。
諒は視線を戻して再びグラスを傾ける。また少しの沈黙が訪れるが、次にそれを破ったのは士の方だった。持っているグラスを空にしたところで、意を決したように口を開く。
「諒、いつまで勝手を続けるつもりだい?」
「・・・やっぱりその話か」
予想と寸分の狂いもない士の言葉だが、それに喜びなど微塵もなかった。諒は大きなため息をついて素っ気なく答える。
士の言う勝手というのはそのままの意味だ。ここ数か月間諒はパーティーでの依頼にはほとんど参加せずに単独で依頼を受けていた。
しかもほぼすべてが独断で、別にパーティーの利益のための行動でもない。そんなことをしていて反感を買わないはずもなかった。
士率いるパーティーは総勢五人。モンスターと命のやり取りを行う冒険者としては非常に小規模だが、それでもAランクという上位パーティーの仲間入りを果たすまでになっていた。
そんなこれから規模も大きくして成長していこうという時期に、諒のような存在はその妨げになる可能性は大いにある。身勝手な奴がいると広まればパーティーのブランドに傷もついてしまうだろう。
もちろんそんな状態で数か月も放置されていたわけではない。士の口からこの言葉を聞くのも何回目になるかわからないほどだ。
そして、諒の答えもいつもと変わらない。だが、もういい加減このやり取りにも飽き飽きしていた。もう一度大きく息を吐き、士に視線を合わせる。
「俺とお前ではもう理想が違う。お前がなんと言おうが、悪いが俺は勝手にやらせてもらう」
「理想?このパーティーが成長していくことは君の理想ではないとでも言うのかい?」
「・・・ああ」
「そうか・・これを見てくれ」
諒の反応を見て士も覚悟を決めたように一枚の紙を取り出して彼に見せる。
パーティーからの除隊書、該当者は当然諒だ。もうそれだけで士の言わんとするところは理解できた。
諒は数秒で紙から視線を外して士に戻す。
「それが、お前の答えか」
「ああ、僕はリーダーとしてこのパーティーを大きくする使命がある。それを共に目指せない人間は、もういらないんだ」
「それはもっともな意見だな」
「諒、これが最後だ。君がこのパーティーを大きくするために協力してくれるなら、こんな紙、すぐに破いてこれまでのことも水に流すさ。だけど、それが出来ないというなら・・・」
そこから先は言わなくてもわかるだろうというように口を閉じた。
諒もいずれこうなることは想像できていた。どこまでいっても士との関係はリーダーと部下だ。リーダーの意思に従わない奴が逆に数か月もいれたことが奇跡というものだ。
それゆえに、諒の意思もこれを見せられて尚変わることはなかった。何かを期待するように諒を見る士を正面から見返し、ゆっくりと首を横に振った。
「俺がこれを見せられて初めて事の重大さを理解したとも思ってないだろ。何を言われようが、俺の意思は変わらない」
「・・・正気かい?Aランクであることを捨てることの意味はよく理解しているはずだ。それでも曲げない君の意思とは一体何なんだい?」
「俺はパーティーが大きくなることに興味はない。もうお前とは目指すものが違う。それだけのことだ」
「そうか・・・なら、これ以上の会話はもう無駄だね。残念だよ、諒」
「・・・俺も残念だよ」
そこからは二人の間に会話はなく、ただ静かに二人は最後の時間を過ごした。
言いたいことが無いわけではない。だが、士の言った通りこれ以上言葉を重ねても無駄だった。二人の間には譲ることはおろか妥協案すら存在していない。決着をつけるには、もうどちらかが消えるしかない。お互いそれをわかっていた。
どれだけそうしていたのかははっきりとはわからない。だがその時は来た。
心は決まった。三杯目のグラスを飲み干した諒は静かに席を立った。
「世話になったな。士」
「ああ・・・今まで楽しかったよ、諒」
最後の言葉も必要以上に交わさせることはなかった。
目すらも合わせることはなく、諒はバーを後にした。
真夜中の外はバーと大して変わらない静けさだった。この選択をした諒をどこか責めるかのように活気の薄れた街並みと物悲しい風が店を出た諒を迎えていた。
まるで諒の心の内を見透かしているようだ。まっすぐ帰路についていたが、途中で道の端にポツンと置かれたベンチが目に入った。
少し迷った後、諒はベンチに座って大きなため息をつく。
「・・・さすがに後悔がない、とは言えないな」
もともと諒は最初から士のパーティーにいたわけではない。彼らがCランクの頃に偶然依頼を通して出会ったのが最初だった。
一目ぼれとでもいうやつだ。
あの頃の士は何よりメンバーのことを考えて行動していたまさに理想のリーダーだった。士は全員のことを必要とし、メンバーもそんな彼を頼り、信頼していた。
そんな彼のリーダーとしての器に惹かれ、諒はパーティーに加入したのだ。
それからは高ランクになるまでずっと一緒にやってきた仲だ。そんな彼の元から離れるのは未練の一つも残るというものだ。
士の前では平静でいたはずだが、1人になると急に後悔が押し寄せてきた。だがもう戻ることは出来ないし、戻るつもりもない。
諒がかつて惚れた「篠宮士」はもうあそこにはいないのだから。
もう一度大きく息を吐いて立ち上がると、後ろから諒を呼ぶ声が聞こえた。
「霧矢さん、こんな時間にどうしたんですか?」
「・・・明美か。おまえこそこんなところでどうした?」
こんなところで誰かと思って振り向くと、そこに立っていたのは小柄な少女だった。火野明美(ひのあけみ)、士のパーティーの一員だ。
月の光を反射しているように透き通った輝きをたたえる黒髪を左にまとめたサイドテールがまず目を引く。
そして釣り目がかった彼女の目は真面目な印象を見るもの与える。そしてその印象に違わずしっかりした少女だ。
しかしまだ14歳と冒険者の中でも非常に幼い。
それでも高ランクの依頼でも他のメンバーにまったく引けをとらない技量をもっていた。
パーティーの中でも一つ外れた実力をもつ諒のことを師匠のように慕っており、彼とは一番交友関係のある人間だ。
同時に諒にとっては今一番会いたくない人物だった。今回の一件もおそらくは諒と士しか知らないはずだ。
明美は諒がパーティーを辞めたなんて夢にも思っていないだろう。それは彼女の寸分の濁りもない赤い瞳を見ればすぐにわかった。
「私は寝る前に特訓するのが習慣ですので。でも今日はなんだか眠れなくて、少し長くやってました」
「・・・そうか、あいかわらず頑張ってるみたいだな」
「当然です。霧矢さんに近づくために、鍛錬はかかせません」
Aランクに入ってからは顔を合わせる機会も減ったが、明美の諒に対する思いは全く変わっていなかった。
自分が誰かに慕われていて、こんなに努力している姿を見せられると決意が揺らぎそうだった。
そもそもどうやって話したものか。色々な思いが交錯して中々諒から口を開くことが出来ずにいた。
「霧矢さん、何かあったんですか?何か悩んでるようですけど」
「・・・いや、なんでもない。悪いな。それじゃあ俺はもう帰るとするよ。お前もあんまり夜に出歩くものじゃないぞ」
「はい、おやすみなさい。霧矢さん」
結局何も伝えることはなく、諒は明美に別れを告げた。おそらくその内士の口からすべて告げられることだろう。その時彼女がどんな顔をするか・・・だがそれがどうだったとしても、もう諒には関係ないことだった。
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