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第二十七話 解き放たれる氷獄
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「おおおお!!」
「はああ!!」
レッドフォックスの突進を回避した恭介と琴音は後ろから斬りかかる。
しかし背を向けた状態のレッドフォックスはそのまま尻尾を使って二人を薙ぎ払う。
直前に攻撃をそこに合わせて二人は難を逃れるが追撃には移れず再度距離を取る。
「さすがに強いな」
「ええ、中々反撃出来ませんわ」
レッドフォックスは体毛でおおわれていて柔らかそうだが、それでも実際はかなり固くれんの矢さえもはじいてた。
それでいて接近戦も手強く、さらに火球さえも併せ持つ。三人で相手するのはかなり厳しい相手だ。
恭介の実力はれん達二人より上だが、モンスター相手の経験は劣る。更には恭介の扱う地の型は相手の力を利用する性質上慣れない相手に対しては本領が発揮できない。
しかもオーガといった人型はともかく、獣型モンスター相手はそもそも想定されていない。
この戦いにおいて恭介はほぼ剣技を封じられている状態だった。
「また来ますわ」
「ああ、わかってる」
再びレッドフォックスが突進してくる。二人は受け止めず回避に専念する。レッドフォックスの爪が琴音の髪をかすめ、数本が宙を舞う。
速度は三人よりも上で少しでも反応が遅れれば回避しきれないほどだ。
レッドフォックスは手をこまねいている恭介と琴音を脅威ではないと判断したのか、今度はれんに狙いを定める。
れんも矢を放って応戦するが、レッドフォックスは構わず火球を放った。
れんはすぐに回避行動に移って火球を避ける。
火球はれんの後ろの木に命中すると轟音とともにへし折る。
「氷川さん!!」
避けきるには思い切り飛ぶしかないれんは態勢を立て直すのに時間がかかる。
だがレッドフォックスはそれを好機と見て再び火球を放つべく口を開く。
琴音が援護をするため走り出すが、それを察知したレッドフォックスは一度態勢を解くと不用意に接近する彼女に向けて爪を振るう。
「ぐっ!!」
「琴音さん!!」
攻撃の姿勢に入っていた琴音はそれを防ぎきれず、爪が左腕を切り裂いた。
痛みに琴音の表情が歪み、衝撃で吹き飛ばされる。
かなり深く入ってしまっているようだ。裂けた服の間からかなりの量の出血が見えた。
すぐに止血しないとまずい。すぐにれんが駆け寄ろうとするが、琴音はそれを制した。
「来てはいけませんわ!あなたも危険です!」
「・・・でも・・・」
琴音の言葉にれんは迷っているようだった。
彼女の血ににじんだ左腕を見ながらどうすべきか戸惑っていた。
そしてその戸惑いをレッドフォックスは逃さなかった。棒立ちになってしまったれんに向かって火球を放つ。
「危ない!!」
とっさに恭介がれんを突き飛ばして回避させるが、自分は避けきれず火球が直撃してしまう。体を火に包まれながら大きく吹き飛ばされる。
その後大きく転がって火は収まるが、恭介が動く気配はなかった。
かなり重症を負っているはずだ。彼の体のところどころから煙が上がっている。すぐ治療しないと危険なのはそれだけで分かる。
「・・・氷川さん、あなたは逃げなさい」
「・・でも・・・」
「でもじゃありませんわ。あなたもやられたいんですか?」
「っ・・・それは」
「だったら早く行きなさい。私達のことは諦めなさい」
先ほど恭介に突き飛ばされた反動でれんは琴音のすぐそばにいたが、琴音は恭介がやられたのを見るとれんに逃げるよう言った。
琴音もこの状態ではまともには動けない。今戦えるのはれんだけ。
だが一人では到底レッドフォックスには適わない。それにあの速度相手に1人でも厳しいのに誰かを連れて逃げるのも不可能だ。
琴音はいつでも覚悟は出来ていた。あの時無くしたはずの命、恭介からあの時のことを聞いて改めて彼女は改めて決意を固めていた。
「・・・」
「・・・氷川さん?」
琴音の言葉にれんは不意に立ち上がった。
彼女の言葉を受け入れたのか、そう思ったがれんはレッドフォックスに正面から立ちはだかり弓を構えた。
「私は・・・逃げません!」
「っ!・・・何を言ってるんですの。あなたも死にたいんですか!?」
「・・・ここで逃げたら、私は一生後悔する。もう後悔するのは嫌なんです!」
「氷川さん・・・」
決意があるのはれんも同じだった。
琴音の言葉を真正面からはね返し、レッドフォックスと対峙する。
だがどんなにやろうとしてもその実力差がくつがえることはない。
れんは矢を放とうと弓を構えるが、それより早くレッドフォックスは距離を詰め、その凶爪をれんにも振るわれる。
「氷川さん!!」
思わず琴音は叫んだ。
しかし、レッドフォックスの攻撃がれんに届くことはなかった。
その爪がれんを切り裂く寸前に彼女の体からすさまじい冷気があふれ出したのだ。
冷気に押されるようにあっさりとレッドフォックスの巨体は吹き飛ばされる。
「・・・一体何が起こってるんですの?」
目の前の光景をすぐには信じられなかった。
当の本人あるれんも何も語らず、ただ何かに突き動かされるようにまっすぐにレッドフォックスに視線を向けていた。
ゴアアア!!
吹き飛ばされたレッドフォックスは火球を放つが、れんの周りの冷気が氷の壁を形成しそれを防ぐ。
火球と衝突して舞い散る氷の欠片には目もくれず、れんはそのまま冷気の放出量を上げてレッドフォックスの体を包み込む。
グオオオ!!
冷気によって急激に体温を奪われているのか、レッドフォックスの声は焦りに満ちているようだった。
何とか元凶のれんをつぶそうと再度火球を放とうとするが、冷気が邪魔して火球は生成されず、むなしい空気だけが漏れる。
「・・・凍針氷獄」
火球を封じられ、レッドフォックスは冷気で動くこともままならなかった。
そのまわりにれんは冷気で無数の氷柱を生成する。目のまえで形成される死の光景に、レッドフォックスは何の抵抗も出来ない。
そして次の瞬間氷柱はその冷え固まった体に殺到し、あっけなくその命を奪い去った。
断末魔すら漏れることはなく、レッドフォックスは静かにその姿を光に変える。
「・・・やったんですの?」
琴音の言葉に答える声はなかった。
れんは周囲にまとっていた冷気が霧散すると彼女もまた気を失ったように倒れてしまった。
「ちょっと、氷川さん?」
琴音は腕の傷も忘れて立ち上がり急いでれんの元に駆け寄る。気を失っている。先ほどの謎の力の影響だろうか。
ありえない光景を見せつけられ、琴音はどうするべきかわからずにいた。
「・・・どうすればいいんですの?」
「れん!琴音!無事か!?」
だがその声に応えるかのように諒の声が聞こえてきた。
「諒様!よかった無事だったんですね」
「ああ、俺達は大丈夫だ・・・て、こっちは大分まずいらしいな」
駆け付けた諒と大我は三人の状態を見て一瞬で重大さを理解した。
諒は急いで琴音の止血を行い、大我は恭介の容態を確認する。
「一体なにがあったんだ?」
「炎を使うキツネに襲われたんですの。私と加賀美さんはそいつにしてやられてしまって」
「・・・・レッドフォックスか。そいつはどうした?逃げたのか?」
「いえ、氷川さんが倒したんですの」
「・・・れんが?」
止血の間に事情を琴音から聞く。だが彼女の口から飛び出たのは予想だにしない事実だった。
れんが倒した。三人の中だと最も意外だ。彼女の矢の威力は援護に向いていて単体の力で敵を倒すことは難しいはずだ。
だが琴音も複雑そうな表情をしている。どうやら話すと長くなりそうだ。大我に視線を送ると彼も意図を理解したように頷く。
「君たち三人はすぐ央都に帰還して治療を受けるんだ。乗ってきた馬車はまだ待機しているはず、それを使うといい。村民の避難の方は僕が責任を持って請け負う」
「わかった。いくぞ、琴音」
「はい、わかりましたわ」
琴音も怪我を負っているため諒は二人を背負って馬車へ向かう。後のことは騎士団に任せ、二人は急いで央都に帰還した。
「はああ!!」
レッドフォックスの突進を回避した恭介と琴音は後ろから斬りかかる。
しかし背を向けた状態のレッドフォックスはそのまま尻尾を使って二人を薙ぎ払う。
直前に攻撃をそこに合わせて二人は難を逃れるが追撃には移れず再度距離を取る。
「さすがに強いな」
「ええ、中々反撃出来ませんわ」
レッドフォックスは体毛でおおわれていて柔らかそうだが、それでも実際はかなり固くれんの矢さえもはじいてた。
それでいて接近戦も手強く、さらに火球さえも併せ持つ。三人で相手するのはかなり厳しい相手だ。
恭介の実力はれん達二人より上だが、モンスター相手の経験は劣る。更には恭介の扱う地の型は相手の力を利用する性質上慣れない相手に対しては本領が発揮できない。
しかもオーガといった人型はともかく、獣型モンスター相手はそもそも想定されていない。
この戦いにおいて恭介はほぼ剣技を封じられている状態だった。
「また来ますわ」
「ああ、わかってる」
再びレッドフォックスが突進してくる。二人は受け止めず回避に専念する。レッドフォックスの爪が琴音の髪をかすめ、数本が宙を舞う。
速度は三人よりも上で少しでも反応が遅れれば回避しきれないほどだ。
レッドフォックスは手をこまねいている恭介と琴音を脅威ではないと判断したのか、今度はれんに狙いを定める。
れんも矢を放って応戦するが、レッドフォックスは構わず火球を放った。
れんはすぐに回避行動に移って火球を避ける。
火球はれんの後ろの木に命中すると轟音とともにへし折る。
「氷川さん!!」
避けきるには思い切り飛ぶしかないれんは態勢を立て直すのに時間がかかる。
だがレッドフォックスはそれを好機と見て再び火球を放つべく口を開く。
琴音が援護をするため走り出すが、それを察知したレッドフォックスは一度態勢を解くと不用意に接近する彼女に向けて爪を振るう。
「ぐっ!!」
「琴音さん!!」
攻撃の姿勢に入っていた琴音はそれを防ぎきれず、爪が左腕を切り裂いた。
痛みに琴音の表情が歪み、衝撃で吹き飛ばされる。
かなり深く入ってしまっているようだ。裂けた服の間からかなりの量の出血が見えた。
すぐに止血しないとまずい。すぐにれんが駆け寄ろうとするが、琴音はそれを制した。
「来てはいけませんわ!あなたも危険です!」
「・・・でも・・・」
琴音の言葉にれんは迷っているようだった。
彼女の血ににじんだ左腕を見ながらどうすべきか戸惑っていた。
そしてその戸惑いをレッドフォックスは逃さなかった。棒立ちになってしまったれんに向かって火球を放つ。
「危ない!!」
とっさに恭介がれんを突き飛ばして回避させるが、自分は避けきれず火球が直撃してしまう。体を火に包まれながら大きく吹き飛ばされる。
その後大きく転がって火は収まるが、恭介が動く気配はなかった。
かなり重症を負っているはずだ。彼の体のところどころから煙が上がっている。すぐ治療しないと危険なのはそれだけで分かる。
「・・・氷川さん、あなたは逃げなさい」
「・・でも・・・」
「でもじゃありませんわ。あなたもやられたいんですか?」
「っ・・・それは」
「だったら早く行きなさい。私達のことは諦めなさい」
先ほど恭介に突き飛ばされた反動でれんは琴音のすぐそばにいたが、琴音は恭介がやられたのを見るとれんに逃げるよう言った。
琴音もこの状態ではまともには動けない。今戦えるのはれんだけ。
だが一人では到底レッドフォックスには適わない。それにあの速度相手に1人でも厳しいのに誰かを連れて逃げるのも不可能だ。
琴音はいつでも覚悟は出来ていた。あの時無くしたはずの命、恭介からあの時のことを聞いて改めて彼女は改めて決意を固めていた。
「・・・」
「・・・氷川さん?」
琴音の言葉にれんは不意に立ち上がった。
彼女の言葉を受け入れたのか、そう思ったがれんはレッドフォックスに正面から立ちはだかり弓を構えた。
「私は・・・逃げません!」
「っ!・・・何を言ってるんですの。あなたも死にたいんですか!?」
「・・・ここで逃げたら、私は一生後悔する。もう後悔するのは嫌なんです!」
「氷川さん・・・」
決意があるのはれんも同じだった。
琴音の言葉を真正面からはね返し、レッドフォックスと対峙する。
だがどんなにやろうとしてもその実力差がくつがえることはない。
れんは矢を放とうと弓を構えるが、それより早くレッドフォックスは距離を詰め、その凶爪をれんにも振るわれる。
「氷川さん!!」
思わず琴音は叫んだ。
しかし、レッドフォックスの攻撃がれんに届くことはなかった。
その爪がれんを切り裂く寸前に彼女の体からすさまじい冷気があふれ出したのだ。
冷気に押されるようにあっさりとレッドフォックスの巨体は吹き飛ばされる。
「・・・一体何が起こってるんですの?」
目の前の光景をすぐには信じられなかった。
当の本人あるれんも何も語らず、ただ何かに突き動かされるようにまっすぐにレッドフォックスに視線を向けていた。
ゴアアア!!
吹き飛ばされたレッドフォックスは火球を放つが、れんの周りの冷気が氷の壁を形成しそれを防ぐ。
火球と衝突して舞い散る氷の欠片には目もくれず、れんはそのまま冷気の放出量を上げてレッドフォックスの体を包み込む。
グオオオ!!
冷気によって急激に体温を奪われているのか、レッドフォックスの声は焦りに満ちているようだった。
何とか元凶のれんをつぶそうと再度火球を放とうとするが、冷気が邪魔して火球は生成されず、むなしい空気だけが漏れる。
「・・・凍針氷獄」
火球を封じられ、レッドフォックスは冷気で動くこともままならなかった。
そのまわりにれんは冷気で無数の氷柱を生成する。目のまえで形成される死の光景に、レッドフォックスは何の抵抗も出来ない。
そして次の瞬間氷柱はその冷え固まった体に殺到し、あっけなくその命を奪い去った。
断末魔すら漏れることはなく、レッドフォックスは静かにその姿を光に変える。
「・・・やったんですの?」
琴音の言葉に答える声はなかった。
れんは周囲にまとっていた冷気が霧散すると彼女もまた気を失ったように倒れてしまった。
「ちょっと、氷川さん?」
琴音は腕の傷も忘れて立ち上がり急いでれんの元に駆け寄る。気を失っている。先ほどの謎の力の影響だろうか。
ありえない光景を見せつけられ、琴音はどうするべきかわからずにいた。
「・・・どうすればいいんですの?」
「れん!琴音!無事か!?」
だがその声に応えるかのように諒の声が聞こえてきた。
「諒様!よかった無事だったんですね」
「ああ、俺達は大丈夫だ・・・て、こっちは大分まずいらしいな」
駆け付けた諒と大我は三人の状態を見て一瞬で重大さを理解した。
諒は急いで琴音の止血を行い、大我は恭介の容態を確認する。
「一体なにがあったんだ?」
「炎を使うキツネに襲われたんですの。私と加賀美さんはそいつにしてやられてしまって」
「・・・・レッドフォックスか。そいつはどうした?逃げたのか?」
「いえ、氷川さんが倒したんですの」
「・・・れんが?」
止血の間に事情を琴音から聞く。だが彼女の口から飛び出たのは予想だにしない事実だった。
れんが倒した。三人の中だと最も意外だ。彼女の矢の威力は援護に向いていて単体の力で敵を倒すことは難しいはずだ。
だが琴音も複雑そうな表情をしている。どうやら話すと長くなりそうだ。大我に視線を送ると彼も意図を理解したように頷く。
「君たち三人はすぐ央都に帰還して治療を受けるんだ。乗ってきた馬車はまだ待機しているはず、それを使うといい。村民の避難の方は僕が責任を持って請け負う」
「わかった。いくぞ、琴音」
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