39 / 56
来訪者は突然に⑤
しおりを挟む
「何だか大変なことになっていたようだが…」
日もすっかり暮れ、ようやく自宅マンションの部屋に戻って来た四人を、ルシウスは締まりのない表情で迎え入れた。
びしょ濡れになったソフィアとハーヴィットは顔を見合わせ苦笑いをしていたが、それを見たルシウスは「いや、楽しいことの間違いか」と嬉しそうに目を伏せた。
「ハーヴィットは、もう満足したかい?」
「あぁ」
またハーヴィットも憂いが晴れたように清々しく微笑むと、ゆっくりとソフィアと向かい合った。
「私は貴女が帰還するまでの間、少しでも貴女が心穏やかに過ごせるように準備をしておく。どうか、信じて帰ってきて欲しい」
そっとソフィアの白い手を掬い取り、まるで誓いを立てるかのように唇を寄せる。
その仕草にソフィアは頬をバラ色に染めて微笑むと、その小さな唇を開いた。
「一つ…次にお会いするまでにお願いしたいことがあるのだけど、宜しいかしら?」
「…えぇ、何でしょうか?」
ソフィアが改まってハーヴィットへ願うことはなんなのか。
その後に続く言葉を、その場にいた全員が耳を澄ます。
「実は私、ロマンス小説が大好きですの!!」
「…そ、そうなのですか?」
「ですから、ファーストキスはロマンチックで思わず心がキュンとしてしまうのが良いのです」
可憐に祈るような仕草で頼み込むソフィアに、聞いていた者達の頭上には一斉に疑問符が湧く。そう、ただ一人を除いて。
「というわけで、今回のは未カウントということにして、次、お会いする時を楽しみにしています」
花が綻ぶような可憐な笑顔と共に、投下された爆弾発言の威力は絶大だ。
「ぶふっ!!それはっ…くっ…ハーヴィットには…難題だなっ…!!」
爆笑するルシウスの隣では口をワナワナと震わせ真っ赤になるハーヴィット、反対側では青ざめたヒューズが「くれぐれも陛下とカイト王太子にはバラさないでください!!」と念を押す事態に発展していた。
「大丈夫!兄上には言わないから!ハーヴィットが挙式前に消されるからな!!」
それは非常にまずい。
知花がカイト王太子に会うことはまず無いだろうが、たった今聞いたことは墓にまで持っていくと誓った。
「さて、もっと長居をしたかったが、そろそろ帰らなければ…」
「えぇ、お兄様も、ありがとうございました!!」
ルシウスが頷いた後、リビングの中央へと移動すると、その指先を天井へと向ける。
すると足元に来た時と同じ陣が目の前に展開し、キラキラとした光が彼等の足元を照らしていく。
「では、姫。お帰りをお待ちしております」
「えぇ…!また会える日を心待ちにしております!」
ソフィアが小さく手を振ると、それ応えるようにハーヴィットも大きく手を振り、やがて目の前に居た二人は知花達が見守る中、光の渦へと消えていったのだった。
***
「それにしてもハーヴィット殿下、表情は硬かったですけど、意外と優しくて良い人でしたね」
二人が帰還しソフィアも眠った後、知花とヒューズは朝食の下拵えを終えその後片付けをしていた。
「そうだな…私もこれで少しは安心して送り出せる」
「ヒューズさん、もう完全にお兄ちゃんですよね!ソフィアちゃんのファーストキスの話聞いて青ざめていたのには笑って…あ」
考えていたことをうっかり口にしてしまった知花は、恐らく可愛い姫様のファーストキスの件でショックを受けているであろう騎士様を盗み見るが、案の定、皿を拭いている状態で硬直していた。
(そりゃ長年妹のように可愛がってきたんだから、男が出来たら複雑だよね…。ヒューズさん意外と将来は過保護な頑固親父とかになっちゃうのかも)
頑固親父をしているヒューズを想像し、吹き出してしまった知花に低い声が咎める。
「…知花、今、変なこと考えていただろう?」
「…黙秘します」
万国いや、異世界にも通用しそうな便利な言葉を言うと、すぐにボロが出てしまいそうな口をチャックする。
尚も尋問を続けたそうな視線を、サッと手に持った皿でガードすると、呆れるような小さな溜め息が聞こえ、危機を乗り切ったことを察し、また知花は笑った。
「…でも、いいなぁ…」
「何がだ?」
知花は濡れた最後の皿を手に取る。
「だって…これから先、ソフィアちゃんは好きな人と居られるってことじゃないですか。私は…いられ…」
ふと自ら呟いた言葉に、ピタリと皿を拭う手を止め、目を見開いた。
(しまったーー!!)
つうっと背中に汗が伝い、息が自然と上がる。
これではまるで知花が「一緒に居たい相手といられない」と告げているようなものだ。
もしも、その相手を予想されてしまったら…――
「あ!いや、羨ましいというか、ほら!!女の子にとっては好きな人と結婚っていうのが夢みたいなものだから…!!」
だが、早口で言葉を付け加えれば付け加える程に、ボロが出ている気がしてならない。
(お願い、深く考えないで…!!)
知花の迫力にヒューズもその緑色の目を何度も瞬きさせている。
緊張と焦りで苦しい。
自分がしでかした失敗に泣いてしまいそうだった。
「…そうか…そういうものか。確かに王族や貴族は政略結婚が普通だからな。そう考えると、心惹かれるものが姫と殿下の中にあって良かった」
「そ、そうですよね!!」とそれ以上の追及を逃れるように全力で肯定したが、知花の心は複雑だ。
だってさっきの言葉は、本当は羨ましくて出た言葉だから。
(…絶対に叶わないって分かってるのに、挫けそうになるなんて…)
知花は最後の皿を片付け終わると、フラフラとリビングの扉へと向かう。
「…じゃあ、私はそろそろ寝ます。おやすみなさい、ヒューズさん」
「あぁ、おやすみ…」
扉が静かに閉められたのを確認すると、おもむろにヒューズが、自身のポケットから淡い光を放つ宝石を取り出した。
去年の夏休みに、知花を襲った男達に使用した物だ。
その正体はルシウス特製の魔術具だ。
(…何故、覚えていて欲しいなどと、考えてしまったんだ)
今更、ホワイトデーに渡した勿忘草の飴のことを後悔していた。
直接伝えられないのならと、花言葉に自分の想いを込めてしまったからだ。
自分の行動が、ありとあらゆる場面で矛盾していることも分かっている。
けれど、どうしようもないほど知花が愛しい。
理性と本能がぶつかり合って、ヒューズですら自分の感情を持て余している。
宝石をその指先で転がす。
知花がつい溢してしまった言葉で、バレンタインの少し後からの疑念が確信へと変わった。
もう、彼女を苦しめる未来しか残っていない。
ならばヒューズが選ぶ道はただ一つだ。
(大丈夫。俺が…全部、持っていく…)
日もすっかり暮れ、ようやく自宅マンションの部屋に戻って来た四人を、ルシウスは締まりのない表情で迎え入れた。
びしょ濡れになったソフィアとハーヴィットは顔を見合わせ苦笑いをしていたが、それを見たルシウスは「いや、楽しいことの間違いか」と嬉しそうに目を伏せた。
「ハーヴィットは、もう満足したかい?」
「あぁ」
またハーヴィットも憂いが晴れたように清々しく微笑むと、ゆっくりとソフィアと向かい合った。
「私は貴女が帰還するまでの間、少しでも貴女が心穏やかに過ごせるように準備をしておく。どうか、信じて帰ってきて欲しい」
そっとソフィアの白い手を掬い取り、まるで誓いを立てるかのように唇を寄せる。
その仕草にソフィアは頬をバラ色に染めて微笑むと、その小さな唇を開いた。
「一つ…次にお会いするまでにお願いしたいことがあるのだけど、宜しいかしら?」
「…えぇ、何でしょうか?」
ソフィアが改まってハーヴィットへ願うことはなんなのか。
その後に続く言葉を、その場にいた全員が耳を澄ます。
「実は私、ロマンス小説が大好きですの!!」
「…そ、そうなのですか?」
「ですから、ファーストキスはロマンチックで思わず心がキュンとしてしまうのが良いのです」
可憐に祈るような仕草で頼み込むソフィアに、聞いていた者達の頭上には一斉に疑問符が湧く。そう、ただ一人を除いて。
「というわけで、今回のは未カウントということにして、次、お会いする時を楽しみにしています」
花が綻ぶような可憐な笑顔と共に、投下された爆弾発言の威力は絶大だ。
「ぶふっ!!それはっ…くっ…ハーヴィットには…難題だなっ…!!」
爆笑するルシウスの隣では口をワナワナと震わせ真っ赤になるハーヴィット、反対側では青ざめたヒューズが「くれぐれも陛下とカイト王太子にはバラさないでください!!」と念を押す事態に発展していた。
「大丈夫!兄上には言わないから!ハーヴィットが挙式前に消されるからな!!」
それは非常にまずい。
知花がカイト王太子に会うことはまず無いだろうが、たった今聞いたことは墓にまで持っていくと誓った。
「さて、もっと長居をしたかったが、そろそろ帰らなければ…」
「えぇ、お兄様も、ありがとうございました!!」
ルシウスが頷いた後、リビングの中央へと移動すると、その指先を天井へと向ける。
すると足元に来た時と同じ陣が目の前に展開し、キラキラとした光が彼等の足元を照らしていく。
「では、姫。お帰りをお待ちしております」
「えぇ…!また会える日を心待ちにしております!」
ソフィアが小さく手を振ると、それ応えるようにハーヴィットも大きく手を振り、やがて目の前に居た二人は知花達が見守る中、光の渦へと消えていったのだった。
***
「それにしてもハーヴィット殿下、表情は硬かったですけど、意外と優しくて良い人でしたね」
二人が帰還しソフィアも眠った後、知花とヒューズは朝食の下拵えを終えその後片付けをしていた。
「そうだな…私もこれで少しは安心して送り出せる」
「ヒューズさん、もう完全にお兄ちゃんですよね!ソフィアちゃんのファーストキスの話聞いて青ざめていたのには笑って…あ」
考えていたことをうっかり口にしてしまった知花は、恐らく可愛い姫様のファーストキスの件でショックを受けているであろう騎士様を盗み見るが、案の定、皿を拭いている状態で硬直していた。
(そりゃ長年妹のように可愛がってきたんだから、男が出来たら複雑だよね…。ヒューズさん意外と将来は過保護な頑固親父とかになっちゃうのかも)
頑固親父をしているヒューズを想像し、吹き出してしまった知花に低い声が咎める。
「…知花、今、変なこと考えていただろう?」
「…黙秘します」
万国いや、異世界にも通用しそうな便利な言葉を言うと、すぐにボロが出てしまいそうな口をチャックする。
尚も尋問を続けたそうな視線を、サッと手に持った皿でガードすると、呆れるような小さな溜め息が聞こえ、危機を乗り切ったことを察し、また知花は笑った。
「…でも、いいなぁ…」
「何がだ?」
知花は濡れた最後の皿を手に取る。
「だって…これから先、ソフィアちゃんは好きな人と居られるってことじゃないですか。私は…いられ…」
ふと自ら呟いた言葉に、ピタリと皿を拭う手を止め、目を見開いた。
(しまったーー!!)
つうっと背中に汗が伝い、息が自然と上がる。
これではまるで知花が「一緒に居たい相手といられない」と告げているようなものだ。
もしも、その相手を予想されてしまったら…――
「あ!いや、羨ましいというか、ほら!!女の子にとっては好きな人と結婚っていうのが夢みたいなものだから…!!」
だが、早口で言葉を付け加えれば付け加える程に、ボロが出ている気がしてならない。
(お願い、深く考えないで…!!)
知花の迫力にヒューズもその緑色の目を何度も瞬きさせている。
緊張と焦りで苦しい。
自分がしでかした失敗に泣いてしまいそうだった。
「…そうか…そういうものか。確かに王族や貴族は政略結婚が普通だからな。そう考えると、心惹かれるものが姫と殿下の中にあって良かった」
「そ、そうですよね!!」とそれ以上の追及を逃れるように全力で肯定したが、知花の心は複雑だ。
だってさっきの言葉は、本当は羨ましくて出た言葉だから。
(…絶対に叶わないって分かってるのに、挫けそうになるなんて…)
知花は最後の皿を片付け終わると、フラフラとリビングの扉へと向かう。
「…じゃあ、私はそろそろ寝ます。おやすみなさい、ヒューズさん」
「あぁ、おやすみ…」
扉が静かに閉められたのを確認すると、おもむろにヒューズが、自身のポケットから淡い光を放つ宝石を取り出した。
去年の夏休みに、知花を襲った男達に使用した物だ。
その正体はルシウス特製の魔術具だ。
(…何故、覚えていて欲しいなどと、考えてしまったんだ)
今更、ホワイトデーに渡した勿忘草の飴のことを後悔していた。
直接伝えられないのならと、花言葉に自分の想いを込めてしまったからだ。
自分の行動が、ありとあらゆる場面で矛盾していることも分かっている。
けれど、どうしようもないほど知花が愛しい。
理性と本能がぶつかり合って、ヒューズですら自分の感情を持て余している。
宝石をその指先で転がす。
知花がつい溢してしまった言葉で、バレンタインの少し後からの疑念が確信へと変わった。
もう、彼女を苦しめる未来しか残っていない。
ならばヒューズが選ぶ道はただ一つだ。
(大丈夫。俺が…全部、持っていく…)
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる
まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」
父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。
清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。
なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。
学校では誰もが憧れる高嶺の花。
家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。
しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。
「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」
秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。
彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。
「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」
これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。
完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。
『著者より』
もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる