七色の魔弾使い

naturalsoft

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仲間

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驚く二人にルビーは手紙を拾って言った。

「無論よ!この私(わたくし)をコケにしたのよ?当然の報いを受けて貰わないとね!」

ニタッ~~と嗤うルビーに、シオンとアッシュはお互いに抱き着き、震えるのだった。

ルビーはミント先生に返事の手紙を出すと、すぐに相手から剣魔決闘の日時指定が送られてきた。
(ルビーはマリンのクラスを知らない為、先生に返事をお願いしたのと、第三者の審査員として申請を出した)

「へぇ~すぐだったね」
「明日の放課後か。準備は大丈夫なのか?」

ルビーはもちろん!と、胸に拳をポンッと叩いた。

「大丈夫だと思うけど、闇討ちには気をつけろよ?」

シオン達は実力はルビーの上だと思っている。
そういう格下の相手が勝とうとすれば、試合の妨害か、対戦相手に怪我を追わせること。

故に、そこを心配しているのだ。

「シオンが守ってくれるんでしょう?」

上目遣いでそう言うルビーに、ドキッと急に可愛いことを言うので、不覚にもときめいてしまった。

「あ、ああ。任せておけ」
「フフフッ、頼りにしていますわよ♪」

ルビーはシオンの手を取り、教室を出るのだった。

「やれやれ、鞄を持っていくのは僕なんだけどね~」

アッシュは二人の鞄を持って追うのだった。


そして、その夜───

シオン達は学生寮に住んでいる。
しかし、この学園の学生寮とは一般的な所と違った。

一年生の学生寮は男子と女子で別れている。
さらに、学生寮に入る者は、大きく分けて二通りある。


経済的に裕福ではない者
遠い領地からやってきた者

この二者が殆どだ。

そして、少数ではあるが実家に居づらい者や、訳ありな者だ。

シオン達は訳ありではないが、自由を満喫したいと言う子供の理由で、寮生活を選らんだ変り者の部類だった。

ちなみに、お金のある高位貴族は、最上階の個室が与えられる。メイドも1人までなら連れてきて良いことになっている。

ガチャッ

部屋の扉を開くと目の前にアッシュがいた。

「お帰り♪ご飯にする?お風呂にする?そ・れ・と・も・僕にするかい♪」


……………カチャ、無言で指先をアッシュに向けた。

「待て待て待て!シャレになってないよっ!」
「……………お前、これで『何度目』だ?」

シオンの部屋に侵入するのは初めてではないようだ。

「まぁまぁ、落ち着け!僕だってさっき戻ってきたばかりなんだ」

「ほぅ?話を聞こうか」

シオンは部屋の椅子に座るとアッシュの報告を聞いた。

「明日、対戦するマリン・ストローク令嬢について──」

そう、シオンとアッシュはルビーの為に対戦相手の情報を集めていたのだ。
今回の相手は同じ一年生と言う以外、情報がないのだ。それぞれのツテを使い情報を集めていたのだ。

ルビーの為に。

「マリン・ストローク男爵令嬢か。たかだか男爵令嬢ごときが公爵令嬢に決闘を挑むなど、自殺行為だな」
「確かにね。いくら学園が身分を問わないと言ってもね……………実家が圧力で無くなってもいいのかねぇ~?」


アッシュの情報だと、マリンは市井で暮らしており、魔力が桁外れに多いとわかり養女としてストローク男爵に引き取られたらしい。


「実技は優秀だが、筆記(勉学)が苦手でAクラスだったよ」
「それで、その実技はどの程度優秀なんだ?」

珍しくアッシュが口をするのを躊躇うようにゆっくりと話した。

「実績経験はルビー嬢の方が圧倒的に上だよ。ただ、純粋な魔法の撃ち合いになると互角のレベルだ」

!?

「マジか!?この学園の同級生にそこまでの実力のあるヤツがいるとは思ってもみなかったな。流石に、勝つ自信があると思って申込んだのか」

腕を組んでシオンは唸った。

「俺の方の情報だと、相手の令嬢の得意魔法は水属性の魔法と光属性も使えると言う所だった。ルビーとは相性が悪いな」

「取り敢えず、注意点と対応策をまとめて明日ルビーに渡しておこうぜ」

「ああ、そうだな」


こうして、なんやかんやと世話を焼くシオンだった。







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