52 / 101
第3章:幼少期・剣魔大会編
ドジ!マヌケ!アンポンタン!
しおりを挟む
ここで少し時間は遡る─
グラン達が準決勝を勝ち上がり、観客席からお手洗いに言った時の事である。
「ちょっとお手洗いに行ってきます」
そういってシオンは席を立った。そしてふと気がつきカレンに尋ねた。
「カレンも一緒に行く?」
カレンはシオンを見て言った。
「女神はトイレには行かないのじゃ!」
何だってーーーーーーー!!!?
ペシリッ!
「そんな訳ないでしょう!?」
「あいたっ!ちょっと言ってみただけじゃ!妾は後で行くのじゃ」
「了解!じゃ、ちょっと行ってきま~す」
シオンが観客席を立ち、トイレに向かったのを、監視していた者がいた。
???
「ちょうど、ターゲットが1人になった。仕掛けるぞ!」
こうしてシオン追っている者達は仲間に指示を出して、罠を張るのだった。
ジャー!!!
「ふぃー!これでよしっ!」
化粧室で身だしなみを整えて出てきたシオンに声を掛ける者がいた。
「あー、いたいた!」
???
「シオンお嬢様でよろしいでしょうか?」
会場のスタッフの服装をした男性だった。よく迷子や観客席の誘導など、目につく服装の方だった。
「はい、そうですが?」
「アクエリアス公爵様がお呼びです。他の皆様はすでに向かわれました。着いてきて貰えますか?」
お父様が?準決勝も勝ったし、決勝の装備の事かな?
「わかりました。ご苦労様です!」
こうしてシオンは疑いもせずの、偽のスタッフに付いて行くのでした。
「こちらの部屋でお待ちです」
通路の奥、突き当たりの部屋で人気が少ない場所だった。シオンは部屋に入ると後ろから薬の染み込ませたハンカチを口に当てられ、モゴモゴしながら意識を失うのだった。
ああ、なんてことでしょう!?この小説の主人公ともあろう者が、こんなメジャーな罠に掛かるなんて!
ちょっとは疑う心を持てと言いたいですね!?
こうしてドジでマヌケでアンポンタン!な、シオンは敵の手に落ちたのでした。
※非常に残念ですが、この小説は健全な全年齢指定のため、敵の手に落ちたヒロインが陵辱されことはありません。
「シオン、戻って来るのが遅いな?」
「トイレが混んでいるんだろう?」
シオンの戻りが遅く、少し気になりだした時に子供が手紙を持ってきた。
「こんにちわ!係の人がこれを渡して欲しいって言われたの!」
ちょうど、近くにいた子供のようで気にせずにお礼を言って手紙を預かった。
「ありがとう!」
「うん!」
子供は元気に返事をして母親の元へと戻っていった。
「誰からじゃ?」
「ちょっと待ってね」
レインは封筒から手紙を取り出し、目を通すと固まった。
「ば、バカな!?」
突然のレインの叫びにカリンを始め、レグルスも驚きレインを見上げた。
「ど、どうした!レイン!」
「どうしたのじゃ!?」
レインは震えながらみんなを見渡し、手紙を見せた。
「嘘だろっ!?」
「あのシオンが!?」
「どうやって!?」
アルデバランとガイもついさっきまでいたシオンが拐われた事に驚きを隠せなかった!
「シオンを無事に返して欲しければ、決勝戦を負けろと書いてある………」
「なんじゃと!なんと卑劣な!?」
「では、シオンを拐ったのは決勝戦の相手か?」
「いや、この後のもう1つの準決勝で決まる。まだ相手は決まっていない!」
「では誰がこんな事を………?」
レイン達は誰が犯人なのか考えたが、わかるはずも無かった。
「アルデバランさん、お父さん達にこの手紙を届けて貰えますか?控室にいると思うので。僕達はシオンを探します!」
「わかった!」
すぐにグランの元へと向かうアルデバランを見送り、レイン達もすぐに行動を開始した。
「闇雲に探しても、会場は広い!どうするのだ?」
この中で唯一の大人であるガイが、レインを呼び止めた。
「カレン、女神様の気配とかで探せないかい?」
?
ガイは何の事だ?と思ったが、深く追及せずにカレンの言葉を待った。
「出来るには出来るが、人が多すぎるのじゃ!気配が混じって何とも………近くにいけばわかるのじゃが………」
「まずはトイレの方から行って見よう!」
こうして、レイン、レグルス、カレン、ガイ達はシオンを探します為に、行動を開始したのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「なんともマヌケなシオンでした!」
グラン達が準決勝を勝ち上がり、観客席からお手洗いに言った時の事である。
「ちょっとお手洗いに行ってきます」
そういってシオンは席を立った。そしてふと気がつきカレンに尋ねた。
「カレンも一緒に行く?」
カレンはシオンを見て言った。
「女神はトイレには行かないのじゃ!」
何だってーーーーーーー!!!?
ペシリッ!
「そんな訳ないでしょう!?」
「あいたっ!ちょっと言ってみただけじゃ!妾は後で行くのじゃ」
「了解!じゃ、ちょっと行ってきま~す」
シオンが観客席を立ち、トイレに向かったのを、監視していた者がいた。
???
「ちょうど、ターゲットが1人になった。仕掛けるぞ!」
こうしてシオン追っている者達は仲間に指示を出して、罠を張るのだった。
ジャー!!!
「ふぃー!これでよしっ!」
化粧室で身だしなみを整えて出てきたシオンに声を掛ける者がいた。
「あー、いたいた!」
???
「シオンお嬢様でよろしいでしょうか?」
会場のスタッフの服装をした男性だった。よく迷子や観客席の誘導など、目につく服装の方だった。
「はい、そうですが?」
「アクエリアス公爵様がお呼びです。他の皆様はすでに向かわれました。着いてきて貰えますか?」
お父様が?準決勝も勝ったし、決勝の装備の事かな?
「わかりました。ご苦労様です!」
こうしてシオンは疑いもせずの、偽のスタッフに付いて行くのでした。
「こちらの部屋でお待ちです」
通路の奥、突き当たりの部屋で人気が少ない場所だった。シオンは部屋に入ると後ろから薬の染み込ませたハンカチを口に当てられ、モゴモゴしながら意識を失うのだった。
ああ、なんてことでしょう!?この小説の主人公ともあろう者が、こんなメジャーな罠に掛かるなんて!
ちょっとは疑う心を持てと言いたいですね!?
こうしてドジでマヌケでアンポンタン!な、シオンは敵の手に落ちたのでした。
※非常に残念ですが、この小説は健全な全年齢指定のため、敵の手に落ちたヒロインが陵辱されことはありません。
「シオン、戻って来るのが遅いな?」
「トイレが混んでいるんだろう?」
シオンの戻りが遅く、少し気になりだした時に子供が手紙を持ってきた。
「こんにちわ!係の人がこれを渡して欲しいって言われたの!」
ちょうど、近くにいた子供のようで気にせずにお礼を言って手紙を預かった。
「ありがとう!」
「うん!」
子供は元気に返事をして母親の元へと戻っていった。
「誰からじゃ?」
「ちょっと待ってね」
レインは封筒から手紙を取り出し、目を通すと固まった。
「ば、バカな!?」
突然のレインの叫びにカリンを始め、レグルスも驚きレインを見上げた。
「ど、どうした!レイン!」
「どうしたのじゃ!?」
レインは震えながらみんなを見渡し、手紙を見せた。
「嘘だろっ!?」
「あのシオンが!?」
「どうやって!?」
アルデバランとガイもついさっきまでいたシオンが拐われた事に驚きを隠せなかった!
「シオンを無事に返して欲しければ、決勝戦を負けろと書いてある………」
「なんじゃと!なんと卑劣な!?」
「では、シオンを拐ったのは決勝戦の相手か?」
「いや、この後のもう1つの準決勝で決まる。まだ相手は決まっていない!」
「では誰がこんな事を………?」
レイン達は誰が犯人なのか考えたが、わかるはずも無かった。
「アルデバランさん、お父さん達にこの手紙を届けて貰えますか?控室にいると思うので。僕達はシオンを探します!」
「わかった!」
すぐにグランの元へと向かうアルデバランを見送り、レイン達もすぐに行動を開始した。
「闇雲に探しても、会場は広い!どうするのだ?」
この中で唯一の大人であるガイが、レインを呼び止めた。
「カレン、女神様の気配とかで探せないかい?」
?
ガイは何の事だ?と思ったが、深く追及せずにカレンの言葉を待った。
「出来るには出来るが、人が多すぎるのじゃ!気配が混じって何とも………近くにいけばわかるのじゃが………」
「まずはトイレの方から行って見よう!」
こうして、レイン、レグルス、カレン、ガイ達はシオンを探します為に、行動を開始したのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「なんともマヌケなシオンでした!」
0
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
『辺境伯一家の領地繁栄記』スキル育成記~最強双子、成長中~
鈴白理人
ファンタジー
ラザナキア王国の国民は【スキルツリー】という女神の加護を持つ。
そんな国の北に住むアクアオッジ辺境伯一家も例外ではなく、父は【掴みスキル】母は【育成スキル】の持ち主。
母のスキルのせいか、一家の子供たちは生まれたころから、派生スキルがポコポコ枝分かれし、スキルレベルもぐんぐん上がっていった。
双子で生まれた末っ子、兄のウィルフレッドの【精霊スキル】、妹のメリルの【魔法スキル】も例外なくレベルアップし、十五歳となった今、学園入学の秒読み段階を迎えていた──
前作→『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』
KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。
日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。
アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。
「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。
貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。
集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。
そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。
これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。
今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう?
※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは
似て非なる物として見て下さい
前世で薬漬けだったおっさん、エルフに転生して自由を得る
がい
ファンタジー
ある日突然世界的に流行した病気。
その治療薬『メシア』の副作用により薬漬けになってしまった森野宏人(35)は、療養として母方の祖父の家で暮らしいた。
爺ちゃんと山に狩りの手伝いに行く事が楽しみになった宏人だったが、田舎のコミュニティは狭く、宏人の良くない噂が広まってしまった。
爺ちゃんとの狩りに行けなくなった宏人は、勢いでピルケースに入っているメシアを全て口に放り込み、そのまま意識を失ってしまう。
『私の名前は女神メシア。貴方には二つ選択肢がございます。』
人として輪廻の輪に戻るか、別の世界に行くか悩む宏人だったが、女神様にエルフになれると言われ、新たな人生、いや、エルフ生を楽しむ事を決める宏人。
『せっかくエルフになれたんだ!自由に冒険や旅を楽しむぞ!』
諸事情により不定期更新になります。
完結まで頑張る!
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる