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新学期!
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スカーレット・アークモン令嬢は深く考えていなかった。
カーマインの母親の事に。
普通なら成体した龍なのだが、カーマインの可愛さに気を取られて考えられなかったのである。
さて、どうなる事やら。
・
・
・
・
・
・
新学期が始まり、久しぶりにクラスメイトと談笑した。
「シオンさんにお会い出来なくて寂しかったですわ!」
「聞きましたわ!最近、アークモン家のお茶会に行かれたとか?ぜひ、今度は当家のお茶会に参加下さいませ!」
ワイノ
ワイノ
多くのクラスメイトに囲まれてシオンは戸惑いながらも、楽しく会話していた。
「あっ、そうだ。長期休暇の時に家族で湖に行ったの」
「あ、もしかして郊外にある『精霊の湖』ですか?美しいことで避暑地として有名ですものね」
あの湖、精霊の湖って名前が付いていたのね。
「うん、多分そこだよ」
本当に水の大精霊がいましたけどね!
それでねっと、シオンはそこで描いた湖の絵を出して黒板前に飾った。
「これは………」
「綺麗………」
クラスメイト達は息を呑んだ。
光に照らされた『湖の絵』だったが、その『光』が3D効果で本当にキラキラと光っているかの様に見える絵だった。
ちなみにこの絵は、すっかりシオンの絵のファンになった水の精霊アクエリアスの1番のお気に入りで、念入りに状態保存の魔法が掛けてあった。
「良いですかシオン!お友達に見せたらすぐに持って帰ってくるのですよ!」
ズモモモッと顔を近付けて念を押されたのだった。
まぁ、今度美術館に展示するんだけどね。
「長期休暇に描いた1枚だよ。美術館に飾る前に皆に見せたかったの」
「シオンさん………」
クラスメイト達はジーーーンと感動していた。
その後やってきた担任のクリス先生が大騒ぎして、いつも通りの騒がしくも楽しい学園生活が始まりました。
シオン達は寮生活なので、使用人に絵を渡して実家に持って帰って貰いました。
次の日に連絡があり、絵が盗まれたと言われました。
まさか襲われるとは思っても見なく………しかし十分に考えられる事ではあったのです。
幸い使用人は軽症で済みましたが、大事な絵を強奪された事に、首を吊るような勢いで謝ってきました。
「…………別に絵の事はいいのよ。でも、大切な使用人に怪我をさせた落とし前は着けないとね?」
十分に使用人には罪はない事を言い含めてから、犯人探しが始まったのです。
──それが国を揺るがすほどの大事件になるとは思ってもみませんでした。
「「「フッフッフッ……………」」」
バーニングハート公爵家の外にあるガゼボテラスにて、美女の3人が怖い笑顔で話し合っていた。
「私の1番のお気に入りの絵を盗んだ愚か者にどんな地獄を見せましょうか?」
「世話になっている使用人に怪我を負わせた借りも返さないとな」
「あらあら?これは我々に対する宣戦布告ですわよ。この国を地図から消してしまうのもやぶさかではないですわ♪」
今、ここに国の存亡を賭けた戦いが始まろうとしていた。
カーマインの母親の事に。
普通なら成体した龍なのだが、カーマインの可愛さに気を取られて考えられなかったのである。
さて、どうなる事やら。
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新学期が始まり、久しぶりにクラスメイトと談笑した。
「シオンさんにお会い出来なくて寂しかったですわ!」
「聞きましたわ!最近、アークモン家のお茶会に行かれたとか?ぜひ、今度は当家のお茶会に参加下さいませ!」
ワイノ
ワイノ
多くのクラスメイトに囲まれてシオンは戸惑いながらも、楽しく会話していた。
「あっ、そうだ。長期休暇の時に家族で湖に行ったの」
「あ、もしかして郊外にある『精霊の湖』ですか?美しいことで避暑地として有名ですものね」
あの湖、精霊の湖って名前が付いていたのね。
「うん、多分そこだよ」
本当に水の大精霊がいましたけどね!
それでねっと、シオンはそこで描いた湖の絵を出して黒板前に飾った。
「これは………」
「綺麗………」
クラスメイト達は息を呑んだ。
光に照らされた『湖の絵』だったが、その『光』が3D効果で本当にキラキラと光っているかの様に見える絵だった。
ちなみにこの絵は、すっかりシオンの絵のファンになった水の精霊アクエリアスの1番のお気に入りで、念入りに状態保存の魔法が掛けてあった。
「良いですかシオン!お友達に見せたらすぐに持って帰ってくるのですよ!」
ズモモモッと顔を近付けて念を押されたのだった。
まぁ、今度美術館に展示するんだけどね。
「長期休暇に描いた1枚だよ。美術館に飾る前に皆に見せたかったの」
「シオンさん………」
クラスメイト達はジーーーンと感動していた。
その後やってきた担任のクリス先生が大騒ぎして、いつも通りの騒がしくも楽しい学園生活が始まりました。
シオン達は寮生活なので、使用人に絵を渡して実家に持って帰って貰いました。
次の日に連絡があり、絵が盗まれたと言われました。
まさか襲われるとは思っても見なく………しかし十分に考えられる事ではあったのです。
幸い使用人は軽症で済みましたが、大事な絵を強奪された事に、首を吊るような勢いで謝ってきました。
「…………別に絵の事はいいのよ。でも、大切な使用人に怪我をさせた落とし前は着けないとね?」
十分に使用人には罪はない事を言い含めてから、犯人探しが始まったのです。
──それが国を揺るがすほどの大事件になるとは思ってもみませんでした。
「「「フッフッフッ……………」」」
バーニングハート公爵家の外にあるガゼボテラスにて、美女の3人が怖い笑顔で話し合っていた。
「私の1番のお気に入りの絵を盗んだ愚か者にどんな地獄を見せましょうか?」
「世話になっている使用人に怪我を負わせた借りも返さないとな」
「あらあら?これは我々に対する宣戦布告ですわよ。この国を地図から消してしまうのもやぶさかではないですわ♪」
今、ここに国の存亡を賭けた戦いが始まろうとしていた。
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