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話し合い
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手紙を読んだシオンはクリア宰相に確認した。
「はぁ、帝国も面倒な事になっているのね」
「はい。みなさまを利用するようで申し訳ないのですが、十分なお礼は致しますので、どうかご協力して頂けませんか?」
シオンは仲間を見渡してから言った。
「仲間の命が掛かっているから私1人では決められないわ」
「何だか穏やかじゃないが、どんな内容だったんだ?」
ジークの言葉にヒジリとレオナもなんの話なの?と視線を送った。
「ぶっちゃけて言うと、帝国で内乱が起こりそうなの。それで私達の知名度を貸して欲しいってさ」
「知名度って?」
「帝国では皇帝派閥と貴族派閥でバチバチやっていて、大悪魔を倒した『英雄』が皇帝側に着いたと表明すれば戦力的に貴族派は沈黙するしかなくなるだろうって」
「なるほどね。でも筆頭賢者のルリなどいる皇帝派の方が元々の戦力が高いんじゃないか?」
「無論そうなのですが、帝国は現在、新しい魔導具の開発、生産で他国に高値で販売しているおかげで、好景気なのです。だから───」
「だから、お金が有り余っているから傭兵など雇い放題いってことよね?後は外交で魔導具を安く売るから他国から力を借りるとか、やりようはいくらでもあるでしょう」
クリア宰相はこの少女の評価を最高値まで引き上げた。政治的判断を読み、現状の危ない認識を正しくわかっている頭脳。まさに、王妃に相応しい器を兼ね備えていると。
「・・・その通りでございます。シオン・スカーレット様。失礼ながらお尋ねしますが、自国で王妃教育を受けられていたのですか?」
「ううん?そんなの受けてないよ?最低限の淑女教育?は受けてたけど」
「そうなのですか?私はてっきり・・・とても聡明ですのでスカーレット公爵家ではかなり教育に力を入れていたのですね」
そうなのかな?
魔法とかの修行ばかりしていたからわかんないんだけど?
シオンは言っている意味がよくわからず首を傾げた。
「それで話を戻そう。皇帝と貴族の仲はそんなに悪くなっているのか?正直、皇帝が悪政を強いて貴族が反発しているなら手は貸さないぞ?」
ジークの言うことは最もだった。
「多少、政策で口論になったとしても、今の帝国の皇帝は暴君ではありません。だからこそ、私も力の限り手を貸しているのです」
「ならどうして・・・?」
宰相は声を殺して言った。
コソッ
「これは内密にして欲しいのですが、何者かが内乱を煽っている節があるのです。まだどこの誰かは突き止めてはいないのですが」
なるほどね。
もしかして!?
「宰相さん、帝国内で今まで見かけたことのない魔物って現れてない?」
「魔物ですか?・・・そういえば、確かにそういう報告があったような?いえ、ありました!」
宰相は思い出したかのように声を上げた。
「不気味な魔物が帝国の各地で現れたと小耳に入りました。腕が4本あるゴブリンや、頭と身体が別の魔物のような異形の魔物が現れたと。すでに討伐済みのため忘れてましたが」
「思っていたのと違うけど、多分私達の追っているヤツと同じ犯人かも知れないわね」
シオンはクリア宰相に、ジークの国に現れたサラマンダーや、聖王国で魔物を操っていた裏社会の組織、エルフの里の大悪魔について話した。
「何と!大悪魔など召喚できるなど、並の者ではありませんな。最低でも2人いると?これは皇帝陛下にもお伝えしなければなりません」
宰相もその危険性を理解してしっかりと頷いた。
「手紙にはルリちゃんが1番信頼を置いている人物を向かわせるって書いてあるから、宰相さんは信用できると思うよ。みんなはどうしたい?私は受けてもいいと思うんだけど?」
「シオンお姉様がいいなら私も良いですよ」
「私もシオンの方針に従うよ」
「俺は余り危ない事には首を突っ込んで欲しくないんだけど、シオンだしな。しっかりと見張っておかないといけないし、シオンの意思を尊重するよ。でも、余り危ないことはしない事!いいな?」
「ジークは私のお母さんかっ!まったく!」
あはははっと笑いが起きたが、宰相は深く頭を下げた。
「私は、今の皇帝とルリ様の生まれた時からお仕えしております。お力添え、ありがとうございます」
「いいよ。それでこれからどうするればいいの?」
「明日から私の馬車と一緒に帝都に向かってもらいます。私の客人としてそのまま皇帝陛下に会って頂きたいのです」
「いきなり皇帝陛下との謁見・・・マナーとか知らなくても多目に見てね」
「ほっほっほっ、伝えておきましょう」
こうして食事の後の話し合いは終了したのでした。
「はぁ、帝国も面倒な事になっているのね」
「はい。みなさまを利用するようで申し訳ないのですが、十分なお礼は致しますので、どうかご協力して頂けませんか?」
シオンは仲間を見渡してから言った。
「仲間の命が掛かっているから私1人では決められないわ」
「何だか穏やかじゃないが、どんな内容だったんだ?」
ジークの言葉にヒジリとレオナもなんの話なの?と視線を送った。
「ぶっちゃけて言うと、帝国で内乱が起こりそうなの。それで私達の知名度を貸して欲しいってさ」
「知名度って?」
「帝国では皇帝派閥と貴族派閥でバチバチやっていて、大悪魔を倒した『英雄』が皇帝側に着いたと表明すれば戦力的に貴族派は沈黙するしかなくなるだろうって」
「なるほどね。でも筆頭賢者のルリなどいる皇帝派の方が元々の戦力が高いんじゃないか?」
「無論そうなのですが、帝国は現在、新しい魔導具の開発、生産で他国に高値で販売しているおかげで、好景気なのです。だから───」
「だから、お金が有り余っているから傭兵など雇い放題いってことよね?後は外交で魔導具を安く売るから他国から力を借りるとか、やりようはいくらでもあるでしょう」
クリア宰相はこの少女の評価を最高値まで引き上げた。政治的判断を読み、現状の危ない認識を正しくわかっている頭脳。まさに、王妃に相応しい器を兼ね備えていると。
「・・・その通りでございます。シオン・スカーレット様。失礼ながらお尋ねしますが、自国で王妃教育を受けられていたのですか?」
「ううん?そんなの受けてないよ?最低限の淑女教育?は受けてたけど」
「そうなのですか?私はてっきり・・・とても聡明ですのでスカーレット公爵家ではかなり教育に力を入れていたのですね」
そうなのかな?
魔法とかの修行ばかりしていたからわかんないんだけど?
シオンは言っている意味がよくわからず首を傾げた。
「それで話を戻そう。皇帝と貴族の仲はそんなに悪くなっているのか?正直、皇帝が悪政を強いて貴族が反発しているなら手は貸さないぞ?」
ジークの言うことは最もだった。
「多少、政策で口論になったとしても、今の帝国の皇帝は暴君ではありません。だからこそ、私も力の限り手を貸しているのです」
「ならどうして・・・?」
宰相は声を殺して言った。
コソッ
「これは内密にして欲しいのですが、何者かが内乱を煽っている節があるのです。まだどこの誰かは突き止めてはいないのですが」
なるほどね。
もしかして!?
「宰相さん、帝国内で今まで見かけたことのない魔物って現れてない?」
「魔物ですか?・・・そういえば、確かにそういう報告があったような?いえ、ありました!」
宰相は思い出したかのように声を上げた。
「不気味な魔物が帝国の各地で現れたと小耳に入りました。腕が4本あるゴブリンや、頭と身体が別の魔物のような異形の魔物が現れたと。すでに討伐済みのため忘れてましたが」
「思っていたのと違うけど、多分私達の追っているヤツと同じ犯人かも知れないわね」
シオンはクリア宰相に、ジークの国に現れたサラマンダーや、聖王国で魔物を操っていた裏社会の組織、エルフの里の大悪魔について話した。
「何と!大悪魔など召喚できるなど、並の者ではありませんな。最低でも2人いると?これは皇帝陛下にもお伝えしなければなりません」
宰相もその危険性を理解してしっかりと頷いた。
「手紙にはルリちゃんが1番信頼を置いている人物を向かわせるって書いてあるから、宰相さんは信用できると思うよ。みんなはどうしたい?私は受けてもいいと思うんだけど?」
「シオンお姉様がいいなら私も良いですよ」
「私もシオンの方針に従うよ」
「俺は余り危ない事には首を突っ込んで欲しくないんだけど、シオンだしな。しっかりと見張っておかないといけないし、シオンの意思を尊重するよ。でも、余り危ないことはしない事!いいな?」
「ジークは私のお母さんかっ!まったく!」
あはははっと笑いが起きたが、宰相は深く頭を下げた。
「私は、今の皇帝とルリ様の生まれた時からお仕えしております。お力添え、ありがとうございます」
「いいよ。それでこれからどうするればいいの?」
「明日から私の馬車と一緒に帝都に向かってもらいます。私の客人としてそのまま皇帝陛下に会って頂きたいのです」
「いきなり皇帝陛下との謁見・・・マナーとか知らなくても多目に見てね」
「ほっほっほっ、伝えておきましょう」
こうして食事の後の話し合いは終了したのでした。
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