【連載版】婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

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婚約破棄2

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「さっきから聞いていれば胸糞悪い!!!」

ジークは魔力を込めた拳を床に叩き付けた。

ドーーーン!!!!

床に亀裂が入り、会場にいた人々は息を呑んだ。

「そ、卒業パーティーで騒ぎを起こしてすまなかった。ど、どうか怒りを収めて欲しい」

及び腰のユリウスが言うが、ジークは鋭い目つきで周囲を見渡した。

「我が名はジークフリート・シリウス!隣国、シリウス王国の王子だ!」

周囲の息を呑む音が聞こえた。
ジークは抑えていた殺気をだだ漏れにし、仲間以外は近付けなくしていた。

「ど、どうしてここに…………?」

誰かが呟いた。

「私はここにいる仲間と共に約5年間、見聞を広める為に旅に出ていた。そして、大陸を一周して、仲間の1人がこの国の出身の為に戻ってきたのだ」

な、なるほど。

「そして、ここにいる私の大切な女性を侮辱されて黙ってはいられない!」

!?

「ま、待ってくれっ!私はそこの美しい女性を侮辱など───」

ジークは最後まで言わせなかった。

「ここにいる女性が、シオン・スカーレット令嬢だ!私達は5年間も一緒に旅をしていたのだ!!!これは訪れた私の国の国王が証言してくれる!」

!?

「「は、はぁーーーーーーーー!!!!!」」


大きな声が上がった。

「あれがシオン様!?」

「学園で1ヶ月ほど通っていた時見たけど、面影が確かにある!?」

今のシオンは腰まである艶のある美しい長い髪を流しており、品のあるドレスにより妖艶な美しさを兼ね備えていた。

「あっ、私はシオンお姉様の仲間で、オラクル聖国の【聖女】ですわ。我がオラクル聖国の教皇様もシオンお姉様が5年間、旅をしていたと証言してくれますわ」

「私のエルフ族も証言しよう。シオンにエルフの里を救われたのでな」

「あら~じゃ、私も・・・我はグラン帝国の現皇帝の弟である筆頭賢者、ルリ・グランも証明しよう!我が仲間であるシオン・スカーレットは一緒に旅していた仲間だと!もし異議を唱えるのであれば、国を挙げての抗議を覚悟せよっ!」

!?

今のルリちゃんは、公式の場や怒ると男らしい言葉遣いになるのだ。
(ルリちゃんカッコいいよ!)

この大陸最大の国家であるグラン帝国の皇帝の血筋までいることに皆が驚愕した。

そして聖女の名も特別な意味を持っていた。
大陸で広く信仰されている宗教の大本であるオラクル聖国の聖女を蔑ろにしたら、民から暴動が起きるのだ。

そして5年も旅に出ていたと言う事は───


「さて、私にはどうでもいい事です。ただ、『婚約破棄』と『辺境の追放』は、謹んでお受け致します。私、婚約者がいた事すら知りませんでしたから、ありがたいです」

「シオン、こんな理不尽を受け入れるのか!?」

驚くジークにシオンは微笑んだ。

「そろそろ、腰を落ち着かせようと思っていました。それに辺境でのスローライフに憧れていたので、一からの開発も面白そうじゃない?」

何処までもポジティブなシオンに毒気を抜かれた仲間達は笑った。

「アハハハッ!流石はシオンお姉様ですわ♪」
「流石はシオンだね。辺境でのスローライフか。面白そうだ!」
「あら~私の新しい魔法が役に立ちそうね~」
「森なら私のエルフが役立つ!」

シオンは最後に振り返って両親を見た。

「産んでくれた事は感謝してます。これから親子の縁を切り一切関わらないと誓いますわ」
(商会の売上もあげないからね~)

シオン達はそのまま会場を後にした。

そして退出する時、ルリだけは少し立ち止まって、ドスの利いた声で言葉を放った。


「お前達、これでただで済むと思うなよ。シオンが旅をして、救われた国は1つや2つじゃねぇんだよ!この事は、本国や周辺国にしっかりと伝えるからな!覚悟しておけ!」

シオン達立ち去った後、しばらく会場にいた人々は動けなかった。

シオン達は自宅に伝言を頼むと、その足で(馬車で)辺境の地へと向かった。

「シオン、本当に大丈夫か?」

心配そうに声を掛けるジークにシオンは微笑んだ。

「本当に大丈夫だよ。家族の繋がりは薄かったから何も感じないよ」

そう言うシオンは少し寂しそうだった。

「それよりジーク、さっきはありがとう。大切な女性って言ってくれて嬉しかったよ」

少し顔を赤くして言った。


!?


長旅でシオンもジークには好意を抱くようになっていた。
二人の仲は進展していたのだ。
まぁ、ヒジリが邪魔しているのだが。
(作者も邪魔してます)嫉妬のオーラで。

レオナとルリは、やれやれと温かい目で見守っていた。

途中の街や村で何泊かして、そのまま生活物資を買占め、収納魔法にしまってから辺境の魔の森へとたどり着いた。

「ここなら俺の国も近いし、色々な物資を送って貰えるよ」
「助かります!」

シオンは魔法で周辺の木を斬り裂いて、周囲を土魔法で立派な城壁を作った。住む家もエルフの里でやった様に、土魔法と植物の魔法であっという間に建ててちょっとした街が出来上がっていった。

「シオン、【アイツら】は大丈夫なのか?」
「逆に防備を完璧にして罠を張れば、探す手間が省けるじゃない?」
「なるほど、そういう考えか。わかったよ」

この数年の旅の中で、チェリーとベリーは計画を邪魔するシオン達を狙い始めたのだ。無論、返り討ちにしているが、捕えるまではできていなかった。逆に今回、同じところに住み続けることで、2人を誘い出して捕えるつもりなのだ。

そして数日すると、シオンの実家にいたメイドや執事が辞職してやってきた。

「「シオンお嬢様の元で働かせて下さい!」」

おおぅ!

まさかこんな危険で、何もない所までやって来てくれるなんて嬉しかったよ。
シオンは地元でも自分のことを慕ってくれる人達がいて、心が暖かくなるのを感じるのだった。

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