88 / 106
集会という名の戦い!
しおりを挟む
シオンを襲撃した敵が掃討された頃───
帝都でも多くの令嬢や夫人達が大規模なお茶会という名の『集会』を開いていた。
「それでシオン様のお加減は如何なのですか!?」
とある高位貴族のツテを使い、帝都の屋敷を使わせてもらい、集まった多くの女性達が心配している事を尋ねた。
「先ほどようやく新しい情報が入りました。シオン様は無事でございます。大きな怪我もなく心配はないそうです。ただ………」
そこで少し溜めを作ってから言った。
「暗殺者に襲われた時、魔法をお使いになり数日間目が覚めなかったのは事実のようです。本来はしっかりと意識を集中して使えば問題ないそうですが、緊急時のため予備動作もなく魔法を使われたために、精神に負荷がかかり、しばらく意識不明となられたそうです」
「本当にお身体は大丈夫なのでしょうか?」
心配そうに尋ねる令嬢に司会者は言った。
「私も実際に会って確かめるまでは、わかりませんが、この報告書ではすでに目が覚められて、食事も取れる状態にまで回復されているそうです」
そこまで聞いて多くの者がホッとした。
「シオン様は今どこにいらっしゃるのですか?」
「申し訳ございません。それについては秘密とさせて頂きます。まだ襲撃した者が捕まっておりませんので。そもそも、私も居場所を教えられてはいないのです」
ふむ?
多くの令嬢が考え込んだ。
「すでに東部、中央、南部から精鋭部隊が集結して襲撃者を捜索しています。西部にいる、もと元帥のルドルフ卿も私兵と情報を提供して、協力してくれてます。ただ気になる事が一つ……」
別の夫人が挙手をして答えた。
「それは北部が協力してないと言うことでしょうか?」
「その通りです。各地域で一丸となってシオン様を襲った犯人を捜索しているのに北部だけが協力しないのです。まぁ、理由はあるのでしょうが」
そこで今まで沈黙していた別の司会者がお伝えした。
「皆様にこの場を借りてご報告があります。私、セラ・ラビットは、ラビット侯爵家の総意で、王妃候補を辞退する事をお伝え致します。すでに皇帝陛下及びシオン様にはお伝えしております。表向きはこの1年間を通して、王妃候補として政策に関わりますが、私はシオン様が王妃になる事に、全面的に協力することを宣言致します!」
そう、ここは帝都にあるラビット侯爵家の別宅であったのだ。
ゼファー伯爵家のルナーリアが協力を要請し、多くの貴族令嬢や夫人を集めて貰ったのである。
「では私も失礼してお伝え致します。私のブルーネット公爵家も王妃候補を辞退して、シオン様が王妃になる事に協力致します。ラビット侯爵家と合わせて、皇帝陛下に報告済みでございますわ」
!?
残っている王妃候補4人の内、2人が辞退!?
しかも協力する体制とは、残る敵は───
「まさかっ!?」
ガタッと察しの良い令嬢が複数人、席を立った。
「まだ証拠はありません。滅多な事は言わないようにしてください。今回の集会はシオン様の安否確認だけの為に開いた訳ではありません。北部にツテを持ち、何かしらの情報を持っている方がいないかと思いお呼びしたのです」
なるほど。
何かしら暗殺者などを雇う人物がいるとすればバーネット・メイゲン伯爵令嬢しかいないと言う訳ですか………
それから様々な意見が出された。
メイゲン伯爵家は、お金さえ出せば、御禁制の品でも検問を通して輸入する。
少し前に大量の武器類を仕入れた噂がある。
(ヴァイス侯爵の件)
同じくお金さえ出せば、怪しい人物でも入国出国させる。
金に意地汚い。
しかし大半は灰色に近い事実ではあるが、証拠がない。それだけでは決め手に掛ける。
そんな時、北部と領地が隣接している貴族から、小さな声で発言があった。
「ここでの発言は内部告発として、発言者の地位と誇りと身の安全を守ると宣言します。多少の罪の告白も罪には問いません」
ブルーネット公爵家とラビット侯爵、ゼファー伯爵家の連盟で宣言された事で、情報を知っている者は別室で話をする事になった。
帝都でも多くの令嬢や夫人達が大規模なお茶会という名の『集会』を開いていた。
「それでシオン様のお加減は如何なのですか!?」
とある高位貴族のツテを使い、帝都の屋敷を使わせてもらい、集まった多くの女性達が心配している事を尋ねた。
「先ほどようやく新しい情報が入りました。シオン様は無事でございます。大きな怪我もなく心配はないそうです。ただ………」
そこで少し溜めを作ってから言った。
「暗殺者に襲われた時、魔法をお使いになり数日間目が覚めなかったのは事実のようです。本来はしっかりと意識を集中して使えば問題ないそうですが、緊急時のため予備動作もなく魔法を使われたために、精神に負荷がかかり、しばらく意識不明となられたそうです」
「本当にお身体は大丈夫なのでしょうか?」
心配そうに尋ねる令嬢に司会者は言った。
「私も実際に会って確かめるまでは、わかりませんが、この報告書ではすでに目が覚められて、食事も取れる状態にまで回復されているそうです」
そこまで聞いて多くの者がホッとした。
「シオン様は今どこにいらっしゃるのですか?」
「申し訳ございません。それについては秘密とさせて頂きます。まだ襲撃した者が捕まっておりませんので。そもそも、私も居場所を教えられてはいないのです」
ふむ?
多くの令嬢が考え込んだ。
「すでに東部、中央、南部から精鋭部隊が集結して襲撃者を捜索しています。西部にいる、もと元帥のルドルフ卿も私兵と情報を提供して、協力してくれてます。ただ気になる事が一つ……」
別の夫人が挙手をして答えた。
「それは北部が協力してないと言うことでしょうか?」
「その通りです。各地域で一丸となってシオン様を襲った犯人を捜索しているのに北部だけが協力しないのです。まぁ、理由はあるのでしょうが」
そこで今まで沈黙していた別の司会者がお伝えした。
「皆様にこの場を借りてご報告があります。私、セラ・ラビットは、ラビット侯爵家の総意で、王妃候補を辞退する事をお伝え致します。すでに皇帝陛下及びシオン様にはお伝えしております。表向きはこの1年間を通して、王妃候補として政策に関わりますが、私はシオン様が王妃になる事に、全面的に協力することを宣言致します!」
そう、ここは帝都にあるラビット侯爵家の別宅であったのだ。
ゼファー伯爵家のルナーリアが協力を要請し、多くの貴族令嬢や夫人を集めて貰ったのである。
「では私も失礼してお伝え致します。私のブルーネット公爵家も王妃候補を辞退して、シオン様が王妃になる事に協力致します。ラビット侯爵家と合わせて、皇帝陛下に報告済みでございますわ」
!?
残っている王妃候補4人の内、2人が辞退!?
しかも協力する体制とは、残る敵は───
「まさかっ!?」
ガタッと察しの良い令嬢が複数人、席を立った。
「まだ証拠はありません。滅多な事は言わないようにしてください。今回の集会はシオン様の安否確認だけの為に開いた訳ではありません。北部にツテを持ち、何かしらの情報を持っている方がいないかと思いお呼びしたのです」
なるほど。
何かしら暗殺者などを雇う人物がいるとすればバーネット・メイゲン伯爵令嬢しかいないと言う訳ですか………
それから様々な意見が出された。
メイゲン伯爵家は、お金さえ出せば、御禁制の品でも検問を通して輸入する。
少し前に大量の武器類を仕入れた噂がある。
(ヴァイス侯爵の件)
同じくお金さえ出せば、怪しい人物でも入国出国させる。
金に意地汚い。
しかし大半は灰色に近い事実ではあるが、証拠がない。それだけでは決め手に掛ける。
そんな時、北部と領地が隣接している貴族から、小さな声で発言があった。
「ここでの発言は内部告発として、発言者の地位と誇りと身の安全を守ると宣言します。多少の罪の告白も罪には問いません」
ブルーネット公爵家とラビット侯爵、ゼファー伯爵家の連盟で宣言された事で、情報を知っている者は別室で話をする事になった。
31
あなたにおすすめの小説
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。
はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
【完結】私が誰だか、分かってますか?
美麗
恋愛
アスターテ皇国
時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった
出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。
皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。
そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。
以降の子は妾妃との娘のみであった。
表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。
ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。
残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。
また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。
そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか…
17話完結予定です。
完結まで書き終わっております。
よろしくお願いいたします。
転生皇女セラフィナ
秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。
目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。
赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。
皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。
前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。
しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。
一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。
「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」
そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。
言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。
それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。
転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。
※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる