2 / 117
洗礼の儀式
しおりを挟む
あれから5年の月日が流れました。
私は、赤ちゃんの時にヒマでしたので、体内で魔力を練る訓練を淡々としていた。
「ずいぶんと魔力が上がりましたわね。やはり子供の頃に訓練すると伸びしろが大きいですわ」
自分の魔力を把握して呟いた。
「アイシクル・ランス!」
ドガガガッ!!!!
森の木々に氷の氷柱が突き刺さった。
「ふむ、前世と同じ属性を受け継いだようですね」
この世界は各自、属性というものがある。
【火】
【水】
【土】
【風】
基本属性に
【光】
【闇】
などの特殊な属性がある。
生まれながら相性の良い得意属性があり、魔法を勉強する者は自分の得意属性を見つけて訓練するのである。無論、得意属性でない別の属性も学べば覚えれるが、倍の努力しないと結果がでないので、多くの者は得意属性を伸ばそうとするのだ。
しかし、シオンは赤ちゃんの頃にヒマを持て余していたので、他の属性の魔法の練習もしていた。すでに、不得意な属性もマスターしつつあった。
あれからシオンは、アガレス王国の東に位置するイージス男爵家の令嬢に生まれて、1歳年上の兄ペルセウスと一緒に勉学に励んでいた。
「正直、辺境と言って失礼ながら舐めてましたわ。しっかりとした教育が行き届いていますわね。…………安心しました。私の政策は間違っていなかったのね」
過去の国全体の識字率を底上げする為、色々と政策を考えていた時の事を思い出していた。
「本当にここの領主であるお父様とお母様は領民思いの良い領主ですわ。正直、もっと辺境にも目を向けるべきでしたわね」
こんなに良い領主であれば、もっと便宜をはかっても良かったと思った。
「しかし、領民が少ないのが問題ですわね」
さて、どうやって領民を増やしましょうか?
領民が増えなければ税収も上がりません。
両親の恩返しに何か良い案があればと、シオンは腕を組んで考えていると──
「おーーーい!!!!シオン~?どこだーーー!!!!」
シオンを探している声が聞こえてきた。
「ここですわ~」
いけないわ。私はもう男爵令嬢なのですから、身の丈にあった生き方をしなければ。
「あっ、ここにいたのか?今日は出かけるから早目に戻るように言われただろう?それと森の奥には一人で行ってはいけないよ?」
呼びにきたのは兄のペルセウスだった。
「そうでしたわ!大変申し訳ございませんでした」
「シオンは真面目だな。家族なんだからそこまで丁寧にしなくていいんだぞ?」
あら、私ったらそんな風に見られてましたの?
「ペルお兄様、すみません。善処致しますわ」
ペルセウスはヤレヤレと言った感じで、シオンの手を繋いで戻った。
あら?こういう風に手を繋いで歩くのも悪くはないですわね♪
この時シオンは、前世ではできなかった体験に胸を躍らせていた。
屋敷に戻ると父ジークと母マリアが待っていた。
「こらシオン!一人で森に行ってはダメだぞ?せめて誰かと一緒に行くようにな?」
「はい、気を付けますわ。ごめんなさい」
そう言って話を切り上げると、用意してあった馬車に乗り込んだ。
ガタゴトッ
馬車に揺られながら父ジークが話した。
「さて、前から言っていたが、シオンが5歳になったので【洗礼の儀式】に向かう」
この国では平民も漏れなく、5歳になると自分の得意属性を見極める洗礼の儀式を教会で受ける事になっている。
「ペルセウスは火属性だったからな。辺境の魔物と戦うには丁度よい」
「私としてはシオンには水属性が得意属性になってくれると嬉しいわね♪」
お母様、それはもう確定しておりますよ?
「そうですね」
貴族の女子として水属性や風属性が好まれる傾向にある。逆に戦闘に役立つ魔法の多い火属性や土属性は男性に好まれた。
まぁ、好まれるという風習があるだけで、どの属性も上下がある訳ではないのだが。
教会に着くと、この辺りの5歳になる子供達が集まっていた。
人数的には12人である。
「今年は少ないな………」
「そうなのですか?」
例年はどれくらいいるんだろう?お父様の不安な顔が頭に残った。
少し待っていると神官さんがやってきて、順番に儀式が始まりました。
平民が先で貴族は最後だそうです。
辺境と言う事もあり今回の貴族は私のみとのこと。
そして私の番になり、奥の部屋で儀式を受ける事になりました。
「頑張ってねシオン!」
「はい!いってまいります」
とは言っても神官様のお話を聞いて、奥の水晶に手を置くだけなんですけどね。
「大変お待たせ致しました。私はこの教会の神父で【ルネ】と申します。こちらの方は旅の司祭様で、本日は一緒に洗礼の儀式を担当致します」
ルネさんは細身の中年で、後ろにいる方はフードを被っていたが、白いヒゲをフサフサと蓄えている老人だった。
年功序列なのかしら?
旅の司祭の方が位が高そうであった。
「ではこちらに」
そして神父さんに言われて、水晶に手を置きました。
すると、ピカーーー!!!!と、眩い光が発生しました。
私は、赤ちゃんの時にヒマでしたので、体内で魔力を練る訓練を淡々としていた。
「ずいぶんと魔力が上がりましたわね。やはり子供の頃に訓練すると伸びしろが大きいですわ」
自分の魔力を把握して呟いた。
「アイシクル・ランス!」
ドガガガッ!!!!
森の木々に氷の氷柱が突き刺さった。
「ふむ、前世と同じ属性を受け継いだようですね」
この世界は各自、属性というものがある。
【火】
【水】
【土】
【風】
基本属性に
【光】
【闇】
などの特殊な属性がある。
生まれながら相性の良い得意属性があり、魔法を勉強する者は自分の得意属性を見つけて訓練するのである。無論、得意属性でない別の属性も学べば覚えれるが、倍の努力しないと結果がでないので、多くの者は得意属性を伸ばそうとするのだ。
しかし、シオンは赤ちゃんの頃にヒマを持て余していたので、他の属性の魔法の練習もしていた。すでに、不得意な属性もマスターしつつあった。
あれからシオンは、アガレス王国の東に位置するイージス男爵家の令嬢に生まれて、1歳年上の兄ペルセウスと一緒に勉学に励んでいた。
「正直、辺境と言って失礼ながら舐めてましたわ。しっかりとした教育が行き届いていますわね。…………安心しました。私の政策は間違っていなかったのね」
過去の国全体の識字率を底上げする為、色々と政策を考えていた時の事を思い出していた。
「本当にここの領主であるお父様とお母様は領民思いの良い領主ですわ。正直、もっと辺境にも目を向けるべきでしたわね」
こんなに良い領主であれば、もっと便宜をはかっても良かったと思った。
「しかし、領民が少ないのが問題ですわね」
さて、どうやって領民を増やしましょうか?
領民が増えなければ税収も上がりません。
両親の恩返しに何か良い案があればと、シオンは腕を組んで考えていると──
「おーーーい!!!!シオン~?どこだーーー!!!!」
シオンを探している声が聞こえてきた。
「ここですわ~」
いけないわ。私はもう男爵令嬢なのですから、身の丈にあった生き方をしなければ。
「あっ、ここにいたのか?今日は出かけるから早目に戻るように言われただろう?それと森の奥には一人で行ってはいけないよ?」
呼びにきたのは兄のペルセウスだった。
「そうでしたわ!大変申し訳ございませんでした」
「シオンは真面目だな。家族なんだからそこまで丁寧にしなくていいんだぞ?」
あら、私ったらそんな風に見られてましたの?
「ペルお兄様、すみません。善処致しますわ」
ペルセウスはヤレヤレと言った感じで、シオンの手を繋いで戻った。
あら?こういう風に手を繋いで歩くのも悪くはないですわね♪
この時シオンは、前世ではできなかった体験に胸を躍らせていた。
屋敷に戻ると父ジークと母マリアが待っていた。
「こらシオン!一人で森に行ってはダメだぞ?せめて誰かと一緒に行くようにな?」
「はい、気を付けますわ。ごめんなさい」
そう言って話を切り上げると、用意してあった馬車に乗り込んだ。
ガタゴトッ
馬車に揺られながら父ジークが話した。
「さて、前から言っていたが、シオンが5歳になったので【洗礼の儀式】に向かう」
この国では平民も漏れなく、5歳になると自分の得意属性を見極める洗礼の儀式を教会で受ける事になっている。
「ペルセウスは火属性だったからな。辺境の魔物と戦うには丁度よい」
「私としてはシオンには水属性が得意属性になってくれると嬉しいわね♪」
お母様、それはもう確定しておりますよ?
「そうですね」
貴族の女子として水属性や風属性が好まれる傾向にある。逆に戦闘に役立つ魔法の多い火属性や土属性は男性に好まれた。
まぁ、好まれるという風習があるだけで、どの属性も上下がある訳ではないのだが。
教会に着くと、この辺りの5歳になる子供達が集まっていた。
人数的には12人である。
「今年は少ないな………」
「そうなのですか?」
例年はどれくらいいるんだろう?お父様の不安な顔が頭に残った。
少し待っていると神官さんがやってきて、順番に儀式が始まりました。
平民が先で貴族は最後だそうです。
辺境と言う事もあり今回の貴族は私のみとのこと。
そして私の番になり、奥の部屋で儀式を受ける事になりました。
「頑張ってねシオン!」
「はい!いってまいります」
とは言っても神官様のお話を聞いて、奥の水晶に手を置くだけなんですけどね。
「大変お待たせ致しました。私はこの教会の神父で【ルネ】と申します。こちらの方は旅の司祭様で、本日は一緒に洗礼の儀式を担当致します」
ルネさんは細身の中年で、後ろにいる方はフードを被っていたが、白いヒゲをフサフサと蓄えている老人だった。
年功序列なのかしら?
旅の司祭の方が位が高そうであった。
「ではこちらに」
そして神父さんに言われて、水晶に手を置きました。
すると、ピカーーー!!!!と、眩い光が発生しました。
57
あなたにおすすめの小説
伯爵は年下の妻に振り回される 記憶喪失の奥様は今日も元気に旦那様の心を抉る
新高
恋愛
※第15回恋愛小説大賞で奨励賞をいただきました!ありがとうございます!
※※2023/10/16書籍化しますーー!!!!!応援してくださったみなさま、ありがとうございます!!
契約結婚三年目の若き伯爵夫人であるフェリシアはある日記憶喪失となってしまう。失った記憶はちょうどこの三年分。記憶は失ったものの、性格は逆に明るく快活ーーぶっちゃけ大雑把になり、軽率に契約結婚相手の伯爵の心を抉りつつ、流石に申し訳ないとお詫びの品を探し出せばそれがとんだ騒ぎとなり、結果的に契約が取れて仲睦まじい夫婦となるまでの、そんな二人のドタバタ劇。
※本編完結しました。コネタを随時更新していきます。
※R要素の話には「※」マークを付けています。
※勢いとテンション高めのコメディーなのでふわっとした感じで読んでいただけたら嬉しいです。
※他サイト様でも公開しています
捨てた騎士と拾った魔術師
吉野屋
恋愛
貴族の庶子であるミリアムは、前世持ちである。冷遇されていたが政略でおっさん貴族の後妻落ちになる事を懸念して逃げ出した。実家では隠していたが、魔力にギフトと生活能力はあるので、王都に行き暮らす。優しくて美しい夫も出来て幸せな生活をしていたが、夫の兄の死で伯爵家を継いだ夫に捨てられてしまう。その後、王都に来る前に出会った男(その時は鳥だった)に再会して国を左右する陰謀に巻き込まれていく。
裏切り者として死んで転生したら、私を憎んでいるはずの王太子殿下がなぜか優しくしてくるので、勘違いしないよう気を付けます
みゅー
恋愛
ジェイドは幼いころ会った王太子殿下であるカーレルのことを忘れたことはなかった。だが魔法学校で再会したカーレルはジェイドのことを覚えていなかった。
それでもジェイドはカーレルを想っていた。
学校の卒業式の日、貴族令嬢と親しくしているカーレルを見て元々身分差もあり儚い恋だと潔く身を引いたジェイド。
赴任先でモンスターの襲撃に会い、療養で故郷にもどった先で驚きの事実を知る。自分はこの宇宙を作るための機械『ジェイド』のシステムの一つだった。
それからは『ジェイド』に従い動くことになるが、それは国を裏切ることにもなりジェイドは最終的に殺されてしまう。
ところがその後ジェイドの記憶を持ったまま翡翠として他の世界に転生し元の世界に召喚され……
ジェイドは王太子殿下のカーレルを愛していた。
だが、自分が裏切り者と思われてもやらなければならないことができ、それを果たした。
そして、死んで翡翠として他の世界で生まれ変わったが、ものと世界に呼び戻される。
そして、戻った世界ではカーレルは聖女と呼ばれる令嬢と恋人になっていた。
だが、裏切り者のジェイドの生まれ変わりと知っていて、恋人がいるはずのカーレルはなぜか翡翠に優しくしてきて……
平穏な生活を望む美貌の子爵令嬢は、王太子様に嫌われたくて必死です
美並ナナ
恋愛
類稀なる美貌を誇る子爵令嬢シェイラは、
社交界デビューとなる15歳のデビュタントで
公爵令息のギルバートに見初められ、
彼の婚約者となる。
下級貴族である子爵家の令嬢と
上級貴族の中でも位の高い公爵家との婚約は、
異例の玉の輿を将来約束された意味を持つ。
そんな多くの女性が羨む婚約から2年が経ったある日、
シェイラはギルバートが他の令嬢と
熱い抱擁と口づけを交わしている場面を目撃。
その場で婚約破棄を告げられる。
その美貌を翳らせて、悲しみに暮れるシェイラ。
だが、その心の内は歓喜に沸いていた。
身の丈に合った平穏な暮らしを望むシェイラは
この婚約を破棄したいとずっと願っていたのだ。
ようやくこの時が来たと内心喜ぶシェイラだったが、
その時予想外の人物が現れる。
なぜか王太子フェリクスが颯爽と姿を現し、
後で揉めないように王族である自分が
この婚約破棄の証人になると笑顔で宣言したのだ。
しかもその日以降、
フェリクスはなにかとシェイラに構ってくるように。
公爵子息以上に高貴な身分である王太子とは
絶対に関わり合いになりたくないシェイラは
策を打つことにして――?
※設定がゆるい部分もあると思いますので、気楽にお読み頂ければ幸いです。
※本作品は、エブリスタ様・小説家になろう様でも掲載しています。
婚約破棄を希望しておりますが、なぜかうまく行きません
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のオニキスは大好きな婚約者、ブラインから冷遇されている事を気にして、婚約破棄を決意する。
意気揚々と父親に婚約破棄をお願いするが、あっさり断られるオニキス。それなら本人に、そう思いブラインに婚約破棄の話をするが
「婚約破棄は絶対にしない!」
と怒られてしまった。自分とは目も合わせない、口もろくにきかない、触れもないのに、どうして婚約破棄を承諾してもらえないのか、オニキスは理解に苦しむ。
さらに父親からも叱責され、一度は婚約破棄を諦めたオニキスだったが、前世の記憶を持つと言う伯爵令嬢、クロエに
「あなたは悪役令嬢で、私とブライン様は愛し合っている。いずれ私たちは結婚するのよ」
と聞かされる。やはり自分は愛されていなかったと確信したオニキスは、クロエに頼んでブラインとの穏便な婚約破棄の協力を依頼した。
クロエも悪役令嬢らしくないオニキスにイライラしており、自分に協力するなら、婚約破棄出来る様に協力すると約束する。
強力?な助っ人、クロエの協力を得たオニキスは、クロエの指示のもと、悪役令嬢を目指しつつ婚約破棄を目論むのだった。
一方ブラインは、ある体質のせいで大好きなオニキスに触れる事も顔を見る事も出来ずに悩んでいた。そうとは知らず婚約破棄を目指すオニキスに、ブラインは…
婚約破棄をしたい悪役令嬢?オニキスと、美しい見た目とは裏腹にド変態な王太子ブラインとのラブコメディーです。
【完結】勘違い令嬢はお花屋さんを始めたい ~婚約者契約は円満に終了しました
九條葉月
恋愛
【ジャンル1位獲得!】
【HOTランキング1位獲得!】
とある公爵との契約(婚約者関係)を無事に終えたシャーロットは、夢だったお花屋さんを始めるための準備に取りかかる。
順調に準備を進めていると、契約を終えたはずの公爵様や王太子殿下たちがなぜか次々とお店にやって来て――!?
捨てられ聖女は、王太子殿下の契約花嫁。彼の呪いを解けるのは、わたしだけでした。
鷹凪きら
恋愛
「力を失いかけた聖女を、いつまでも生かしておくと思ったか?」
聖女の力を使い果たしたヴェータ国の王女シェラは、王となった兄から廃棄宣告を受ける。
死を覚悟したが、一人の男によって強引に連れ去られたことにより、命を繋ぎとめた。
シェラをさらったのは、敵国であるアレストリアの王太子ルディオ。
「君が生きたいと願うなら、ひとつだけ方法がある」
それは彼と結婚し、敵国アレストリアの王太子妃となること。
生き延びるために、シェラは提案を受け入れる。
これは互いの利益のための契約結婚。
初めから分かっていたはずなのに、彼の優しさに惹かれていってしまう。
しかしある事件をきっかけに、ルディオはシェラと距離をとり始めて……?
……分かりました。
この際ですから、いっそあたって砕けてみましょう。
夫を好きになったっていいですよね?
シェラはひっそりと決意を固める。
彼が恐ろしい呪いを抱えているとも知らずに……
※『ネコ科王子の手なずけ方』シリーズの三作目、王太子編となります。
主人公が変わっているので、単体で読めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる