15 / 117
閑話
しおりを挟む
色々と慌ただしい日が続いていたある日──
「お兄様、大丈夫ですか?」
シオンの兄ペルセウスが風邪を引いて寝込んでしまった。シオンは『マスク』をしながら氷魔法で兄の額を冷していた。
「それにしてもシオンは博識だな。風邪は感染ると言うが、このマスクで感染を軽減できるとはな。今度、領地でもお触れをだそう」
「それがいいかと。それよりお薬はまだですか?」
メイドが入ってきた。
「旦那様、大変です!解熱剤の在庫がありませんでした!」
!?
「なに!?………あ、そういえば………しまった。在庫が無くなったので、次にくる行商人に頼んでいたのだったな」
メイドが申し訳なさそうな顔をして頭を下げた。
「旦那様、申し訳ございません!」
シオンはどうしてメイドが謝ったのか分からなかった。
「よい。お前のせいではない。それよりお前の子供は治ったのか?」
「はい。旦那様から頂いたお薬で無事に回復致しました。でも、そのせいで大事なペルセウス様に飲ませるお薬がないのは申し訳ありません」
メイドは再度深く頭を下げた。
どうやらお父様は働いてくれている執事やメイド達にも薬を分けているようだ。
うん!流石は私のお父様ですわ♪
素晴らしい御当主様ですね。
ここは私の知識を活用しましょう!
「大丈夫ですわ。お薬がないのならそれに代わる物で代用しましょう。すみませんが、今から言う物も用意してくれますか?」
メイドはシオンに言われたものをメモして、大急ぎで出ていった。
「シオン、本当にあんなものが効くのか?」
「昔からある民間療法ですわ。効果があるから長く受け継がれてきているのですわ」
まぁ、実際に皇后時代に貧民街の子供達の死亡率を下げるために臨床実験をして効果を確認しているのよね。残念な事に地方には広まっていないようだわ。これは再度、先王に助言してみましょう。
少ししてメイドが戻ってきた。
「では、『長ねぎ』を擦り下ろしてガーゼで包んで首に巻いて下さい。長ねぎの辛味成分には殺菌効果があり、それが空気中に帰化して、それを吸い込む事で喉の病原菌を退治してくれます。なので呼吸が落ち着いてくるのです。昔はそのまま首に長ねぎを巻いても効果があるといわれてましたが、擦り下ろしてガーゼで包む事で帰化しやすくなり、効果が向上するのよ」
何はともあれ実践あるのみ。
「それと擦り下ろしたリンゴに少しハチミツを混ぜたものをお兄様に与えて下さい。この食べ物にも病原菌の殺菌効果と栄養価が高いので、風邪を引いた患者に最適な食べ物ですわ♪」
少しハチミツを加える事で甘くなり、子供にも食べさせやすいことがポイントですわね。
正直、お兄様が飲み込みが早いと無理をさせてしまいました。反省して、これからは無理のない範囲で勉強や訓練をして貰いましょう。
シオンは自分に責任があると感じてペルセウスの看病を勝手でたが、途中でメイドに代わるように言われて、別の所で手伝いを勝手でた。
「こう見えて、昔の知識を使って美味しいお粥を作りますわ!」
とはいえ、栄養価の高い食事を知っていても、公爵令嬢であり、皇后でもあったシオンに料理はできませんでした。
料理に失敗したシオンは、メイドに普通のお粥を作って貰い、寝てる兄の元へ運ぶのでした。
「あぅ~知識はあってもうまくいかないものですわね~」
「まぁまぁ、練習あるのみですわシオンお嬢様」
料理にはお婆ちゃんの知恵袋は通用しないのですわね。トホホッ
何気に落ち込むシオンだった。
後に、擦り下ろし蜂蜜リンゴジュースがイージス男爵領の名物となり税収に寄与する事になるのはもう少し後になってからである。
美味しい上に、風邪の予防効果もある事がわかり、観光客の心を掴んだのであった。
転んでもただでは起きないシオンなのでした。
「お兄様、大丈夫ですか?」
シオンの兄ペルセウスが風邪を引いて寝込んでしまった。シオンは『マスク』をしながら氷魔法で兄の額を冷していた。
「それにしてもシオンは博識だな。風邪は感染ると言うが、このマスクで感染を軽減できるとはな。今度、領地でもお触れをだそう」
「それがいいかと。それよりお薬はまだですか?」
メイドが入ってきた。
「旦那様、大変です!解熱剤の在庫がありませんでした!」
!?
「なに!?………あ、そういえば………しまった。在庫が無くなったので、次にくる行商人に頼んでいたのだったな」
メイドが申し訳なさそうな顔をして頭を下げた。
「旦那様、申し訳ございません!」
シオンはどうしてメイドが謝ったのか分からなかった。
「よい。お前のせいではない。それよりお前の子供は治ったのか?」
「はい。旦那様から頂いたお薬で無事に回復致しました。でも、そのせいで大事なペルセウス様に飲ませるお薬がないのは申し訳ありません」
メイドは再度深く頭を下げた。
どうやらお父様は働いてくれている執事やメイド達にも薬を分けているようだ。
うん!流石は私のお父様ですわ♪
素晴らしい御当主様ですね。
ここは私の知識を活用しましょう!
「大丈夫ですわ。お薬がないのならそれに代わる物で代用しましょう。すみませんが、今から言う物も用意してくれますか?」
メイドはシオンに言われたものをメモして、大急ぎで出ていった。
「シオン、本当にあんなものが効くのか?」
「昔からある民間療法ですわ。効果があるから長く受け継がれてきているのですわ」
まぁ、実際に皇后時代に貧民街の子供達の死亡率を下げるために臨床実験をして効果を確認しているのよね。残念な事に地方には広まっていないようだわ。これは再度、先王に助言してみましょう。
少ししてメイドが戻ってきた。
「では、『長ねぎ』を擦り下ろしてガーゼで包んで首に巻いて下さい。長ねぎの辛味成分には殺菌効果があり、それが空気中に帰化して、それを吸い込む事で喉の病原菌を退治してくれます。なので呼吸が落ち着いてくるのです。昔はそのまま首に長ねぎを巻いても効果があるといわれてましたが、擦り下ろしてガーゼで包む事で帰化しやすくなり、効果が向上するのよ」
何はともあれ実践あるのみ。
「それと擦り下ろしたリンゴに少しハチミツを混ぜたものをお兄様に与えて下さい。この食べ物にも病原菌の殺菌効果と栄養価が高いので、風邪を引いた患者に最適な食べ物ですわ♪」
少しハチミツを加える事で甘くなり、子供にも食べさせやすいことがポイントですわね。
正直、お兄様が飲み込みが早いと無理をさせてしまいました。反省して、これからは無理のない範囲で勉強や訓練をして貰いましょう。
シオンは自分に責任があると感じてペルセウスの看病を勝手でたが、途中でメイドに代わるように言われて、別の所で手伝いを勝手でた。
「こう見えて、昔の知識を使って美味しいお粥を作りますわ!」
とはいえ、栄養価の高い食事を知っていても、公爵令嬢であり、皇后でもあったシオンに料理はできませんでした。
料理に失敗したシオンは、メイドに普通のお粥を作って貰い、寝てる兄の元へ運ぶのでした。
「あぅ~知識はあってもうまくいかないものですわね~」
「まぁまぁ、練習あるのみですわシオンお嬢様」
料理にはお婆ちゃんの知恵袋は通用しないのですわね。トホホッ
何気に落ち込むシオンだった。
後に、擦り下ろし蜂蜜リンゴジュースがイージス男爵領の名物となり税収に寄与する事になるのはもう少し後になってからである。
美味しい上に、風邪の予防効果もある事がわかり、観光客の心を掴んだのであった。
転んでもただでは起きないシオンなのでした。
27
あなたにおすすめの小説
元アラサー転生令嬢と拗らせた貴公子たち
せいめ
恋愛
侯爵令嬢のアンネマリーは流行り病で生死を彷徨った際に、前世の記憶を思い出す。前世では地球の日本という国で、婚活に勤しむアラサー女子の杏奈であった自分を。
病から回復し、今まで家や家族の為に我慢し、貴族令嬢らしく過ごしてきたことがバカらしくなる。
また、自分を蔑ろにする婚約者の存在を疑問に感じる。
「あんな奴と結婚なんて無理だわー。」
無事に婚約を解消し、自分らしく生きていこうとしたところであったが、不慮の事故で亡くなってしまう。
そして、死んだはずのアンネマリーは、また違う人物にまた生まれ変わる。アンネマリーの記憶は殆ど無く、杏奈の記憶が強く残った状態で。
生まれ変わったのは、アンネマリーが亡くなってすぐ、アンネマリーの従姉妹のマリーベルとしてだった。
マリーベルはアンネマリーの記憶がほぼ無いので気付かないが、見た目だけでなく言動や所作がアンネマリーにとても似ていることで、かつての家族や親族、友人が興味を持つようになる。
「従姉妹だし、多少は似ていたっておかしくないじゃない。」
三度目の人生はどうなる⁈
まずはアンネマリー編から。
誤字脱字、お許しください。
素人のご都合主義の小説です。申し訳ありません。
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
【完結】 笑わない、かわいげがない、胸がないの『ないないない令嬢』、国外追放を言い渡される~私を追い出せば国が大変なことになりますよ?~
夏芽空
恋愛
「笑わない! かわいげがない! 胸がない! 三つのないを持つ、『ないないない令嬢』のオフェリア! 君との婚約を破棄する!」
婚約者の第一王子はオフェリアに婚約破棄を言い渡した上に、さらには国外追放するとまで言ってきた。
「私は構いませんが、この国が困ることになりますよ?」
オフェリアは国で唯一の特別な力を持っている。
傷を癒したり、作物を実らせたり、邪悪な心を持つ魔物から国を守ったりと、力には様々な種類がある。
オフェリアがいなくなれば、その力も消えてしまう。
国は困ることになるだろう。
だから親切心で言ってあげたのだが、第一王子は聞く耳を持たなかった。
警告を無視して、オフェリアを国外追放した。
国を出たオフェリアは、隣国で魔術師団の団長と出会う。
ひょんなことから彼の下で働くことになり、絆を深めていく。
一方、オフェリアを追放した国は、第一王子の愚かな選択のせいで崩壊していくのだった……。
【完結】愛してるなんて言うから
空原海
恋愛
「メアリー、俺はこの婚約を破棄したい」
婚約が決まって、三年が経とうかという頃に切り出された婚約破棄。
婚約の理由は、アラン様のお父様とわたしのお母様が、昔恋人同士だったから。
――なんだそれ。ふざけてんのか。
わたし達は婚約解消を前提とした婚約を、互いに了承し合った。
第1部が恋物語。
第2部は裏事情の暴露大会。親世代の愛憎確執バトル、スタートッ!
※ 一話のみ挿絵があります。サブタイトルに(※挿絵あり)と表記しております。
苦手な方、ごめんなさい。挿絵の箇所は、するーっと流してくださると幸いです。
【完結】元お飾り聖女はなぜか腹黒宰相様に溺愛されています!?
雨宮羽那
恋愛
元社畜聖女×笑顔の腹黒宰相のラブストーリー。
◇◇◇◇
名も無きお飾り聖女だった私は、過労で倒れたその日、思い出した。
自分が前世、疲れきった新卒社会人・花菱桔梗(はなびし ききょう)という日本人女性だったことに。
運良く婚約者の王子から婚約破棄を告げられたので、前世の教訓を活かし私は逃げることに決めました!
なのに、宰相閣下から求婚されて!? 何故か甘やかされているんですけど、何か裏があったりしますか!?
◇◇◇◇
お気に入り登録、エールありがとうございます♡
※ざまぁはゆっくりじわじわと進行します。
※「小説家になろう」「エブリスタ」様にも掲載しております(アルファポリス先行)。
※この作品はフィクションです。特定の政治思想を肯定または否定するものではありません(_ _*))
せっかく転生したのにモブにすらなれない……はずが溺愛ルートなんて信じられません
嘉月
恋愛
隣国の貴族令嬢である主人公は交換留学生としてやってきた学園でイケメン達と恋に落ちていく。
人気の乙女ゲーム「秘密のエルドラド」のメイン攻略キャラは王立学園の生徒会長にして王弟、氷の殿下こと、クライブ・フォン・ガウンデール。
転生したのはそのゲームの世界なのに……私はモブですらないらしい。
せめて学園の生徒1くらいにはなりたかったけど、どうしようもないので地に足つけてしっかり生きていくつもりです。
少しだけ改題しました。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。
子供が可愛いすぎて伯爵様の溺愛に気づきません!
屋月 トム伽
恋愛
私と婚約をすれば、真実の愛に出会える。
そのせいで、私はラッキージンクスの令嬢だと呼ばれていた。そんな噂のせいで、何度も婚約破棄をされた。
そして、9回目の婚約中に、私は夜会で襲われてふしだらな令嬢という二つ名までついてしまった。
ふしだらな令嬢に、もう婚約の申し込みなど来ないだろうと思っていれば、お父様が氷の伯爵様と有名なリクハルド・マクシミリアン伯爵様に婚約を申し込み、邸を売って海外に行ってしまう。
突然の婚約の申し込みに断られるかと思えば、リクハルド様は婚約を受け入れてくれた。婚約初日から、マクシミリアン伯爵邸で住み始めることになるが、彼は未婚のままで子供がいた。
リクハルド様に似ても似つかない子供。
そうして、マクリミリアン伯爵家での生活が幕を開けた。
【完結】破滅フラグを回避したいのに婚約者の座は譲れません⁈─王太子殿下の婚約者に転生したみたいだけど転生先の物語がわかりません─
江崎美彩
恋愛
侯爵家の令嬢エレナ・トワインは王太子殿下の婚約者……のはずなのに、正式に発表されないまま月日が過ぎている。
王太子殿下も通う王立学園に入学して数日たったある日、階段から転げ落ちたエレナは、オタク女子高生だった恵玲奈の記憶を思い出す。
『えっ? もしかしてわたし転生してる?』
でも肝心の転生先の作品もヒロインなのか悪役なのかモブなのかもわからない。エレナの記憶も恵玲奈の記憶も曖昧で、エレナの王太子殿下に対する一方的な恋心だけしか手がかりがない。
王太子殿下の発表されていない婚約者って、やっぱり悪役令嬢だから殿下の婚約者として正式に発表されてないの? このまま婚約者の座に固執して、断罪されたりしたらどうしよう!
『婚約者から妹としか思われてないと思い込んで悪役令嬢になる前に身をひこうとしている侯爵令嬢(転生者)』と『婚約者から兄としか思われていないと思い込んで自制している王太子様』の勘違いからすれ違いしたり、謀略に巻き込まれてすれ違いしたりする物語です。
長編ですが、一話一話はさっくり読めるように短めです。
『小説家になろう』『カクヨム』にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる