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個性を伸ばしましょう
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シオンは腕を組んで考えた。
「うんうん、周りからの重圧って辛いよねぇ~でもね、それなら自分だけの強みを作ればいいのよ」
「自分だけの強み………?」
シオンは例を挙げて言いました。
「例えば、ルーク皇王の妹であるシーラ公爵令嬢は、女なのに剣の腕を磨いて騎士団長まで上り詰めました」
「すごい…………!?」
そしてシオンは続けて言いました。
「イオン皇女はおてんば娘のシーラとは違います。心の優しいイオン皇女なら音楽や芸術を極めては如何でしょうか?ねっ、ルーク皇王陛下」
ルーク皇王も同意しました。そして、イオン皇女に謝りました。
「イオン、今まで気付かずにすまなかった。これからは抱え込まずに相談して欲しい。大切な『家族』なのだから」
イオン皇女は泣きながら父親に抱き付きました。それをルイン王子が呆然と見ていました。
「凄いな。お前の妹は。俺はイオンの事を全然気づかなかった」
「なら、これから気遣えばいい。大事な妹なら………ね。少し羨ましいけどな」
「どうしてだ?」
ルイン王子は不思議そうな顔でペルセウスの顔をみた。
「うちは妹のシオンの方がしっかりしているから、負けられないんだ」
「お前も大変なんだな。だが、妹を助けてくれたことは感謝する」
「あ~、それはまだかも」
うん?
どういうことだ?
ペルセウスの曖昧な言葉に首を傾げる。
すると、シオンがメイドに言って何か運ばせてきた。
「なんだ?」
よく見ると子供用のピアノだった。
「じゃじゃーん!ピアノなのです!」
「うん、ピアノ………」
いやいや、ツッコミ入れてくれないと寒いでしょう!
「まっ、いいでしょう。イオン皇女様、私がピアノの弾くので聞いて下さいな」
「シオン様はピアノが弾けるですね♪」
同世代の女の子で、何ができるのか珍しそうに見守るイオン皇女は興味津々である。
シオンが弾いたのはアガレス王国の国歌であった。
何故にそのチョイス!?
と、皇王は思ったが、すぐに考えを改めた。
「いいですかイオン皇女。王族として生まれた以上完璧さは求められます。でも、兄のルイン王子のマネをして欲しい訳ではありません。自分らしさの『個性』を極めればいいのです」
「個性………」
シオンはそのままアガレス王国の国歌を弾きながら歌った。
そして終わったと思ったら再度弾き直した。
それは、大元のメロディは同じだが、弾き方や音の弾み方、スピードなどアレンジされており、よりポップな感じの若者向けになっていた。
「ふぅ~どうでしょう?」
「す、凄かったです!同じ曲なのに全然違う音楽になっていました!」
イオン皇女は大興奮だった。
「これが個性です。同じでも同じではない自分らしさ、これが個性と言うものです。イオン皇女にも個性を伸ばして、周囲の評価を塗り替えれば良いのですわ」
「はいっ!わかりましたわ!!!」
今までで1番はっきりした返事であった。
「あ、あのシオン様!良かったらお、お友達になってくれません………か?」
必死に勇気を出して言ったイオン皇女の手をシオンは握った。
「光栄ですわ。イオン皇女、どうか私の事はシオンと呼び捨てで、お呼び下さい」
「では私の事も二人の時はイオンと」
はにかむイオン皇女の笑顔には不安が消え去り輝いていた。
その姿を見てペルセウスは、またやらかしたなぁ~と思った。
後にイオン皇女はピアノにのめり込み、若くして隣国まで聞こえるピアニストとして成長していく事になる。
成人したイオン皇女は、いつまでもこの日の出来事を人生の分岐点として、想い出として生涯忘れないのであった。
そしてシオンは1人の人生を変えた事に気付いていなかった。
別にピアノじゃくても、バイオリンなどでも良いのよ?
と、呑気に考えていたのは秘密である。
「うんうん、周りからの重圧って辛いよねぇ~でもね、それなら自分だけの強みを作ればいいのよ」
「自分だけの強み………?」
シオンは例を挙げて言いました。
「例えば、ルーク皇王の妹であるシーラ公爵令嬢は、女なのに剣の腕を磨いて騎士団長まで上り詰めました」
「すごい…………!?」
そしてシオンは続けて言いました。
「イオン皇女はおてんば娘のシーラとは違います。心の優しいイオン皇女なら音楽や芸術を極めては如何でしょうか?ねっ、ルーク皇王陛下」
ルーク皇王も同意しました。そして、イオン皇女に謝りました。
「イオン、今まで気付かずにすまなかった。これからは抱え込まずに相談して欲しい。大切な『家族』なのだから」
イオン皇女は泣きながら父親に抱き付きました。それをルイン王子が呆然と見ていました。
「凄いな。お前の妹は。俺はイオンの事を全然気づかなかった」
「なら、これから気遣えばいい。大事な妹なら………ね。少し羨ましいけどな」
「どうしてだ?」
ルイン王子は不思議そうな顔でペルセウスの顔をみた。
「うちは妹のシオンの方がしっかりしているから、負けられないんだ」
「お前も大変なんだな。だが、妹を助けてくれたことは感謝する」
「あ~、それはまだかも」
うん?
どういうことだ?
ペルセウスの曖昧な言葉に首を傾げる。
すると、シオンがメイドに言って何か運ばせてきた。
「なんだ?」
よく見ると子供用のピアノだった。
「じゃじゃーん!ピアノなのです!」
「うん、ピアノ………」
いやいや、ツッコミ入れてくれないと寒いでしょう!
「まっ、いいでしょう。イオン皇女様、私がピアノの弾くので聞いて下さいな」
「シオン様はピアノが弾けるですね♪」
同世代の女の子で、何ができるのか珍しそうに見守るイオン皇女は興味津々である。
シオンが弾いたのはアガレス王国の国歌であった。
何故にそのチョイス!?
と、皇王は思ったが、すぐに考えを改めた。
「いいですかイオン皇女。王族として生まれた以上完璧さは求められます。でも、兄のルイン王子のマネをして欲しい訳ではありません。自分らしさの『個性』を極めればいいのです」
「個性………」
シオンはそのままアガレス王国の国歌を弾きながら歌った。
そして終わったと思ったら再度弾き直した。
それは、大元のメロディは同じだが、弾き方や音の弾み方、スピードなどアレンジされており、よりポップな感じの若者向けになっていた。
「ふぅ~どうでしょう?」
「す、凄かったです!同じ曲なのに全然違う音楽になっていました!」
イオン皇女は大興奮だった。
「これが個性です。同じでも同じではない自分らしさ、これが個性と言うものです。イオン皇女にも個性を伸ばして、周囲の評価を塗り替えれば良いのですわ」
「はいっ!わかりましたわ!!!」
今までで1番はっきりした返事であった。
「あ、あのシオン様!良かったらお、お友達になってくれません………か?」
必死に勇気を出して言ったイオン皇女の手をシオンは握った。
「光栄ですわ。イオン皇女、どうか私の事はシオンと呼び捨てで、お呼び下さい」
「では私の事も二人の時はイオンと」
はにかむイオン皇女の笑顔には不安が消え去り輝いていた。
その姿を見てペルセウスは、またやらかしたなぁ~と思った。
後にイオン皇女はピアノにのめり込み、若くして隣国まで聞こえるピアニストとして成長していく事になる。
成人したイオン皇女は、いつまでもこの日の出来事を人生の分岐点として、想い出として生涯忘れないのであった。
そしてシオンは1人の人生を変えた事に気付いていなかった。
別にピアノじゃくても、バイオリンなどでも良いのよ?
と、呑気に考えていたのは秘密である。
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