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過去編
威厳の違い
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シオンは順調に移動して砦に向かっている頃───
エルザ王国でも動きがあった。
少し時間は遡る。
カイルが砦を奪還し、生き残ったエルザ軍が撤退していった時である。
マーチス将軍は悪態を付いていた。
「クソッ!どうして祖国から援軍が来なかった!戻った5千の兵士が援軍に来れば挟み打ちに出来たものを……………」
マーチス将軍は殿(しんがり)を務めており、軽微ではあったが、身体中に傷があった。
「何人生き残った?」
側にいた部下に尋ねた。
「はっ!マーチス将軍のおかげで被害は抑えられ………ました。1万は脱出できた………かと」
部下は泣きながら答えた。親しい友を亡くしたからだ。
1万は脱出できた。なら残りの5千は死んだか、一部は捕虜になったのだろう。
「敵の追撃に気を張りながら、怪我人を優先させろ!無事な者は仲間を担いで撤退しろ!決して置き去りにするな!」
エルザ軍は満身創痍であったが、マーチス将軍の仲間を見捨てない心意気に兵士達は奮い立たされた。
そして、なんとかエルザ王国の国境砦にたどり着いた。
しかし、そこで想像していなかった事が起こった。
ガシッ!
「この叛逆者を捕らえるのだ!」
!?
「何をする!!!」
砦で待っていたのは国王直属の近衛兵騎士団だった。
「マーチス将軍。貴殿には叛逆罪の疑いがある為拘束させて頂く。そして、せっかく奪ったアガレス王国の砦を奪還された責任を取ってもらう!連れていけっ!」
クッ、援軍が来なかったのはこういう訳か。
いかに国王とて、軍の全体の指揮権を持っている訳ではない。軍に反乱されては困るのだ。
故に、軍部が失態を犯して兵力が低下しているこの時を狙ったのだ。いや、そう仕向けたのだ。
満身創痍のエルザ軍に近衛兵を止める事も出来ずにマーチス将軍は連行された。
流石に傷ついた仲間を放っておく事はせず、治療はしたが、エルザ王国軍は近衛兵騎士団の指揮下に入る事になった。
そして軍の立て直しに約1ヶ月ほど掛かり、再度侵攻を開始したのだった。
奇しくもカイルが戻り交代でシオンが砦に入って数日後の出来事である。
シオンが砦に入ると大きな歓声が上がった。
美しいシオン皇妃が自ら来てくれた事に兵士達のモチベーションは上がった。
「このような危険な所に来て頂きありがとうございます!」
「いいえ、この国の為に命を掛けて戦ってくれている兵士達を労うのは当然の事です。皆様、この度は本当にありがとうございました!」
シオンは透き通るような声で砦にいる兵士達に頭を下げた。
ザワッ!?
「あ、頭をお上げ下さい!」
「いいえ、命を賭して国を守ってくれた英雄達に頭を下げるのは当然です。そして、命を失った者達にも最大限の感謝を」
シオンは胸に手を当てて黙祷を捧げました。
捕虜となっていたエルザ王国軍の兵士達もその様子を見て俯きました。うちの王や王妃もこのような方々であったならと。
そして、シオン自らが率先して治癒魔法を使い重傷者の治療に当たりました。
「グッ、お辞め下さい。血で汚れてしまいます」
「何を言うのですか。私の事より自分の傷を治す事を心配なさい。家族が待っているのでしょう?」
グスッ、ありがとうございます。
兵士は涙を流して感謝した。
「シオン皇妃様、重傷者の治癒魔法の治療が完了しました。後は回復薬で大丈夫かと」
「ふぅ、そうですか。皆様、お疲れ様でした」
血に汚れて疲れたシオンだったが、喜ぶ兵士達を見て心が晴れる思いだった。
エルザ王国でも動きがあった。
少し時間は遡る。
カイルが砦を奪還し、生き残ったエルザ軍が撤退していった時である。
マーチス将軍は悪態を付いていた。
「クソッ!どうして祖国から援軍が来なかった!戻った5千の兵士が援軍に来れば挟み打ちに出来たものを……………」
マーチス将軍は殿(しんがり)を務めており、軽微ではあったが、身体中に傷があった。
「何人生き残った?」
側にいた部下に尋ねた。
「はっ!マーチス将軍のおかげで被害は抑えられ………ました。1万は脱出できた………かと」
部下は泣きながら答えた。親しい友を亡くしたからだ。
1万は脱出できた。なら残りの5千は死んだか、一部は捕虜になったのだろう。
「敵の追撃に気を張りながら、怪我人を優先させろ!無事な者は仲間を担いで撤退しろ!決して置き去りにするな!」
エルザ軍は満身創痍であったが、マーチス将軍の仲間を見捨てない心意気に兵士達は奮い立たされた。
そして、なんとかエルザ王国の国境砦にたどり着いた。
しかし、そこで想像していなかった事が起こった。
ガシッ!
「この叛逆者を捕らえるのだ!」
!?
「何をする!!!」
砦で待っていたのは国王直属の近衛兵騎士団だった。
「マーチス将軍。貴殿には叛逆罪の疑いがある為拘束させて頂く。そして、せっかく奪ったアガレス王国の砦を奪還された責任を取ってもらう!連れていけっ!」
クッ、援軍が来なかったのはこういう訳か。
いかに国王とて、軍の全体の指揮権を持っている訳ではない。軍に反乱されては困るのだ。
故に、軍部が失態を犯して兵力が低下しているこの時を狙ったのだ。いや、そう仕向けたのだ。
満身創痍のエルザ軍に近衛兵を止める事も出来ずにマーチス将軍は連行された。
流石に傷ついた仲間を放っておく事はせず、治療はしたが、エルザ王国軍は近衛兵騎士団の指揮下に入る事になった。
そして軍の立て直しに約1ヶ月ほど掛かり、再度侵攻を開始したのだった。
奇しくもカイルが戻り交代でシオンが砦に入って数日後の出来事である。
シオンが砦に入ると大きな歓声が上がった。
美しいシオン皇妃が自ら来てくれた事に兵士達のモチベーションは上がった。
「このような危険な所に来て頂きありがとうございます!」
「いいえ、この国の為に命を掛けて戦ってくれている兵士達を労うのは当然の事です。皆様、この度は本当にありがとうございました!」
シオンは透き通るような声で砦にいる兵士達に頭を下げた。
ザワッ!?
「あ、頭をお上げ下さい!」
「いいえ、命を賭して国を守ってくれた英雄達に頭を下げるのは当然です。そして、命を失った者達にも最大限の感謝を」
シオンは胸に手を当てて黙祷を捧げました。
捕虜となっていたエルザ王国軍の兵士達もその様子を見て俯きました。うちの王や王妃もこのような方々であったならと。
そして、シオン自らが率先して治癒魔法を使い重傷者の治療に当たりました。
「グッ、お辞め下さい。血で汚れてしまいます」
「何を言うのですか。私の事より自分の傷を治す事を心配なさい。家族が待っているのでしょう?」
グスッ、ありがとうございます。
兵士は涙を流して感謝した。
「シオン皇妃様、重傷者の治癒魔法の治療が完了しました。後は回復薬で大丈夫かと」
「ふぅ、そうですか。皆様、お疲れ様でした」
血に汚れて疲れたシオンだったが、喜ぶ兵士達を見て心が晴れる思いだった。
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