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学園編
愛する奇跡と真実
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血を吐き、すでに真っ青な顔で横たわるカイルを見て、息子であるルーク皇王は急ぎ側に行った。
「父上…………不甲斐ない私に代わり息子を守って頂きありがとうございました」
涙を浮かべながらカイルの手を握った。
「お父様!まだ死んではなりません!お母様が悲しみます!もっと生きて下さい!」
一緒に来ていたシーラも反対の手を握り叫ぶように言った。
「アリエル様!どうかカイルを助けて下さい!」
シオンは最後の望みを掛けてアリエルにお願いした。しかしアリエルは悲しそうな顔をするだけで、何も言わなかった。
ハァハァと息も絶えそうなカイルに呼びかける事しか出来なかった。
「わ、ワシは幸せじゃった…………もう会えぬと………おも……た…ハァハァ、愛する……人に会えた。生前、言えなかった………言葉を……伝える事ができた………ありがとう」
カイルはかすれる声で言葉を紡いだ。
「いや!死なないで!私はまだまだ貴方に伝えたい事がいっぱいあるの!お願い!私を置いていかないで!」
シオンは大粒の涙を流しながら必死で叫んだ。
しかし、カイルは満足した顔で、ありがとうと言って息を引き取った。
!?
「イヤァァァァァァァアアアアアア!!!!!!!」
シオンの叫び声がこだました。
他の者も声を殺して泣く者や、シオンの様に大声で泣く者など様々であったが、誰もがカイルの死を心から悲しんだ。
『時は満ちました』
見上げるとアリエルが中に浮いており、全身が青白く光っていた。
「あ、アリエル様…………?」
シオン達はアリエルが何をしようとしているのかわからず、戸惑うばかりだった。
少しして、アリエルの身体から眩しい光りが放たれたと思ったら、その光りはカイルの身体に吸い込まれるように入っていった。
アリエルはブツブツと小さく呪文の様なものを口ずさんでいた。
その場にいたみんなが、ただ呆然とアリエルの行動を見守った。
すると、カイルの身体から、先程吸い込まれた光りが溢れ出した。
「アリエル様!カイルに何をしたんですか!」
必死にアリエルに尋ねるとアリエルは首だけシオンの方に向けて言った。
『カイル元皇王は死にました。私はそれを待っていたのです』
!?
ちょっと!どういうことよっ!?
それ以降、アリエルは光りが収まるまで無言を貫いた。光りの本流が収まると、目の前には───
「えっ?誰?」
カイルがいた場所には、シオンと同じく十代の青年が寝ていた。
イオンやルインは誰だ?と首を傾げていたが、シオンには良くわかった。
「カイルの若い時の姿だわ…………」
!?
「「えっ!?」」
シオンの言葉に若い世代の者は驚き、シオンの子供達は肖像画を思い出し、あっ!となった。
「ううぅ………ここは?」
少し見つめているとカイルが目を覚ました。
「か、カイルなの?」
「シオン?ワシは死んだのでは………?」
カイルは起き上がると何が起きたのか周囲を見渡して状況を確認しようとしたが、シオンが抱き着いた。
「カイル!良かった。本当に良かった……………カイル、ごめんなさい!私が死んだ時、貴方もこんな気持ちだったのね。私は貴方に残酷なお願いをしてしまったわ!本当にごめんなさい!」
「シオン、まだ状況はわからぬが、ワシは助かったのじゃな?確かにお主が亡くなって、生きる希望を無くして生きておった。しかし、お主は…………シオンは奇跡を起こして戻ってきてくれた。ワシは心からシオンの言葉に従って良かったと思ったよ」
シオンはカイルと呟きながら口づけをした。
「私は貴方を愛しております。死が二人を違えても、永遠に貴方を愛し続けます」
「シオン、ワシもお主を、君を愛している。じゃが今のワシではまたシオンを置いて先に亡くなるじゃろう。シオンには同世代の者と幸せになって欲しい───」
カイルが言い切る前に、シオンはポケットにあった手鏡をカイルに見せた。
「……………なんじゃと!?」
鏡を見ながら自分の顔に手を当てて確かめる。
そんな二人を理解できない若い世代達にルーク皇王と妹のシーラ、アルトは真実を話した。
「こちらにいるシオンは、守護精霊アリエル様が死んだシオン皇后を生まれ変わらせた姿なんだ。つまり、我々の母親であり、カイル父上の妻であった方なのだ」
!?
本日、何度目かの驚愕な真実だった。
「そ、そんな…………」
頭の良いルイン王子は気付いてしまった。
シオンは絶対に自分に振り向かない事に──
自分に見せたことのない恥じらう素顔。
カイル御爺様の死に、あれだけ取り乱した事
そして、カイル御爺様生きていて、それを心の底から喜んでいる姿に、二人の間に割って入る事は不可能だと『理解』してしまった。
「ルイン、フレイム討伐良く頑張ったな。そして、すまない」
ルークは父親らしくルインの頭に手を載せて撫でた。ルイン王子は昔、シオンに告白した時、父親からシオンだけはダメだ!と強く言われた事を思い出していた。その時はアリエル様の愛し子だからと思っていたのだが、本当は違っていたのだ。
ルーク皇王は息子の失恋に深いため息をつく事しか出来なかった。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
【あとがき】
この結末は連載を始める時に、最初から決めていました。最後まで愛する事を貫き通す事で起きる奇跡を書きたかったのです。
完結までもう少しお付き合い下さい。
「父上…………不甲斐ない私に代わり息子を守って頂きありがとうございました」
涙を浮かべながらカイルの手を握った。
「お父様!まだ死んではなりません!お母様が悲しみます!もっと生きて下さい!」
一緒に来ていたシーラも反対の手を握り叫ぶように言った。
「アリエル様!どうかカイルを助けて下さい!」
シオンは最後の望みを掛けてアリエルにお願いした。しかしアリエルは悲しそうな顔をするだけで、何も言わなかった。
ハァハァと息も絶えそうなカイルに呼びかける事しか出来なかった。
「わ、ワシは幸せじゃった…………もう会えぬと………おも……た…ハァハァ、愛する……人に会えた。生前、言えなかった………言葉を……伝える事ができた………ありがとう」
カイルはかすれる声で言葉を紡いだ。
「いや!死なないで!私はまだまだ貴方に伝えたい事がいっぱいあるの!お願い!私を置いていかないで!」
シオンは大粒の涙を流しながら必死で叫んだ。
しかし、カイルは満足した顔で、ありがとうと言って息を引き取った。
!?
「イヤァァァァァァァアアアアアア!!!!!!!」
シオンの叫び声がこだました。
他の者も声を殺して泣く者や、シオンの様に大声で泣く者など様々であったが、誰もがカイルの死を心から悲しんだ。
『時は満ちました』
見上げるとアリエルが中に浮いており、全身が青白く光っていた。
「あ、アリエル様…………?」
シオン達はアリエルが何をしようとしているのかわからず、戸惑うばかりだった。
少しして、アリエルの身体から眩しい光りが放たれたと思ったら、その光りはカイルの身体に吸い込まれるように入っていった。
アリエルはブツブツと小さく呪文の様なものを口ずさんでいた。
その場にいたみんなが、ただ呆然とアリエルの行動を見守った。
すると、カイルの身体から、先程吸い込まれた光りが溢れ出した。
「アリエル様!カイルに何をしたんですか!」
必死にアリエルに尋ねるとアリエルは首だけシオンの方に向けて言った。
『カイル元皇王は死にました。私はそれを待っていたのです』
!?
ちょっと!どういうことよっ!?
それ以降、アリエルは光りが収まるまで無言を貫いた。光りの本流が収まると、目の前には───
「えっ?誰?」
カイルがいた場所には、シオンと同じく十代の青年が寝ていた。
イオンやルインは誰だ?と首を傾げていたが、シオンには良くわかった。
「カイルの若い時の姿だわ…………」
!?
「「えっ!?」」
シオンの言葉に若い世代の者は驚き、シオンの子供達は肖像画を思い出し、あっ!となった。
「ううぅ………ここは?」
少し見つめているとカイルが目を覚ました。
「か、カイルなの?」
「シオン?ワシは死んだのでは………?」
カイルは起き上がると何が起きたのか周囲を見渡して状況を確認しようとしたが、シオンが抱き着いた。
「カイル!良かった。本当に良かった……………カイル、ごめんなさい!私が死んだ時、貴方もこんな気持ちだったのね。私は貴方に残酷なお願いをしてしまったわ!本当にごめんなさい!」
「シオン、まだ状況はわからぬが、ワシは助かったのじゃな?確かにお主が亡くなって、生きる希望を無くして生きておった。しかし、お主は…………シオンは奇跡を起こして戻ってきてくれた。ワシは心からシオンの言葉に従って良かったと思ったよ」
シオンはカイルと呟きながら口づけをした。
「私は貴方を愛しております。死が二人を違えても、永遠に貴方を愛し続けます」
「シオン、ワシもお主を、君を愛している。じゃが今のワシではまたシオンを置いて先に亡くなるじゃろう。シオンには同世代の者と幸せになって欲しい───」
カイルが言い切る前に、シオンはポケットにあった手鏡をカイルに見せた。
「……………なんじゃと!?」
鏡を見ながら自分の顔に手を当てて確かめる。
そんな二人を理解できない若い世代達にルーク皇王と妹のシーラ、アルトは真実を話した。
「こちらにいるシオンは、守護精霊アリエル様が死んだシオン皇后を生まれ変わらせた姿なんだ。つまり、我々の母親であり、カイル父上の妻であった方なのだ」
!?
本日、何度目かの驚愕な真実だった。
「そ、そんな…………」
頭の良いルイン王子は気付いてしまった。
シオンは絶対に自分に振り向かない事に──
自分に見せたことのない恥じらう素顔。
カイル御爺様の死に、あれだけ取り乱した事
そして、カイル御爺様生きていて、それを心の底から喜んでいる姿に、二人の間に割って入る事は不可能だと『理解』してしまった。
「ルイン、フレイム討伐良く頑張ったな。そして、すまない」
ルークは父親らしくルインの頭に手を載せて撫でた。ルイン王子は昔、シオンに告白した時、父親からシオンだけはダメだ!と強く言われた事を思い出していた。その時はアリエル様の愛し子だからと思っていたのだが、本当は違っていたのだ。
ルーク皇王は息子の失恋に深いため息をつく事しか出来なかった。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
【あとがき】
この結末は連載を始める時に、最初から決めていました。最後まで愛する事を貫き通す事で起きる奇跡を書きたかったのです。
完結までもう少しお付き合い下さい。
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