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その頃、王国では─
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「大変です!次々に、アクエリアス領の独立を認めるとの書簡が周辺国から届けられました!」
ドアを蹴り破るぐらいの勢いで、伝令の兵士が宰相の部屋に飛び込んできた。
「またか…………」
すでに同じような書簡が届けられていて、宰相はすでに諦めかけな表情であった。
宰相はその書簡を国王の元へ届けた。
「はぁ~」
大きなため息を付きながら書簡に目を通す国王に、宰相は報告した。
「すでに、ほぼ………いえ今回届けられた書簡で、全ての周辺国がアクエリアス公国の独立を認めました。後は樹立式を済ませるだけで国として独立します」
「まさか全ての国を説得するとはな…………やはり龍族の協力が大きいのか?」
少し前の王都のパニックを思いだした。
「それもありますが、どんな病気も治すエリクサーを持っているという情報もあります。病気の王族や高位貴族に使い、協力を仰いだ所もあるようです」
「エリクサーだと!?」
国王は驚いたが、宰相が続けた。
「それだけではありません。アクエリアス公国には、とんでもない建物があったと報告がああした」
「とんでもない建物?」
宰相は頷くと、複数枚の用紙を取り出した。
「これは!?」
「まず、1枚目の建物は王国領から1番近い『城塞都市』の【絵】であります」
写真が無いため、密偵が模写した物が届けられたのだ。
「この城壁は石造りなのか?いつの間に?どうやって?」
このような建物は何年もの時間を使い建てるもので、シオン令嬢が修道院送りになってから作っても間に合わないのだ。
「それが信じられないことに、ほぼ1日で作り上げたと報告がありました…………」
「そんなバカな!!!?」
「ですよねー?」
宰相も最初は、国王と同じリアクションを取ったのでわかる。ありえない!と………
「シオン令嬢の魔法で建てたそうです」
「はい?」
かくかくしかじか……………………
宰相はわかる範囲で国王に説明をした。
「…………そして、このとんでも建物がアクエリアス公国の首都『アスタリスク』と?」
信じられない高さの建物に、世界樹が生えている世にも奇妙な建物を見て唸った。
「どうして、シオン令嬢の婚約を破棄しちゃったんだよ。我が息子よ?」
シオン令嬢の底知れぬ魔法の力に、恐怖すら覚える国王だった。
「そして、ここには多種多様な種族が暮らしている………か」
国王としても、亜人などの差別を無くそうと、色々と政策を打ち出していたが、根強い反感は消えず、上手くいっていなかった。
「ここには、国王が夢見ていた多種族国家が形成されているようですな。なんといっていいやら………」
王国は人間国家のため、亜人には厳しい国であった。帝国など、各種族の得意分野を使い発展していることを知っている国王は、随分前から亜人達の優遇政策を打ち出していたが、効果は芳しくなかった。
「エルフに獣人に龍族…………!?ドワーフに人魚ーーーーーーーー!!!?」
滅多にいない種族がどうして!?と思う国王だったが、すでにどうしようもない状況を理解していた。なので、ダメ元で宰相に尋ねたのだ。
「もし、仮に戦争を仕掛けた場合どうなると思う?」
宰相は目を瞑り静かにいった。
「結論を先に述べると負けて、ファーランド王国は滅びますな。そして王国全てがアクエリアス公国になるでしょう…………」
「経過としてはどうなる?」
宰相は紙に書きながら説明した。
「まず、我が貴族連合全ての兵力を集めて3万の軍を編成します。1万は帝国の備えとして防備に廻して、2万の兵力を当てる訳ですが………」
宰相は城壁都市を指さして言った。
「ここを落とすのに、攻城兵器を用いても落とせるのかわかりません。時間が掛かれば帝国が守りを突破して攻めてくるでしょう。最悪なのは南の周辺国も戦争に介入してくる所があれば、すぐに王国は滅びます」
国王はまた、ため息を付いた。
「逆に、アクエリアス公国に行くには帝国か、王国を通らないと行けないので、関税を掛けて嫌がらせと、税収を儲けるしかないでしょう」
「しかし、現在急務なのは誰もいなくなった旧アクエリアス領だ。早くなんとかしないと盗賊や浮浪者が集まり、無法地帯になってしまうぞ?」
宰相はそこで深いため息を付きいった。
「現在、移住者を募っています。当面は税の免除と次の収穫までの援助などで優遇策を取って募集しています。しかし、集まっても主要な街に100~200人が限界でしょう。元は5000人から1万人いた街に」
「少し離れた小さな町や村はゴーストタウンになるのか…………」
王国は当初、広大なアクエリアス領が手に入ると踏んでいたが、人が居ない土地を手に入れても管理が大変なだけで税収も入って来ないのである。まさに踏んだり蹴ったりであった。
「それに引き換え、新しいアクエリアス領は1年もしない内に目覚ましい発展をしていて、これからも発展していくとはな…………」
国王と宰相はため息しか出なかった。
そして、間の悪い時にトラブルは発生するのもである。
また、兵士が問題を抱えて飛び込んでくるのだった。
ドアを蹴り破るぐらいの勢いで、伝令の兵士が宰相の部屋に飛び込んできた。
「またか…………」
すでに同じような書簡が届けられていて、宰相はすでに諦めかけな表情であった。
宰相はその書簡を国王の元へ届けた。
「はぁ~」
大きなため息を付きながら書簡に目を通す国王に、宰相は報告した。
「すでに、ほぼ………いえ今回届けられた書簡で、全ての周辺国がアクエリアス公国の独立を認めました。後は樹立式を済ませるだけで国として独立します」
「まさか全ての国を説得するとはな…………やはり龍族の協力が大きいのか?」
少し前の王都のパニックを思いだした。
「それもありますが、どんな病気も治すエリクサーを持っているという情報もあります。病気の王族や高位貴族に使い、協力を仰いだ所もあるようです」
「エリクサーだと!?」
国王は驚いたが、宰相が続けた。
「それだけではありません。アクエリアス公国には、とんでもない建物があったと報告がああした」
「とんでもない建物?」
宰相は頷くと、複数枚の用紙を取り出した。
「これは!?」
「まず、1枚目の建物は王国領から1番近い『城塞都市』の【絵】であります」
写真が無いため、密偵が模写した物が届けられたのだ。
「この城壁は石造りなのか?いつの間に?どうやって?」
このような建物は何年もの時間を使い建てるもので、シオン令嬢が修道院送りになってから作っても間に合わないのだ。
「それが信じられないことに、ほぼ1日で作り上げたと報告がありました…………」
「そんなバカな!!!?」
「ですよねー?」
宰相も最初は、国王と同じリアクションを取ったのでわかる。ありえない!と………
「シオン令嬢の魔法で建てたそうです」
「はい?」
かくかくしかじか……………………
宰相はわかる範囲で国王に説明をした。
「…………そして、このとんでも建物がアクエリアス公国の首都『アスタリスク』と?」
信じられない高さの建物に、世界樹が生えている世にも奇妙な建物を見て唸った。
「どうして、シオン令嬢の婚約を破棄しちゃったんだよ。我が息子よ?」
シオン令嬢の底知れぬ魔法の力に、恐怖すら覚える国王だった。
「そして、ここには多種多様な種族が暮らしている………か」
国王としても、亜人などの差別を無くそうと、色々と政策を打ち出していたが、根強い反感は消えず、上手くいっていなかった。
「ここには、国王が夢見ていた多種族国家が形成されているようですな。なんといっていいやら………」
王国は人間国家のため、亜人には厳しい国であった。帝国など、各種族の得意分野を使い発展していることを知っている国王は、随分前から亜人達の優遇政策を打ち出していたが、効果は芳しくなかった。
「エルフに獣人に龍族…………!?ドワーフに人魚ーーーーーーーー!!!?」
滅多にいない種族がどうして!?と思う国王だったが、すでにどうしようもない状況を理解していた。なので、ダメ元で宰相に尋ねたのだ。
「もし、仮に戦争を仕掛けた場合どうなると思う?」
宰相は目を瞑り静かにいった。
「結論を先に述べると負けて、ファーランド王国は滅びますな。そして王国全てがアクエリアス公国になるでしょう…………」
「経過としてはどうなる?」
宰相は紙に書きながら説明した。
「まず、我が貴族連合全ての兵力を集めて3万の軍を編成します。1万は帝国の備えとして防備に廻して、2万の兵力を当てる訳ですが………」
宰相は城壁都市を指さして言った。
「ここを落とすのに、攻城兵器を用いても落とせるのかわかりません。時間が掛かれば帝国が守りを突破して攻めてくるでしょう。最悪なのは南の周辺国も戦争に介入してくる所があれば、すぐに王国は滅びます」
国王はまた、ため息を付いた。
「逆に、アクエリアス公国に行くには帝国か、王国を通らないと行けないので、関税を掛けて嫌がらせと、税収を儲けるしかないでしょう」
「しかし、現在急務なのは誰もいなくなった旧アクエリアス領だ。早くなんとかしないと盗賊や浮浪者が集まり、無法地帯になってしまうぞ?」
宰相はそこで深いため息を付きいった。
「現在、移住者を募っています。当面は税の免除と次の収穫までの援助などで優遇策を取って募集しています。しかし、集まっても主要な街に100~200人が限界でしょう。元は5000人から1万人いた街に」
「少し離れた小さな町や村はゴーストタウンになるのか…………」
王国は当初、広大なアクエリアス領が手に入ると踏んでいたが、人が居ない土地を手に入れても管理が大変なだけで税収も入って来ないのである。まさに踏んだり蹴ったりであった。
「それに引き換え、新しいアクエリアス領は1年もしない内に目覚ましい発展をしていて、これからも発展していくとはな…………」
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また、兵士が問題を抱えて飛び込んでくるのだった。
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