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第1章:歌姫の覚醒!
戦闘開始です!(挿絵あり
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遂に、盗賊団がやって来た!
「おっ!?村の外で待ち構えていやがる!流石に俺達の情報は届いていたみたいだな?」
「くっくっくっ!たったあれだけの数で俺達を相手にしようってか?」
「だよな!俺達は討伐隊300人以上を返り討ちにしたんだぜ!」
盗賊団の団長ゲースがフィールに指示を出した。
「フィール!いつもの【固有聖歌】を唄え!」
フィールは自分専用の固有聖歌を唄い始めた。
『全てを滅する力の雄叫び___限界を超えて高みへと
誰にも止められない衝動___辺りを無に帰す
理性を保ち先へと進む___骸の道を歩き続ける』
フィールの周囲から赤色の淡い光が現れ、盗賊達の身体も淡い赤色の光が包み込む。
「来たぜ!きたきた!!!」
「これで俺達は無敵だ!」
「皆殺しだぜ!!!」
盗賊達のテンションが上がった。聖歌の力だろうか?
「楽勝だな!流石はフィールだ。俺も調べたがメジャーな魔詞では精々2倍の攻撃力を上げるだけだが、フィールの【固有聖歌】『高揚の激流』は攻撃力を3倍に上げる!しかも、気分が高揚し恐怖や罪悪感が薄れるんだぜ?更に感覚も鋭くなるオマケ付きだ。背後からの攻撃にも反応出来る!まさに最強の力だ!俺達に敵う者はいない!」
腕を組み、冒険者達や守衛に襲い掛かった部下達を後方で見守る。前回、300人以上からなる王都の討伐隊を撃退したのも、盗賊団に取って自信に繋がっているのだ。今回も簡単に倒せると思っていたのだが─
ガッキーーーン!!!
「なっ!?防ぎやがった!!!」
各所で襲い掛かった盗賊達の攻撃を受けきって、冒険者達の反撃を受けたのだ。
「ちっ!?」
「くそっ!どうなっていやがる!」
「ぐわっ!!!」
完全に予定外な状況に、戸惑い逆に倒される盗賊達が出た。さらに【落とし穴】があったのだ。手の空いている人手を使い、突貫であっちこっちに作って不運にも落ちた盗賊はその隙に殺られた。
「落ち着け!!!油断せずに行け!俺達は3倍も強くなっているんだぞ!」
団長のゲースもこの状況は予想外で、焦りが現れる。しかし、何度も危ない橋を渡ってきた団長の状況判断は流石だった。聖歌の効果もあったのだろう。村を守る冒険者達や守衛達の後ろに1人の、この場には似つかわしくない少女を捉えた。
!?
「あれは!?まさか!!!」
冒険者達の後方で村の入口付近にピアノがあり、少女が戦闘を見守っていた。シオンは現在唄っていない。支援聖歌は1度発動するとだいたい1時間は持続する。しかし、時間と共に効果は減っていくのだ。故に、しばらく経ったらまた唄い、効果を最大限に持続させるのが定番なのである。
「気を付けろ!向こうにも歌人が居るぞ!」
!?
「何!?」
「マジかよ!!!」
「くそったれが!?」
盗賊達は悪態を付くが、すぐに行動に出た。
「あの女を殺せーーー!!!」
盗賊達の狙いはシオンに移った瞬間だった。
「ふざけるなよ!シオンちゃんを殺らせるかよ!」
「そうだ!指一本触れさせない!」
「俺達の女神は俺達が守る!」
冒険者達のテンションも上がった。シオンの魔詞はメジャーな物ではあったが、防御力が3倍になり恐怖心も薄れさせる効果があった。つまりは、感覚が鋭くなった事を除けば普通の力量差が勝敗を分けるのだ。
ここで団長のゲースが命じた。
「フィール!もう1度唄え!今度は【本気】でだ!」
!?
フィールは小さく頷くとまた唄い出した。
「♪~♪♪~」
さっきより、強い赤色の光が盗賊達を包み込んだ。
「「「うおぉぉぉぉぉぉおおおお!!!」」」
雄叫びを上げて、盗賊達が襲い掛かった!
「ぐわっ!!!」
「がっは………」
盗賊達の勢いに、一気に劣勢になる冒険者や守衛達にシオンも【ピアノ】を弾きながら唄い始めた。
「♪♪~~♪」
冒険者達も新しい聖歌の力に包まれて、巻き返しをはかる!
その時、両者の間に聖歌による空間のぶつかり合いが起こった。
「な、なんだ!この空間は!?」
「赤色の膜と青色の膜がぶつかっている!?」
両者とも戦いを忘れ、辺りの現象を見渡している。
「これは【聖歌唱力】の力場か!?」
「ギルマス!なんですか!?それは?」
「俺も歌人同士の戦いなんて経験がないから確実な事は言えないが、前に王都で聞いた事がある。歌人同士の唄い合いでは、聖歌唱力の強い方が相手の力を飲み込むと……」
「で、では盗賊の方にいる歌人が勝ったら………」
「俺達の加護が消えて全滅だな……」
そんな会話をしている時に、シオンは相手の聖歌唱力の力の圧を感じていた。
『なんて強い圧力なの!?こちらの唄がかき消される!』
シオンは高い潜在能力を秘めているが、全てに絶望し捨て身で唄っているフィールの方が強かった。
そして遂にシオンの聖歌唱力の力場が崩れ落ちて消えてしまった!そしてシオンはその場から弾けるように、後ろへ吹き飛ばされた!
「シオン!?」
シオンの側でシオンを守っていたクロウがシオンを介抱する。それを見ていたフィールは………
『憎い!なんて暖かい歌を唄うのよ!私が無くした物を全て持っている貴女が憎い!憎い!憎い!同じ目に会えばいい!!!』
絶望に沈んだ心を刺激されてシオンに八つ当たりのような感情が芽生える。
そして、フィールの赤い聖歌の加護が辺りを包み込んだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「ヤバいっす!シオン頑張って!?」
シオン
「強いですわ………ガクッ」
愚者の声
「シオンーーーー!!!!」
ここは王子様のキスで目を覚まさせる!
んーーーー!
キスする前に目覚める
シオン
「死ねーーー!!!!」
ほぎゃーーーーーー!!!!
「おっ!?村の外で待ち構えていやがる!流石に俺達の情報は届いていたみたいだな?」
「くっくっくっ!たったあれだけの数で俺達を相手にしようってか?」
「だよな!俺達は討伐隊300人以上を返り討ちにしたんだぜ!」
盗賊団の団長ゲースがフィールに指示を出した。
「フィール!いつもの【固有聖歌】を唄え!」
フィールは自分専用の固有聖歌を唄い始めた。
『全てを滅する力の雄叫び___限界を超えて高みへと
誰にも止められない衝動___辺りを無に帰す
理性を保ち先へと進む___骸の道を歩き続ける』
フィールの周囲から赤色の淡い光が現れ、盗賊達の身体も淡い赤色の光が包み込む。
「来たぜ!きたきた!!!」
「これで俺達は無敵だ!」
「皆殺しだぜ!!!」
盗賊達のテンションが上がった。聖歌の力だろうか?
「楽勝だな!流石はフィールだ。俺も調べたがメジャーな魔詞では精々2倍の攻撃力を上げるだけだが、フィールの【固有聖歌】『高揚の激流』は攻撃力を3倍に上げる!しかも、気分が高揚し恐怖や罪悪感が薄れるんだぜ?更に感覚も鋭くなるオマケ付きだ。背後からの攻撃にも反応出来る!まさに最強の力だ!俺達に敵う者はいない!」
腕を組み、冒険者達や守衛に襲い掛かった部下達を後方で見守る。前回、300人以上からなる王都の討伐隊を撃退したのも、盗賊団に取って自信に繋がっているのだ。今回も簡単に倒せると思っていたのだが─
ガッキーーーン!!!
「なっ!?防ぎやがった!!!」
各所で襲い掛かった盗賊達の攻撃を受けきって、冒険者達の反撃を受けたのだ。
「ちっ!?」
「くそっ!どうなっていやがる!」
「ぐわっ!!!」
完全に予定外な状況に、戸惑い逆に倒される盗賊達が出た。さらに【落とし穴】があったのだ。手の空いている人手を使い、突貫であっちこっちに作って不運にも落ちた盗賊はその隙に殺られた。
「落ち着け!!!油断せずに行け!俺達は3倍も強くなっているんだぞ!」
団長のゲースもこの状況は予想外で、焦りが現れる。しかし、何度も危ない橋を渡ってきた団長の状況判断は流石だった。聖歌の効果もあったのだろう。村を守る冒険者達や守衛達の後ろに1人の、この場には似つかわしくない少女を捉えた。
!?
「あれは!?まさか!!!」
冒険者達の後方で村の入口付近にピアノがあり、少女が戦闘を見守っていた。シオンは現在唄っていない。支援聖歌は1度発動するとだいたい1時間は持続する。しかし、時間と共に効果は減っていくのだ。故に、しばらく経ったらまた唄い、効果を最大限に持続させるのが定番なのである。
「気を付けろ!向こうにも歌人が居るぞ!」
!?
「何!?」
「マジかよ!!!」
「くそったれが!?」
盗賊達は悪態を付くが、すぐに行動に出た。
「あの女を殺せーーー!!!」
盗賊達の狙いはシオンに移った瞬間だった。
「ふざけるなよ!シオンちゃんを殺らせるかよ!」
「そうだ!指一本触れさせない!」
「俺達の女神は俺達が守る!」
冒険者達のテンションも上がった。シオンの魔詞はメジャーな物ではあったが、防御力が3倍になり恐怖心も薄れさせる効果があった。つまりは、感覚が鋭くなった事を除けば普通の力量差が勝敗を分けるのだ。
ここで団長のゲースが命じた。
「フィール!もう1度唄え!今度は【本気】でだ!」
!?
フィールは小さく頷くとまた唄い出した。
「♪~♪♪~」
さっきより、強い赤色の光が盗賊達を包み込んだ。
「「「うおぉぉぉぉぉぉおおおお!!!」」」
雄叫びを上げて、盗賊達が襲い掛かった!
「ぐわっ!!!」
「がっは………」
盗賊達の勢いに、一気に劣勢になる冒険者や守衛達にシオンも【ピアノ】を弾きながら唄い始めた。
「♪♪~~♪」
冒険者達も新しい聖歌の力に包まれて、巻き返しをはかる!
その時、両者の間に聖歌による空間のぶつかり合いが起こった。
「な、なんだ!この空間は!?」
「赤色の膜と青色の膜がぶつかっている!?」
両者とも戦いを忘れ、辺りの現象を見渡している。
「これは【聖歌唱力】の力場か!?」
「ギルマス!なんですか!?それは?」
「俺も歌人同士の戦いなんて経験がないから確実な事は言えないが、前に王都で聞いた事がある。歌人同士の唄い合いでは、聖歌唱力の強い方が相手の力を飲み込むと……」
「で、では盗賊の方にいる歌人が勝ったら………」
「俺達の加護が消えて全滅だな……」
そんな会話をしている時に、シオンは相手の聖歌唱力の力の圧を感じていた。
『なんて強い圧力なの!?こちらの唄がかき消される!』
シオンは高い潜在能力を秘めているが、全てに絶望し捨て身で唄っているフィールの方が強かった。
そして遂にシオンの聖歌唱力の力場が崩れ落ちて消えてしまった!そしてシオンはその場から弾けるように、後ろへ吹き飛ばされた!
「シオン!?」
シオンの側でシオンを守っていたクロウがシオンを介抱する。それを見ていたフィールは………
『憎い!なんて暖かい歌を唄うのよ!私が無くした物を全て持っている貴女が憎い!憎い!憎い!同じ目に会えばいい!!!』
絶望に沈んだ心を刺激されてシオンに八つ当たりのような感情が芽生える。
そして、フィールの赤い聖歌の加護が辺りを包み込んだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「ヤバいっす!シオン頑張って!?」
シオン
「強いですわ………ガクッ」
愚者の声
「シオンーーーー!!!!」
ここは王子様のキスで目を覚まさせる!
んーーーー!
キスする前に目覚める
シオン
「死ねーーー!!!!」
ほぎゃーーーーーー!!!!
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