12 / 75
第1章:歌姫の覚醒!
負けない強さ!
しおりを挟む
フィールの唄は盗賊達の力を増幅し、冒険者達の加護は急激に無くなっていった。それによりシルフィードの防衛の冒険者や守衛達は劣勢になっていった。
「オラオラ!さっきの勢いはどうした!」
「皆殺しだ!さっさと死ねや!」
「これだよ!これ!フィールの聖歌は最高だぜ!」
まだ辛うじて死者は出てない状態だが、それも時間の問題だった。その時、側面に周り込んでいた冒険者達と狩人が魔法と弓矢で強襲した!
「燃やし尽くせ!フレア・ボム!」
「待たせたな!喰らえ!!!」
魔法使い3人と村の狩人や弓矢を使う冒険者達10人が一斉に攻撃を放った!
「ぎゃっ!!!!」
「ぐっふ!?」
「うぎゃぁぁぁぁ!!!!」
後方の方にいた盗賊達の叫び声が上がる。炎の魔法は着弾すると爆発し、周りの盗賊を炎へと包んだ。弓矢は複数の盗賊に突き刺さり、致命傷を与えて戦闘不能にした。
魔法使いは一撃を放つとすぐに村の方へと離脱し、弓矢も第2射を放った後は離脱した。盗賊達は追うことも出来ずに数を減らされ、仲間の介抱する者と戦闘を行う者に別れる事になった。
「糞が!!!!舐めたマネしやがって!!!」
ゲースは激昂した。いいようにやられたのが気に入らないのだ。
「フィール!別の聖歌を唄え!感覚が麻痺するヤツだ!」
フィールは絶望と憎悪から、全てを壊す破壊の聖歌しか唄えない。回復の聖歌は唄えないのだ。故に、気分を高揚させて痛みの感覚を麻痺させる事しか出来ないのである。
他の聖歌を唄ったことにより、【固有聖歌】『高揚の激流』の効果は減った。しかしまだまだ、強化されている事に変わりはない。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「シオン!しっかりしろ!」
クロウはシオンを抱き起こして、シオンを揺すった。
「う…………うくっ」
意識が朦朧として返事が出来ないシオンに、ある人物がやって来た。
「何をしている!早く起きて唄いなさい!でなければ大切な人が殺され、大切な村が破壊されるわよ!」
やって来たのはイオンだった。相変わらずローブを深く被り、マスクをして素顔は見れないが、本気で叱咤激励しているのがわかる。
パンパン!パンパン!
イオンはクロウに抱えられているシオンの頬を平手打ちをした。
「お、おい!」
クロウも止める暇も無く、シオンをひっぱたく!
「い、痛い!!!!」
シオンの意識が覚醒した。
「やっと目が覚めたのね!早く唄いなさい!大事な人達が死ぬ前に!」
「でも!私の唄いじゃ!向こうの唄に勝てないよ!!!」
シオンは涙目で訴えるが、イオンは提案した。
「ピアノは私が弾くわ!貴女は唄に集中しなさい!聖歌は練習も無しにピアノを弾きながら唄える物では無いわ!」
「イオンさん………」
どうしてそんなに聖歌に詳しいのか気になったが、今は唄に集中する事にした。
「見なさい!目の前ので傷付き、倒れている冒険者や守衛達を!聖歌は想いを力に変えるわ!目の前の人達が傷付かないように、願いながら唄いなさい!」
そう言うと、イオンさんはピアノを弾き始めた。
支援系聖歌【護りの唄】をもう一度、唄い始めた。
「何度でも弾き飛ばして上げるわ!私の絶望は止められない!」
フィールも再度、聖歌を唄い始めた。また二人の聖歌が聖歌唱力の力場を作った。
相手の聖歌の圧力に、お互いに踏ん張りながら唄い続ける。
クロウはシオンの手を繋ぎ、護る様にシオンを支えた。
「頑張れ!シオン!」
クロウの励ましに、シオンも応えようとする
『ありがとう!クロウ!私、頑張るよ!』
シオンは傷付きながらも戦う目の前の人達の為に唄う!
「シオンちゃん?」
「あれ?傷が治っていく!?」
「敵の攻撃が軽くなった感じがするぞ!」
シオンの唄った魔詞には本来、回復効果は無い。しかし、シオンの気持ちに比例して回復の効果まで付加されていたのだ。
『な、なぜ!?さっきまでとは違う!』
フィールは戸惑っていた。先ほどまでは自分の方が強かったのだ。しかし、今は自分が押されている。この違いはなんだ?そして再度、唄に力を込める。
『私は負けない!どうして私だけが不幸なのよ!みんな死んだ!私が殺した!だったら周りの全てが絶望して、不幸になれば良いのよ!私だけが不幸だなんて認めない!同じ苦しみを味わえ!』
すでに、自分勝手な思いにも気付かずに全てを他人のせいにして唄い続ける。
お互いの想いをぶつけるかの様に聖歌唱力の力場は拮抗していた。そんな時、シオンの中にフィールの想い(記憶)が流れ混んできた。
『ああぁ………そんな……』
シオンはフィールの起こった出来事に涙した。
「しっかりしなさい!貴女が諦めたらみんなが同じ目に遭うのよ!」
イオンの叫び声に、はっ!と我に変えるシオンは涙を流しながらイオンを見詰めた。
「唄いなさい!みんなの為に!そしてフィールの悪夢を終わらせなさい!シオン!!!」
シオンは涙を流しながら覚悟を決めて頷いた。
その時!シオンの脳内に新しいメロディーが鳴り響いた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「脳内にメロディーって聞くとボカロを思い出しますね」
シオン
「ボカロには負けませんわ!」
愚者の声
「いやいや、無理でしょう?」
シオン
「やっぱり?」
愚者の声
「私はボカロと言うとソニ子さんが好きですねー」
シオン
「巡音ルカね。お姉さん気質が好きですわ!」
愚者の声&シオン
「「あれ?何の話でしたっけ?」」
「オラオラ!さっきの勢いはどうした!」
「皆殺しだ!さっさと死ねや!」
「これだよ!これ!フィールの聖歌は最高だぜ!」
まだ辛うじて死者は出てない状態だが、それも時間の問題だった。その時、側面に周り込んでいた冒険者達と狩人が魔法と弓矢で強襲した!
「燃やし尽くせ!フレア・ボム!」
「待たせたな!喰らえ!!!」
魔法使い3人と村の狩人や弓矢を使う冒険者達10人が一斉に攻撃を放った!
「ぎゃっ!!!!」
「ぐっふ!?」
「うぎゃぁぁぁぁ!!!!」
後方の方にいた盗賊達の叫び声が上がる。炎の魔法は着弾すると爆発し、周りの盗賊を炎へと包んだ。弓矢は複数の盗賊に突き刺さり、致命傷を与えて戦闘不能にした。
魔法使いは一撃を放つとすぐに村の方へと離脱し、弓矢も第2射を放った後は離脱した。盗賊達は追うことも出来ずに数を減らされ、仲間の介抱する者と戦闘を行う者に別れる事になった。
「糞が!!!!舐めたマネしやがって!!!」
ゲースは激昂した。いいようにやられたのが気に入らないのだ。
「フィール!別の聖歌を唄え!感覚が麻痺するヤツだ!」
フィールは絶望と憎悪から、全てを壊す破壊の聖歌しか唄えない。回復の聖歌は唄えないのだ。故に、気分を高揚させて痛みの感覚を麻痺させる事しか出来ないのである。
他の聖歌を唄ったことにより、【固有聖歌】『高揚の激流』の効果は減った。しかしまだまだ、強化されている事に変わりはない。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「シオン!しっかりしろ!」
クロウはシオンを抱き起こして、シオンを揺すった。
「う…………うくっ」
意識が朦朧として返事が出来ないシオンに、ある人物がやって来た。
「何をしている!早く起きて唄いなさい!でなければ大切な人が殺され、大切な村が破壊されるわよ!」
やって来たのはイオンだった。相変わらずローブを深く被り、マスクをして素顔は見れないが、本気で叱咤激励しているのがわかる。
パンパン!パンパン!
イオンはクロウに抱えられているシオンの頬を平手打ちをした。
「お、おい!」
クロウも止める暇も無く、シオンをひっぱたく!
「い、痛い!!!!」
シオンの意識が覚醒した。
「やっと目が覚めたのね!早く唄いなさい!大事な人達が死ぬ前に!」
「でも!私の唄いじゃ!向こうの唄に勝てないよ!!!」
シオンは涙目で訴えるが、イオンは提案した。
「ピアノは私が弾くわ!貴女は唄に集中しなさい!聖歌は練習も無しにピアノを弾きながら唄える物では無いわ!」
「イオンさん………」
どうしてそんなに聖歌に詳しいのか気になったが、今は唄に集中する事にした。
「見なさい!目の前ので傷付き、倒れている冒険者や守衛達を!聖歌は想いを力に変えるわ!目の前の人達が傷付かないように、願いながら唄いなさい!」
そう言うと、イオンさんはピアノを弾き始めた。
支援系聖歌【護りの唄】をもう一度、唄い始めた。
「何度でも弾き飛ばして上げるわ!私の絶望は止められない!」
フィールも再度、聖歌を唄い始めた。また二人の聖歌が聖歌唱力の力場を作った。
相手の聖歌の圧力に、お互いに踏ん張りながら唄い続ける。
クロウはシオンの手を繋ぎ、護る様にシオンを支えた。
「頑張れ!シオン!」
クロウの励ましに、シオンも応えようとする
『ありがとう!クロウ!私、頑張るよ!』
シオンは傷付きながらも戦う目の前の人達の為に唄う!
「シオンちゃん?」
「あれ?傷が治っていく!?」
「敵の攻撃が軽くなった感じがするぞ!」
シオンの唄った魔詞には本来、回復効果は無い。しかし、シオンの気持ちに比例して回復の効果まで付加されていたのだ。
『な、なぜ!?さっきまでとは違う!』
フィールは戸惑っていた。先ほどまでは自分の方が強かったのだ。しかし、今は自分が押されている。この違いはなんだ?そして再度、唄に力を込める。
『私は負けない!どうして私だけが不幸なのよ!みんな死んだ!私が殺した!だったら周りの全てが絶望して、不幸になれば良いのよ!私だけが不幸だなんて認めない!同じ苦しみを味わえ!』
すでに、自分勝手な思いにも気付かずに全てを他人のせいにして唄い続ける。
お互いの想いをぶつけるかの様に聖歌唱力の力場は拮抗していた。そんな時、シオンの中にフィールの想い(記憶)が流れ混んできた。
『ああぁ………そんな……』
シオンはフィールの起こった出来事に涙した。
「しっかりしなさい!貴女が諦めたらみんなが同じ目に遭うのよ!」
イオンの叫び声に、はっ!と我に変えるシオンは涙を流しながらイオンを見詰めた。
「唄いなさい!みんなの為に!そしてフィールの悪夢を終わらせなさい!シオン!!!」
シオンは涙を流しながら覚悟を決めて頷いた。
その時!シオンの脳内に新しいメロディーが鳴り響いた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「脳内にメロディーって聞くとボカロを思い出しますね」
シオン
「ボカロには負けませんわ!」
愚者の声
「いやいや、無理でしょう?」
シオン
「やっぱり?」
愚者の声
「私はボカロと言うとソニ子さんが好きですねー」
シオン
「巡音ルカね。お姉さん気質が好きですわ!」
愚者の声&シオン
「「あれ?何の話でしたっけ?」」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
Sランクパーティを追放されたヒーラーの俺、禁忌スキル【完全蘇生】に覚醒する。俺を捨てたパーティがボスに全滅させられ泣きついてきたが、もう遅い
夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティ【熾天の剣】で《ヒール》しか使えないアレンは、「無能」と蔑まれ追放された。絶望の淵で彼が覚醒したのは、死者さえ完全に蘇らせる禁忌のユニークスキル【完全蘇生】だった。
故郷の辺境で、心に傷を負ったエルフの少女や元女騎士といった“真の仲間”と出会ったアレンは、新パーティ【黎明の翼】を結成。回復魔法の常識を覆す戦術で「死なないパーティ」として名を馳せていく。
一方、アレンを失った元パーティは急速に凋落し、高難易度ダンジョンで全滅。泣きながら戻ってきてくれと懇願する彼らに、アレンは冷たく言い放つ。
「もう遅い」と。
これは、無能と蔑まれたヒーラーが最強の英雄となる、痛快な逆転ファンタジー!
悪役令嬢の追放エンド………修道院が無いじゃない!(はっ!?ここを楽園にしましょう♪
naturalsoft
ファンタジー
シオン・アクエリアス公爵令嬢は転生者であった。そして、同じく転生者であるヒロインに負けて、北方にある辺境の国内で1番厳しいと呼ばれる修道院へ送られる事となった。
「きぃーーーー!!!!!私は負けておりませんわ!イベントの強制力に負けたのですわ!覚えてらっしゃいーーーー!!!!!」
そして、目的地まで運ばれて着いてみると………
「はて?修道院がありませんわ?」
why!?
えっ、領主が修道院や孤児院が無いのにあると言って、不正に補助金を着服しているって?
どこの現代社会でもある不正をしてんのよーーーーー!!!!!!
※ジャンルをファンタジーに変更しました。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる