【改稿版】聖歌大戦!~君に捧げる鎮魂歌~

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第5章:激突!

士気を高めるにはやっぱりアレ!

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サイファー達が砦の執務室から降りていくと、そこにはシルフィード軍(亜人を含む)と王国軍が酒を手に宴会していた。
(えっと………戦争中なんですが!?)

「な、何をしている!?戦時中だぞ!!!」

サイファーが怒るのも無理はない。しかしこの光景をみたカインは反対に大笑いしていた。

「くはははは!着いてそうそう、もう打ち解けたか!?やっぱり酒を大量に持ってきて正解だったな!」

カインの言葉にサイファーは………

「あんたが犯人か!!!」
「あははは、まぁ良いじゃないか!それより見てみろ!」

カインは顎で夜戦病院の方を見るよう促した。

!?

「け、怪我人が………治っている!?えっ、あの者は手足の欠損があったはず………」

唖然とするサイファーに兵士が駆け寄った!

「お疲れ様です!サイファー様!見てください!【歌神シオン様】のお陰で、砦の皆が回復しました!!!」

「何だと!?この数の怪我人を全てか!?」
「まぁ、シオンなら当然だな!オイ!俺にも酒をくれっ!」

サイファーがそれを止める!

「カイン殿!だから戦時中だとっ………」

カインはサイファーに肩を廻して言った。

「まぁまぁ!堅いことは抜きにしよう!それに、良く見てみろよ?士気の低さは改善したんじゃないか?」

ハッと辺りを見渡すと、酒盛りをしている兵士の中には亜人……獣人の兵と肩を組んで歌っている者もいた。ほんの少し前には悲壮感漂う砦の雰囲気が一変し、笑い声で溢れいる。

日も暮れて来たので神国の侵攻はないと、サイファーも折れて少量ならと宴会に加わった。

「まったく、あなた達は常識というものが無いのですか?」

酒を片手に呆れた様にサイファーは言った。

「この度の戦争は勝つ事が目的では無いからな?まぁ、勝つ事は前提ではあるが」

「それは一体………はっ!亜人の受け入れ体制ですか!?」

カインは頷くと酒を口に運んだ。

「ぷはっ~!そうだ。流石に察しがいいな?我々の目的は亜人との友好関係だ。シルフィード領にいるときはいいが、他の国では待遇が悪すぎる!せめてエルネシア王国だけでも改善したい」

カインの言葉にサイファーは笑いだした。

「敵はこちらの倍の数で攻めてきて、しかも強大な歌人まで有しているのに、あなた達はその後の事を考えているなんて………やはり常識が無いですね!」

口ではそう言っているがサイファーの顔は笑っていた。

「一般兵の鎧兜まで用意してくれたのはカイン殿の計らいでしょう?この戦争が終わったら、大々的に兵士へ通達しますよ。ただ、生理的嫌悪感は上から言っても早々に消える物ではありませんが、自分達の命を守ってくれたとなれば、この戦いに参加している兵士から反感は出ないでしょう」

「サイファー殿は察しが良くて助かる!しかし王国軍の中にも亜人達の事に理解を示してくれる者がいたとは嬉しかったぞ」

サイファーは酒を手のひらで遊びながら言った。

「ここは神国の国境です。奴隷の亜人が命からがら逃げてくる事もあり、保護することもあるのです」

カインは驚いた。良く考えれば無いこともないだろうが、そういう話しは聞いた事がなかったからだ。

「国へは報告してません。報告すれば亜人を神国へ返還しなくてはなりませんし、神国の外交問題になりますので………保護した亜人達からどのような待遇を受けていたか確認すると、胸くそが悪くなります。砦の兵士達の多くが亜人に同情的なんですよ」

カインは一言そうかと言ってサイファーに酒を注いだ。そこに横からビャクヤが口を挟んだ。

「サイファー殿、我が同胞を救って頂き誠に感謝する!」

ビャクヤはサイファーに深く頭を下げた。

「ビャクヤ殿、止して下さい!すでに感謝は頂いております。それに全ての亜人を救えた訳ではありません」
「それでも、亜人に辛く当たる者が多いなか、自分の立場を悪くする可能性があるにも関わらず助けて頂いたこと、誠に感謝の言葉しかありません!」

サイファーは照れ臭く頬を掻きながらビャクヤへ酒を渡した。

「では、これは貸しの1つにしましょう!この戦争が終わったら上等な酒を奢って下さい!」
「心得た!」

ビャクヤと笑顔で握手を交わすのであった。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】

愚者の声
「戦闘に入れなかった………でも次は必ず軍がぶつかる戦争のシーンになるよ~」

シオン
「はやく私を活躍させなさい!」

愚者の声
「え~!できればミリアとかイオンとか活躍させたいよ!」

シオン
「…………なんでですの?」

愚者の声
「だって可愛い……((殴り

グハッ!?






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