【改稿版】聖歌大戦!~君に捧げる鎮魂歌~

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第5章:激突!

激突!

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早朝に掛けてエルネシア王国軍は有利な砦を出て討って出た。理由は幾つかあり、砦で防戦すれば道幅の狭い渓谷のため、1度に攻める事の出来ないアドバンテージがあった。

しかし、長期戦になると人数の多い神国が有利になってくる。しかも魔法のある世界では魔法の防御などで建物は完全には防げず、難攻不落の国境砦であっても破壊される可能性があった。故に今後の事を考えると、神国側の平原に討って出て一気に決戦を仕掛ける事になったのだ。無論、歌神シオンがいるのが大きい!
(本人は残念系美少女なんですけどね~)

エルネシア王国が討って出た事は偵察隊にすぐに伝わり、神国側に届けられた。

「ふわぁ~、3日も時間を無駄にしたわねぇ~ようやく準備ができたのかしら?」

早朝に起こされた歌人フレイは眠そうに伝令の報告を聞いた。

「………でも、ようやくまた暴れられるって訳だ。クックックッ!」

凶悪に微笑むフレイはこの後の虐殺を思い浮かべて笑うのだった。

「しかし、また有利な砦を出て攻めて来るとは何を考えている?」

王国領遠征軍総司令官カーラン・ハードンは夜襲ではなく、正々堂々と草原に隊列を組み神国軍に対峙するエルネシア王国軍を見て考え込んだ。すでに神国軍も隊列を整えている。

軍人からすると考えられないからだ。有利な砦を出て攻めてくる。夜襲ならわかるが腑に落ちない!何かの罠か?
そこに大司教ガルドがやって来た。

「カーラン殿も腑に落ちない様子ですな?」

大司教ガルドもカーラン同様に、エルネシア王国軍が討って出た事に疑問を感じていた。歌人1人に何百人も犠牲を出して撤退したのに、また攻めてきた。万に1つも勝ち目がないのにだ。

「………大司教殿もわからんか?有利な砦を出て倍の人数差がある平原で決戦だ。しかも此方には歌人も付いている。奴らに勝ち目があるとは思えん!」
「その通りです。だからこそ、腑に落ちないのです。相手の出方を見る為にひと当たりしてみるしかないですね」

確かに大司教の言う通り、一度やってみなければわからんな。

「カーラン総司令官!大変です!」

伝令が大慌てでやって来た!

「どうした!」

「はっ!敵、王国軍に【悪魔の使徒】を確認しました!数は数百を確認!」

!?

「何だと!?」

カーランは亜人を悪魔の使徒とは考えはいない。上層部の1人であるからだ。だが、エルネシア王国にはそんなに亜人は住んではいない。だとしたら………

「大司教殿!」
「ええ!わかっております!シルフィード領から援軍が来たのでしょう!」

シルフィード領は出てこないと考えていたが、大勢の亜人を抱えているのはシルフィード領のみなのだ。カーランとガルドは歌神シオンまで来ているのでは!?と動揺したのだ。

「カーラン総司令官!敵の戦力を確認する為にこちらから討って出ましょう!」

大司教の意見に頷き、命令を発した!

「皆の者!敵に悪魔の使徒が多数確認された!神の代行者として見逃す訳にはいかぬ!我ら神国軍の【聖戦】に各部隊は奮闘せよ!」

総司令官カーランは1度話しを区切って大声で命令を下した。

「敵、エルネシア王国及び悪魔の使徒!打ち破れ!!!」

「「「オオオオオオォォォォォォォォ!!!」」」

先に飛び出したのは神国側だった!両陣は長方形を横にした形で隊列を組、前列は長槍を持った歩兵が並んで、両方の左右に騎馬隊が構えていた。騎馬隊は動かず、中央の歩兵が飛び出していった。

「悪魔の使徒に天罰をーーーー!!!!!!」

神国側の兵士は叫びながら突撃した!

「何が悪魔の使徒だ!俺達は亜人と言う1つの種族だ!!!」

エルネシア王国の方の前列には亜人とエルネシア兵が混ざって構えていた。
両方の兵士の血飛沫が飛び交った!神国側は突進してきて、王国側が待ち構える格好であった。

「何だと!!!?」

初手は互角だと思った矢先、神国側の兵士が文字通り吹き飛んだ!

「聞けい!!!ワシは亜人国、3部族長が1人、獣人族の長ビャクヤである!大恩あるシルフィード領に難癖を付けエルネシア王国に戦争を仕掛けた神国に大義は無い!そして長年、我らを虐げてきた報いを受けてみるがよい!!!」

歴戦の戦士であるビャクヤは身の丈以上もあるバスターソードをブンブンと振り回し、神国の兵士を斬ると言うよりは殴り飛ばしていた!

「悪魔の使徒め!歩兵は下がれ!弓隊!あの白い虎を射殺せ!!!」

前線の部隊長が歩兵部隊の後ろで構えていた弓隊に指示を出した。弓隊も少し前に出てビャクヤを集中砲火した。

しかし、数多の弓矢は王国軍の魔導師の魔法により弾かれた!これは予め、活躍し神国側に目を付けられて、狙われると防御膜を張っていたのだ。

「くそっ!王国の魔導師か!」

部隊長は弓矢の一斉攻撃が不発に終わった事で悪態を付いた!

それが部隊長の命運を分けた。すぐに連続して弓矢の弾幕を張るべきだったのだ。

「雷帝の怒りを我が身に宿し、目の前の愚かなるものに裁きを与えん─」

【雷神爆撃陣!】

ビャクヤは大きな剣を両手で前に突き出し、必殺技を放った!

「はっ?」

ドッカーーーーーーン!!!!!

ビャクヤの遠距離攻撃が前線の後ろに着弾し、一部の弓隊を巻き込み部隊長を黒焦げにした。

これに動揺した神国側の攻撃が緩む事になる。戦いは始まったばかりだ。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】

愚者の声
「ようやくサブタイ回収できた!」

シオン
「ワタシノカツヤクハ………?」

愚者の声
「えっと………次回……かな?」

シオン
「ホントウデショウネ?」

愚者の声
「本当だからそのしゃべり方止めて!怖いよ!?」

シオン
カタカタカタ……………

愚者の声
ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ!





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