【改稿版】聖歌大戦!~君に捧げる鎮魂歌~

naturalsoft

文字の大きさ
71 / 75
第5章:激突!

大怪獣対決!

しおりを挟む
その大きさ故に、ゆっくりとしかし確実に前へ進んでいた。大勢の観客を前に動くその巨体は両軍の想いを後押しするかのように力強く進んでいた。

「うわぁ~!シルクちゃん!あんな凄い聖歌を持っていたんだね~」

シオンは間の抜けた声で樹の巨人を見ていた。

「ああ、亜人国での決闘で使われていたらヤバかったな?」

レインも顔に嫌な汗を掻いていた。

「まさに人智を超えた戦いですね……」

一同は樹の巨人を見守るしか出来なかった。

「これはこれでタイマンで良いかもな?」

歌人フレイは遂に前線へ出た炎の魔神を止めて、樹の巨人と対峙した。

「最初から全力でいくぜぃ!」

歌人フレイは腕を前に突き出し、命令した。

「燃やし尽くせ!!!」

歌人シルクも同時に指示を出す!

「叩き潰しなさい!!!」

2体の巨人がぶつかり合った!
炎の魔神が腕を振りかぶり樹の巨人を殴った。

ドッコーーーーーン!!!!!

激しい音と共に樹の巨人がよろめいた。殴られた場所は燃えている。

「何のーーーー!!!!!」

今度は樹の巨人が振りかぶり殴った!

ドッコーーーーーン!!!!!

なんと!?炎の魔神が吹き飛んだ!!!

「うわぁーーーー!!!逃げろーーーーー!!!!!」

不幸にも派手に吹き飛んだ炎の魔神の下敷きになった不運な神国兵の十数人は灰となった。
それを見た両軍はもっと離れるように移動した。

「いつつ…………派手に吹き飛ばしやがって!」

歌人の聖歌で産み出した召喚獣のダメージが歌人本人にフィードバックしていた。

「おい!大丈夫なのか!?」

大司教はフレイの炎の魔神がより吹き飛んだことで内心焦っていた。

「そう慌てるなよ?炎の魔神は基本的に気体なんだぜ?質量がないぶん体重が軽い。だが、アタイの炎は確実に向こうへダメージを与えている。こっちが有利だ!」

歌人フレイのいう通りだった。

「ぐっ………質量があるぶんこっちの攻撃が重たいはず!でも炎のダメージが………あれ???」

炎の魔神と対峙するだけでダメージを受けていたシルクの身体から火傷が消え、熱さも感じなくなった。振り向くとシオンが回復の聖歌を唄っていた。

「シオン………!?」
「これくらいは………ねっ?」

これは戦争である。2対1で卑怯ということはないのだ。その間も2体の巨人は殴り合っていた!

「クソがっ!さっさとくたばれ!!!!」

歌人フレイが両腕で陣を描くと、炎の魔神が炎を吐いた!

「こっちも負けないわ!」

樹の巨人もシルクが集中力を高めると、樹の幹が渦を巻きを描き、丸い木の盾を作り炎を防いだ。その木の盾はすぐに真っ黒な石炭と化した。しかし灰となって崩れることはなく直接の炎を防いでいた。

「普通ならとっくに崩れているはずなんだが………聖歌の魔力のせいか?」

炎を吐き出すだけでも力を使う。いつまでも吐き続ける事は出来ない。

「はぁはぁ!マジでアイツの体力はどうなっていやがる!?」

目の前では樹の巨人と炎の魔神が原始的な殴り合いをしていた。

「大丈夫か!フレイ!?」

大司教は倒れそうになっているフレイを支えた。

「フレイよ。1つ助言がある」

フレイを支えながら大司教は今までの戦いをみてある結論を出していた。

「なんだよ……はぁはぁ、今は無駄話している時じゃねぇだろうが!」

体力を使い、息を切らしているフレイに大司教は続けた。

「良いから聞け!何故、相手の物理攻撃が気体である炎を殴れるのか?」
「はぁ?知るかよ!お互いの聖歌の力が干渉するからじゃねぇのか?」

今はそれを検証することは出来ない。しかし予測は出来る。

「そうだ。普通は炎を剣で斬っても空を切るだけだ。しかし、あの樹の巨人に対しては物理攻撃が効く。【向こう】にもな?フレイよ、樹の巨人がやったように貴様も炎の形を変えれるだろう?」

ここまで言われてようやく歌人フレイも気付いた。

「なるほど……な!」

フレイは自分の足で立ち上がると、炎の魔神に力を送った。すると炎の魔神の腕が剣の形となった!

「いけっ!!!!」

炎の魔神が斬りかかると、すでに石炭と化していた盾が真っ二つになった。

!?

次々に斬りかかる攻撃に、樹の巨人は傷付いていった。さすがに真っ二つになることは無かったが片腕を切り落とされ、頭部に生えていた木々も削られている。

「シルクちゃん!こちらも武器だよ!」

シオンの提案にシルクも考えた。そして盾を作った時の様に、樹の根を捻りながら尖端が尖っている不恰好な剣が出来上がった。

「いくよ!」

形は不恰好だが、炎の剣をしっかり受け止める事の出来る強度があった。

「相手は剣の素人!絶対に負けない!」

いや、シルクも剣を使えないでしょうに!
動きの遅い樹の巨人は、炎の魔神と力任せに斬り合っていた。お互いにダメージが蓄積しており、歌人本人のダメージを回復しているシルクが有利であった。

そして、遂に停滞していた戦いに動きがあった!?



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】

愚者の声
「さて、この戦争も終わりが近いです」

シオン
「何気に書いているけれど大勢の兵士が亡くなっているのですわね」

愚者の声
「何か楽しい話を書きたいっす!」

シオン
「………最近、別の小説を書いているではありませんか?」

愚者の声
ギクッ!?

シオン
「自分の趣味を全面にだした………イヤらしい内容のね?」

愚者の声
ダラダラ………
「な、なぜそれを………」

シオン
「いつ公開するのかしら?」

愚者の声
「………多分、2019/5月~6月には………」
(*/□\*)

(普通のギャグ小説ですよ?)

















しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

Sランクパーティを追放されたヒーラーの俺、禁忌スキル【完全蘇生】に覚醒する。俺を捨てたパーティがボスに全滅させられ泣きついてきたが、もう遅い

夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティ【熾天の剣】で《ヒール》しか使えないアレンは、「無能」と蔑まれ追放された。絶望の淵で彼が覚醒したのは、死者さえ完全に蘇らせる禁忌のユニークスキル【完全蘇生】だった。 故郷の辺境で、心に傷を負ったエルフの少女や元女騎士といった“真の仲間”と出会ったアレンは、新パーティ【黎明の翼】を結成。回復魔法の常識を覆す戦術で「死なないパーティ」として名を馳せていく。 一方、アレンを失った元パーティは急速に凋落し、高難易度ダンジョンで全滅。泣きながら戻ってきてくれと懇願する彼らに、アレンは冷たく言い放つ。 「もう遅い」と。 これは、無能と蔑まれたヒーラーが最強の英雄となる、痛快な逆転ファンタジー!

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

悪役令嬢の追放エンド………修道院が無いじゃない!(はっ!?ここを楽園にしましょう♪

naturalsoft
ファンタジー
シオン・アクエリアス公爵令嬢は転生者であった。そして、同じく転生者であるヒロインに負けて、北方にある辺境の国内で1番厳しいと呼ばれる修道院へ送られる事となった。 「きぃーーーー!!!!!私は負けておりませんわ!イベントの強制力に負けたのですわ!覚えてらっしゃいーーーー!!!!!」 そして、目的地まで運ばれて着いてみると……… 「はて?修道院がありませんわ?」 why!? えっ、領主が修道院や孤児院が無いのにあると言って、不正に補助金を着服しているって? どこの現代社会でもある不正をしてんのよーーーーー!!!!!! ※ジャンルをファンタジーに変更しました。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

処理中です...