1 / 366
【第1部】その手に掴む剣の名は~プロローグ~
友との別れ
しおりを挟む「ねえ、これでよかったと思うかい?」
彼はひっそりと問いかける。
周囲は冷たい岩肌に囲まれており、彼の声はがらんとした空間に吸い込まれるだけで、問いに答えをくれる者はいなかった。
彼は岩肌をなぞるように、視線を上へ上へと上げていく。
ここには、長い間共に過ごしてきた友が眠っている。
多くの言葉を交わし、色んな場所に二人で自由気ままに赴いた。
でももう、そんなことはできないかもしれない。
人とドラゴンとの絆は、断たれてしまったのだから。
それは彼としても彼の友としても避けられないと理解していたことであり、一番あってほしくなかった結末でもあった。
「寂しくなるね…。でも、君は変わらずこう言ってくれるんだろう?」
岩肌をなで、彼は微笑む。
「我は、人間が好きだって―――」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
48
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる