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第14歩目 ぶつかり合う感情
再び現場へ
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その翌朝、シュルクは一人で中庭に訪れていた。
昨日、あんなことがあったばかりだ。
またドリオンが現れないとも限らないので、フィオリアには何も言わずに出てきた。
今頃彼女は、久しぶりの柔らかいベッドで夢の中といったところだろう。
シュルクは日が昇るまでの間、池の周囲に立てられた銅像を一体ずつ丁寧に観察していた。
そして日が昇ると、橋には入らずに、その入り口から橙水晶が朝日を反射する風景を眺める。
昨日のような地震は起こらない。
橋に映ったオレンジ色の水面は霊子をまき散らすことなく、その場でゆらゆらと揺れているだけだ。
―――だが、自分には感じる。
目に見える異変が起こっていないだけで、銅像の周辺にはかなりの密度で霊子が漂っている。
試しに橋の中に一歩入ろうとして、すぐにやめた。
爪先を地面につけるかつけないかといったところで、霊子の動きが活発になりかけたからだ。
(やっぱり、俺らが原因か……)
ニコラたちの話から考えるとそれは明らかだったので、特に驚きも疑問もない。
このまま自分が橋の中に入れば、ここは昨日のような異変に見舞われることだろう。
―――やはり妙だ。
こんなにも霊子がざわめいているのに、肝心の運命石があるような感覚があまりしない。
とはいえ、ここに運命石があるのは確かだと思う。
これまで二つの運命石を回収してきた感覚がそう訴えるのだ。
それは間違いない。
それなのに、胸の中には違和感がもやもやと居座っている。
この違和感が示すのは、何なのだろう。
じっとその違和感に意識を傾けていると、ふとした拍子に体がぐらりと前に傾いだ。
「おっと。」
反射的に後ろに身を引いて、橋との距離を取る。
それとは逆に橋の中へと誘い込まれるような感覚がして、昨日受けた傷がむず痒く疼いた。
治療を施してもらったとはいえ、ドリオンの毒は完全には消えていないらしい。
三日は傷口の浄化が必要だというのは、こういう理由か。
左腕を押さえながら、シュルクは橋の中の様子をじっと見つめた。
日が射し込む角度のせいなのか、十五分ほど経つと、橋に映っていた水面が消えた。
それと並行して霊子の濃度も徐々に低くなっていき、やがてその場には、自分の感覚からしても平穏だと思える空気が満ちる。
そこまで確認してから橋に入ってみると、周辺の霊子は何も異常をもたらさないまま自分を受け入れた。
どうやら、昨日のようなことが起こるのは、夜明けからせいぜい二十分程度の時間。
おそらくは、ドリオンもその時間帯じゃないと出現できないと推測できる。
「………」
シュルクは顔をしかめる。
こっちは考え事に集中したいのだが、後方にある気配が邪魔で仕方ない。
「―――出てきてくださいよ。ヒンスさん。」
くるりと後ろを向いて、投げやりに言ってやった。
昨日、あんなことがあったばかりだ。
またドリオンが現れないとも限らないので、フィオリアには何も言わずに出てきた。
今頃彼女は、久しぶりの柔らかいベッドで夢の中といったところだろう。
シュルクは日が昇るまでの間、池の周囲に立てられた銅像を一体ずつ丁寧に観察していた。
そして日が昇ると、橋には入らずに、その入り口から橙水晶が朝日を反射する風景を眺める。
昨日のような地震は起こらない。
橋に映ったオレンジ色の水面は霊子をまき散らすことなく、その場でゆらゆらと揺れているだけだ。
―――だが、自分には感じる。
目に見える異変が起こっていないだけで、銅像の周辺にはかなりの密度で霊子が漂っている。
試しに橋の中に一歩入ろうとして、すぐにやめた。
爪先を地面につけるかつけないかといったところで、霊子の動きが活発になりかけたからだ。
(やっぱり、俺らが原因か……)
ニコラたちの話から考えるとそれは明らかだったので、特に驚きも疑問もない。
このまま自分が橋の中に入れば、ここは昨日のような異変に見舞われることだろう。
―――やはり妙だ。
こんなにも霊子がざわめいているのに、肝心の運命石があるような感覚があまりしない。
とはいえ、ここに運命石があるのは確かだと思う。
これまで二つの運命石を回収してきた感覚がそう訴えるのだ。
それは間違いない。
それなのに、胸の中には違和感がもやもやと居座っている。
この違和感が示すのは、何なのだろう。
じっとその違和感に意識を傾けていると、ふとした拍子に体がぐらりと前に傾いだ。
「おっと。」
反射的に後ろに身を引いて、橋との距離を取る。
それとは逆に橋の中へと誘い込まれるような感覚がして、昨日受けた傷がむず痒く疼いた。
治療を施してもらったとはいえ、ドリオンの毒は完全には消えていないらしい。
三日は傷口の浄化が必要だというのは、こういう理由か。
左腕を押さえながら、シュルクは橋の中の様子をじっと見つめた。
日が射し込む角度のせいなのか、十五分ほど経つと、橋に映っていた水面が消えた。
それと並行して霊子の濃度も徐々に低くなっていき、やがてその場には、自分の感覚からしても平穏だと思える空気が満ちる。
そこまで確認してから橋に入ってみると、周辺の霊子は何も異常をもたらさないまま自分を受け入れた。
どうやら、昨日のようなことが起こるのは、夜明けからせいぜい二十分程度の時間。
おそらくは、ドリオンもその時間帯じゃないと出現できないと推測できる。
「………」
シュルクは顔をしかめる。
こっちは考え事に集中したいのだが、後方にある気配が邪魔で仕方ない。
「―――出てきてくださいよ。ヒンスさん。」
くるりと後ろを向いて、投げやりに言ってやった。
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