世界の十字路

時雨青葉

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第5章 血の罪

果てのない旅

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『キース君。これを、君にあげよう。』




 遠くで、懐かしい声を聞いた。


『あの時、私がナイフのつかに埋め込んでいたものさ。やっと譲ってもらえたんだ。君が持っていなさい。それだけでも、きっと役に立つから。』


 これは、石に宿った記憶…?


 遠い声がさらに遠くなり、白い奔流にまた流される。


『我が…と……に…ず…』


 今度はエリオスのものとは違う、途切れ途切れの声がする。
 脳裏の白に、十字架の影が揺れた。


『その血の……をかてと……て、…に…なす………と化せ。』


 これは、何かの呪文だ。
 なんのための呪文だろうか?


 ―――いや。


 自分はきっと、この呪文を知っている。
 遥か記憶の彼方かなたで、自分のずっとずっと深い場所がそう訴えている。


 抗いきれない、どうしようもなく懐かしい気持ち。
 それが胸を埋め尽くす中、白い奔流がまた意識をさらう。


 微かに何かが見えて、また消える。
 そうやって、長い長い旅をしている気分だった。

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