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175,顔は口以上に物語る
しおりを挟む「占い、ですか……」
正直、気が進まない。先に決められた運命、ってのが気に入らない。この、才能がないのも運命だと言う事なら、俺は運命とやらは大っ嫌いだね。
「ま、そこまで深く踏み込んだ占いはしないわよ。それにね」
シッ、と鋭いため息を吐く。
「これから命がけの戦いに赴くのでしょう? 神でも仏でも運命でも、なんでも頼れるものには頼っておくべきだと思うけどね」
「……梨沙から聞いたんですか?」
「いいえ? ただ、これだけの戦いのあとなのに、先を見据えている。そんな目だよ今の君の目は」
彼女はそして、少し緊張を緩める。
「梨沙のためにも頼むよ、ね?」
「……わかりました」
クロエさんの観察眼に免じて、占いを受けてみることにした。まあ、占いだから、確定した未来じゃないからな。
「おーけー! じゃあ、今から占いを始めるから、変わるね?」
「変わる? 何を――」
「っし! んじゃあ始めるぜ兄ちゃん」
急にクロエさんは髪をかきあげ、乱暴な言葉づかいに変わった。
「!?」
「おっと、クロエ、お前説明しなかったろ! ったく、メンドくせぇ……」
あー、だるっと呟く。な、何が起きたんだ?
「アタシはレイア。クロエの妹だ。いや、妹だったって言うべき? まあ、どっちでもいいや。一応アタシは昔死んでる。まあ、今のアタシは、ロリっ子が、クロエの中に、アタシの魂を入れてくれたから存在してる。メッチャ端折ったけど、許せ」
……どういうこと?
「ま、クロエとは別人と思ってくれや。そんじゃぼちぼちはじめていくぜー」
彼女はポケットから、ライターっていうんんだっけ? とにかく、火をつける道具と折り畳まれた紙を用意する。
「じゃ、ちょいとごめんよ」
「痛い!?」
彼女はあろうことか、俺の髪を引っ張り、数本抜きやがった! ハゲたらどうする!
「わりーわりー、占いにこいつが必要だったんだ。まあ、これを占いと呼んでいいのかは知らないケド」
鼻歌交じりに彼女は俺の髪をねじねじとねじりあげ、一本の糸のようにした。
「こいつに火をつけてーっと」
ライターをゆらゆらと揺らしながら先端に軽く火をつける。
「さあ、火輪の神よ、行く末を照らし給え!」
火をつけた俺の髪を、広げた紙の上に落とす。ああもう! ややこしいよ!
「お、おお!」
紙に落ちた髪糸の炎は、従来ならありえない走り方をして、紙の上を滑るように複雑な記号を描く。
「……マズイねこの出方は……」
ぼそりと彼女が呟く。あの、そういうの、あまり口に出さないでいただけると……
ボウッ、と突然炎の色が、赤から青へ。そして、また炎は新しい記号を描く。
「……あちゃー」
「そういうのやめてくださいよぉぉ!?」
顔が! 顔が明らかにアウトですねこれって言っちゃってるよぉぉ!
「……まあ、元気出して生きていこうぜ!」
「そんなに悪かったの俺の未来!?」
もう結果を聞きたく無くなった俺であった。
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