中途半端な俺が異世界で全部覚えました

黒田さん信者

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ハロウィンイベント「かぼちゃの馬車は何処へ?」

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「……今年、ついに来てしまったのじゃ……!」
 ソアさんが超嬉しそうにスキップしながら部屋に入ってきた。あ、ここサイフォスさんの家ね。俺は一時帰還の修行中。
「どうしたんですか師匠?」
 サイフォスさんは新薬(劇物の恐れ大。マズイ可能性極大)を煮込むのを止め、ソアさんが持っていた手紙を覗き込む。
「えーっと……背景ソア・クラナド・レイズ様。おめでとうございます、今年のハロウィンは、『かぼちゃの馬車』が当たりました。是非ご参加ください。クルルシャル・ヴィレンより。……凄いじゃないですか師匠!」
 サイフォスさんが読み上げてくれたものの、さっぱりわからん。説明してもらおう。
「……ふむ、とりあえず何から説明しようかの。じゃあ、まずはハロウィンからじゃな」
 ハロウィン。ソアさんとサイフォスさんの説明によれば、この期間はある魔獣が活発化するらしい。でもその代わり、この時期しかドロップしない素材があるのだという。
「このハロウィンの牙よ。砕いて薬に混ぜてもよし、武器の素材にしてもよし、装飾品にしてもよし、肥料にしてもよしと、最高級品の一種ね」
「はー、便利ですねぇ」
 それは確かに需要がありそうだ。
「でも、かなり凶暴だから、魔士以上しか狩りに参加できないの。でね、ここからが肝心。その魔獣の生息地があるんだけど、結構狭いの。だから、選ばれた一グループが中心地に行けて、他のグループはそのグループの狩りが終わったら参加っていう形式なの」
「へぇー。じゃあ最初の一組目が一番美味しいんですね」
「そうなの! で、その最初の一組目の乗り物が――」
「このかぼちゃの馬車というわけなのじゃ」
 うきうき顔のソアさん。あ、これはまさか――
「フェイウとリーヴァにも招集をかけるのじゃ。魔物狩りじゃ!」
 ……うーん、とってもめんどくさそうな予感がするぞ!





「……ということだ。いいか、ソアさんがあんなにうきうきしてるんだ。お前は絶対に参加だ。いいな?」
「……うえー? 面倒くさいよー」
 俺がフェイウの家のドアを叩いて事情を説明すると、露骨に嫌そうな顔になった。
 ……言うと思った。お前なら、絶対そう言うと思った。しかし、ソアさんには全てお見通しなんだぜ!
「なあフェイウ。これ、なんだと思う?」
「んー? なにってそりゃあ……ええ!? ま、まさか!」
「そう! お前が行きたがってたあの店の、焼肉食べ放題チケット十枚だ!」
「きゃー! ソアさん大好きー!」
 うおっ! フェイウが俺に突撃してきたぞ!
「ま、待て! しっかり参加したらだ! しかも、狩った数に応じて追加もあるらしいぞ」
「行く! 私、頑張る!」
 ……流石だぜソアさん。
(なに、今回人数が増える事によって得られる利益を考えればこんなの安いもんじゃ) 
 なんて声が聞こえた気がした。






「リーヴァ、行ってくれるか?」
「はい。お供させていただきます」
 俺はヴィーオを取りに一度家に戻ったので、リーヴァを召喚し、さっきと同じように、説明した。
「しかし、それほど大変な魔獣なのでしょうか?」
「さあ? 俺は話を聞いただけで――ってあれ? ソアさんじゃないか?」
 窓の外から、和服を着たソアさんが、俺の家の前に来ているのが見えた。迎えに来たのか?
「わしじゃ。グランー!」
「あー、はいはいソアさんね。なにか用事でも?」
 酒蔵から親父を呼び出し、なにか話している。なんの話だ?
「おーいリーヴァー! 来るのじゃー!」
 今度はソアさんがリーヴァを呼び出した。何だ?
「はい、なんでございましょうか?」
 リーヴァはふわりと羽のように窓から飛び降りて、ソアさんのもとへ。……あのねリーヴァ。別に窓から出ることは一向に構わないんだけどね、せめてスカートを押さえて降りてほしいな。その白いスカートから本来見えるはずのない黒色が見えたとき、俺の心臓に多大な負荷がかかるから。
「ネリアも来るのじゃ!」
「俺もですかー? はいはいっと」
 せっかくだし、俺も窓から行っておくか。
「はっ」
 リーヴァほどふんわりとは行かないものの、なかなかうまく着地できたんじゃないか?
「ふむ……四十点。帰ってきたら受け身、千回してもらおうかの」
「……げ」
 余計なことしちまったぜ……。
 若干後悔しつつ、ソアさんのもとへ。
「ご、ごしゅ、ご主人様……」
「ん? どうしたリーヴァ」
 なにやらものすごく興奮した様子で俺の袖をくいくいと引く。
「ソ、ソア様が……」
 そして震える指先で、酒蔵を指す。
「あの酒蔵の中のお酒の三分の一を私に買い与えてくださいました……!」
「……へ?」
 あの酒蔵、かなーり広いはずなんだけど。しかも、なかなかに酒の数も多いはず。それの三分の一だと……?
「うむ。リーヴァがいれば、かなりの稼ぎになろう。頼んだぞ、リーヴァ」
「お任せください! 全力でやらせていただきます!」
 細い腕で力いっぱい胸を叩く。……ぽよーんと弾かれたけどね……。
「よし、これで全員じゃな?」
「あ、師匠に声かけなくていいんですか?」
 師匠がいればさらに心強いんだけど。
「今回は大丈夫じゃ。さあ、行くぞい」




「この招待状が『かぼちゃの馬車』になるのじゃ」
 ソアさんが招待状を無造作に裏庭に投げた。すると――
「おおお……」
 あっという間に、まさにザ・かぼちゃっていう感じの馬車が出てきた。
「よし、準備は良いな?」
 今にも待ちきれない、といったソアさんの表情。しかし、装備はガチだ。
「経験値としても旨いからな、各自百は倒すのじゃぞ」
「お任せください! 全力でやらせていただきます!」
「焼肉焼肉!」
「これであの薬が作れる……!」
 ……欲にまみれているなぁ。
 俺としては強くなれるチャンスをみすみす逃すつもりもないから、まあ、頑張るけどね。
「相棒、俺は新しい砥石が欲しいぞ」
 ……お前も物欲にまみれているのか……。
「私もはとりあえずこれをさっさと終わらせて、『本当のハロウィン』をしたいんですけどね」
 ぶつくさ言いながらもついてくるナナカ。
「本当のハロウィン? これがハロウィンなんじゃないのか?」
「いいえ? 本当はこんなものじゃないんですよ。まあ、帰ってきたら説明しますね。……むふふ、ご主人のコス、何にしましょう……」
 ……なんか少し背筋がヒヤッとしたけど、気のせいだよな?
「よし、行くぞ! 移動は数分じゃ。各自馬車の中でしっかり戦闘準備じゃぞ」





「……うわぁー、すごく広い……」
 馬車に入るとそこは、一つの家みたいな場所だった。こんな広いの? てっきりみんなでギュウギュウ詰めだと思ったんだけど……
「いい拡張術式ね。これなら快適だわ」
 サイフォスさんも嬉しそうに備え付けてあったソファーに座る。
「しかし、なんかおかしな空間だな。コウモリとか、かぼちゃが飾り付けられてる」
 そう、謎の飾り付けがあちこちにあるのだ。テーブルの上には、美味しそうなかぼちゃパイが。
「それはまあ、ハロウィンはもともとこういうイベントですからね。あ、このかぼちゃパイ美味しいですよご主人」
「そうなのか? どれ、一つもらうか。……うまいなこれ」
 ほんのりとシナモンの香り。そこまで甘くない、かぼちゃ本来の甘みが美味しいパイだ。サクサクとした食感もまたグッド。
「ですよねー。もう一つ食べちゃいましょーっと」
 バクバクと美味しそうに頬張り、幸せそうな顔をする。
「食いすぎじゃ。わしのぶんも残しておけ。……じゃない、もうすぐ到着じゃ。言い忘れておったが、それなりに強いからの。ヤバそうならこれを飲むのじゃ」
 各員に三本ずつなにかを手渡す。
「サイフォスお手製ハロウィンドリンクじゃ。魔力回復はもちろん、魔法威力上昇、回復、解毒、解呪と何でもありじゃ。まあ、味は…………我慢じゃ!」
「言い切っちゃったよ!」
 フェイウはサイフォスさんのポーションのまずさを知らないからか、キョトンとした顔をしている。対して飲んだことのある他のみんなは苦い顔をする。で、その中にサイフォスさんも混ざっているのはなんでなのかな?
「おっと、到着じゃ。牙はどろっぷするのでな、ナナカ、拾うのを頼むぞ。それに、フェイウ、お主は火具土様からもらったアレがあるじゃろ? いいか? ぜーったいにフルパワーの雷撃は、わしが合図したとき以外は禁止じゃからな?」
 ……正月の悪夢が蘇る。
「では……行くぞ!」
 俺たちはソアさんの合図と共に、一斉に馬車を飛び出た。
「……あれが今回の特別な魔獣、『ハロウィンウィザード』と、『ハロウィンメイジ』、『ハロウィンナイト』じゃ。そして取り巻きが今回の目玉、『パンプキンポーン』じゃ。ウィザードとメイジは、倒しきらなくて良い。牙をどろっぷせぬのでな。で、ネリア。お主は、ナイトの相手じゃ。剣対剣じゃから、勉強してこい! あ、しっかり倒すのじゃぞ?」
「ういっす!」
「よし。では……始め!」






 薄暗い森のような場所。そこでは次々と戦闘音が鳴り響く。
「チェック! ボム!」
 ソアさんの、爆裂魔法が、薄暗い森の中を本の一瞬だけ照らす。魔力消費効率が一番いい爆裂魔法、さすがソアさんだ。
「アクアトークンマギウォーターヴァージョン!」
 サイフォスさんが数日かけて仕込んでいた、特性のアクアトークン。なんでも、水に高濃度の魔力を溶かしておいて、普通のアクアトークンの三倍強いのだとか。
「からの水連弾!」
 やや湿った土から水を吸い上げ、それを加速して飛ばす。うーん、ソアさんといい、サイフォスさんといい、二人共魔力を極力消費しない戦い方だなぁ。ガチだ。
「はっ!」
 リーヴァは雑魚であるパンプキンポーンを素手で屠っている。もうね、ちぎっては投げ、ちぎっては投げって感じで。勢いが凄いんだよ。
「とりゃー!」
 で、この声は、威力調節ができないヒロインの声。どうやら、闇火具土を使って殴っているみたいだけど……俺の知らない炎で、敵を焼いているな。遠くてよく見えん。
「ご主人! 一旦馬車に牙置いてきますね!」
 ナナカは妖精姿であちこち飛び回り、ドロップアイテムの収集中。見るに、なかなかいいペースなんじゃないか? で、俺はというと――
「リースト流! 針撃!」
「ググゥ!?」
 絶賛ハロウィンナイトと交戦中だ。
「せいっ!」
 ハロウィンナイトは、そこそこパワーは強いものの、剣の軌道は単純で、簡単に避けられる。
「ヴィーオ! 炎!」
「応よ! ヘルファイア!」
 ときおりワラワラと集まってくるパンプキンポーンを炎で一掃する。なかなか安定してるんじゃないか?
「うっし! リースト流双牙!」
 俺の戦い方は、あまり魔力を消耗しないので、ガンガン技を使っていく。本来なら、学習されてしまうため、乱発は避けているのだが、まあ、そこまでの知能は無いようなので、気にせず使っていく。
「ネリア! わしの周りは狩り尽くした。そっちは?」
「俺は特に問題なしです。あと十数体です」
 メイジが一体いるものの、まあ、大丈夫だろう。
「よし、サイフォスはどうじゃ?」
「問題なくー。アクアトークンの調律中です」
「私も終わりました。あの、牙を集めておいたほうがよろしいでしょうか?」
「うむ、そうしてくれると助かる。いやー、今回はなかなかに良い戦果じゃ」
 ホクホク顔のソアさんが俺の元へ来る。
「あとは、この土地の長、ヴァンパイアを倒せば終了じゃ。なに、ヴァンパイアと言っても、低級から中級じゃ。運が悪くとも上級。数回殺す程度で消える――」
 バッ! とソアさんがなにかに気がついたように急に顔を上げ、空を見る。
「……月が赤い?」
 俺も空を見上げ、月が赤いことに気がついた。
「……マズイぞ。総員、わしのもとへ集まるのじゃ! 今回は、エルダリー級が来るぞ!」
「……エルダリー級!? ツイてないじゃないですか!」
 慌ててサイフォスさんも合流する。
「ご主人様、火具土の装着をお願いいたします。これは、かなり――」
「……人間共。ハッピーハロウィーン!」
 ふと背後で何者かの声が響いた。しかし、その声は――
「フェイウ!? お前、まさか――」
「そう、そのまさかよ! 我はグレイリー・ロード! 肉体はとうに朽ちたが、思念体として、この娘の体を借りさせてもらったわ!」
 くははは、と高笑い。フェイウの瞳は今や真紅に染まり、別人のようだ。
「……思念体、つまりはゴーストか」
「そうだ。我は元の力を封印された。しかし、今でも十分強い。見ろ! この娘の力を!」
 手を上げ、遠くの山に大きな雷を落とした。
「少しの力を出そうとするだけでこの威力。ククク、たまらん! たまらんではないか! さあ、人間共よ我が一匹一匹なぶり殺してやろう」
「……なんてこと……」
 サイフォスさんが真っ青な顔で口元を押さえる。
「ご主人様、お逃げください。私ではとても守りきれません……」
 切羽詰まった声でリーヴァは俺に逃げろ、と言う。
「ご主人……死ぬときは一緒に……」
 達観したのか、諦めの表情で俺の近くに飛んできた。
「……三十秒わしに詠唱する時間があれば、こやつを倒せるのじゃが……無念じゃ」
 ソアさんは魔導書を取り出し、絶望の表情を浮かべながらも、死ぬ気で戦うつもりだ。
「……ソアさん、その言葉信じていいんですね? というより、今から詠唱お願いします」
「今から? それじゃあ避けられてしまうではないか!」
「いえ、大丈夫です。だって――」
 そう、俺は気がついていたのだ。絶望的な状況の中、俺だけが気がついている――!

「だって、アイツ今魔力切れで、動けないんで」

「「「「へ?」」」」
 みんな、間抜けな声を上げる。
「……ククク、よく気がついたな。そう、我は今、魔力切れなのである! この娘、加減を知らんのか!? デモンストレーションのつもりで軽く撃ったのに、あれだけあった魔力がすっからかんだ!」
 ……ね?
「……祓い給え清め給え、不浄に取り憑かれた者に光を、陰の気を弾き給え。封印、そのものの名は『グレイリー・ロード』」
 ソアさんが淡々と封印の詠唱をする。
「ずっ、ずるいぞ! ま、待て! いいのか? 決着がこんなので――」

「お主が阿呆で良かったわい! 封印!」

「ぐわーっ!」
 途端にフェイウの体から黒いモヤが出てきて、ソアさんが持っていた本に吸い込まれていった。
「……………なんじゃろうな、この結末は」
 なんかもやもやする、といった顔だ。
「……んん……あれ? みんなどうしたの? っていうか、体動かない……」
 フェイウが意識を取り戻した。そして、魔力切れの弊害を受けている。
「……フェイウちゃん、ありがとう」
「フェイウさん! ありがとうございます!」
「フェイウ様、素晴らしいです!」
「フェイウ! 最高だぜお前は!」
「フェイウ! わしは少しもやっとしてはおるが、命の恩人じゃ! ありがとう!」
 俺たちは口々にフェイウに感謝の言葉を伝える。
「……ん? 状況がよくわからないんだけど」
「まあ、そんなことはどうでもいいじゃんか! 生きてるんだぜ俺たち!」
 俺は生の喜びを噛みしめる。
「「「「「力加減馬鹿にバンザーイ!」」」」」
「絶対それ褒めて無いよねー!?」







「な、なるほど、うーん……それは確かに私のおかげだね!」
 帰り道。馬車の中でフェイウに説明をし、俺達は牙を数える。
「ううむ、予想よりも質がいいのじゃ。これなら高く売れるぞ」
 頭の中でそろばんを弾き始めたソアさん。
「さて、予想外のトラブルがあったものの、よく頑張ってくれた。ナナカにはまだ何も渡していなかったな。これでもやろう」
 ソアさんがあるものを、胸元の魔法陣から取り出した。
「こ、これは! アニメ『あの街』の初回限定生産版! しかもサイン入り!?」
 興奮でソファーの上でキャー! と飛び跳ねまくるナナカ。
「手に入れるのに苦労したのじゃ……。そして、ネリア」
「あ、はい」
 そういえば、俺なにももらってなかったしな。いいものくれるのかな?
「わしとしては、なにかいいものをあげようと思ったのじゃが、残念ながら間に合わなくてな。そこでじゃ」
 ボン! と姿がいつものロリ姿から、俺の超好みのお姉さん姿に変わった。

「お姉さんからのプレゼントじゃ。受け取るが良い」

 チュッ。……ソアさんは俺に舌を絡ませる濃厚なキスを繰り出した。
「むーっ!?」
 これで俺の思考は真っ白に。何も考えられない。口の中には、バニラのようなとろけるような甘さと、ミントを食べた後のような軽い刺激――
「なっ!」
「ちょっ ソアさん!?」
「まあ」
「ソア様! ご主人になんてことを!」
「……くふっ、万の黄金に匹敵する褒美であろう? お菓子をくれなきゃいたずらするぞ? それではヌルい。いたずらは、な――」
 こうでなくてはな、と妖艶に笑った。

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