中途半端な俺が異世界で全部覚えました

黒田さん信者

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正月ネタ(後編)

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「到着です! ここが狩場、『餅屋』です!」
 俺達が転移したところは、奇妙な山と、オブジェが無数に存在する世界だった。
「新年しかあくせすできないこの異世界、どうやら誰もいないようじゃな」
 ソアさんが満足気に笑っている。
「なあナナカ、この不思議な形の山の上にあるオブジェってなんなんだ?」
 異世界の歩き方である魔書、ナナカに聞いてみる。
「これはですね、臼山と杵です」
「杵?」
 聞いたこともない単語だな。
「ここから『モチ』は生まれてくるんです。あ、ほら!」
 ナナカがある臼山を指差す。
 ぺたん、ぺたん。臼山の上にある杵が動き、凹んでいる部分に置いてあった白い物体を叩く。
「モチー!」 
 とそのとき、臼山の頂上から何かが発射された。
「なんだなんだ?」
 そいつはぺたーん! と俺達の前に落ちてきた。
「ご主人! これがモチです!」
 …………え? こいつ?
 俺の眼の前にいるのは、白いスライムのようなモチ。な、なかなか可愛い顔をしているじゃないか……。
「そい」
「モチッ!?」
 俺がモチを観察していると、急に横からソアさんのパンチがモチに!
「なんてことをぉぉぉぉぉ!?」
 こんなに可愛いモチを殴り倒すなんて!
 吹っ飛んでいったモチはどろりと溶け、消えていった。代わりに残ったのは、小さな四角くて白い物体。
「あー、残念。餅しかドロップしませんでしたねソア様」
 サイフォスさんが冷静に、ドロップアイテムの解析を始める。
「ご主人ご主人、モチは確かに可愛いですが、放っておくと、どんどん固くなって、倒しづらくなりますよ? それに、コイツはとても凶暴なのです。毎年、お年寄りの死人も多いのです」
「マジかよモチこえぇ!」
 モ、モチをナメてましたわ! こら狩らないといかん!
「あ、あのーソアさん?」 
 フェイウが恐る恐るという感じで手を挙げた。
「ん? なんじゃ、言ってみぃ」
「…………私の後ろ、もう大量にモチが湧いてるんだけど」
 うぞうぞもちもち。……超大量のモチが、フェイウの後ろに確かに見える。
「なんじゃと!? 早く狩らねば! 行くぞ!」
「う、うっす!」
 ソアさんが血相を変え、魔法陣を展開する。
「各自、固くなっていそうなモチから叩くのじゃ! 魔法は有効じゃが、何分数が多い! 温存して戦うように!」
「了解!」
 サイフォスさんは十八番おはこのウェーブランスではなく、複数個の水の塊を生成する。
水の魔人形!アクアトークン!
 その水の塊から、弾のように水が発射される。
「そして、水の魔弾!」
 水の魔人形から発射された水の魔弾は、次々とモチに当たっていく。当たったモチは、ドロドロと溶けていき、アイテムを残して消滅する。
「ほう、やるなサイフォスよ」
 ソアさんは、手足に鉤爪を生やし、次々にモチを葬っていた。その手際さるや、もうお見事!
「では、私も」
 静かにリーヴァは背中から羽を展開する。
鎌鼬かまいたち!」
 急飛翔し、翼を高速で羽ばたかせるリーヴァ。すると、近くにいたモチが次々と切り裂かれていく!
「ほう、鎌鼬とはな。さすがSランク魔獣じゃ」
 ソアさんも感嘆の声を漏らす。いやほんとなんで俺の使い魔になってくれたのリーヴァさん?
「私はその、みんなを巻き添えにしちゃうから参戦できないけど、その代わりにドロップアイテム収集は任せて!」
 フェイウは自分の範囲攻撃で、俺たちを巻き込まないようにとあえて戦わないつもりらしい。
「よし、じゃあ俺も! 行くぜヴィーオ!」
「応っ!」
 ボッ。ヴィーオを鞘から引き抜くと、俺の周りの温度が急激に上がった。
「せやっ!」
 一気に襲いかかってくるモチたちにむけてヴィーオの火炎放射!
「モチー!」
 プスプスとモチは焦げ、なぜかあたりに美味しそうな匂いが漂い始めた。
「むっ! 腹が減ってきよった!」
 只今奮闘中のソアさんが、じゅるりとよだれを拭った。
「仕方ない、どろっぷあいてむの餅でも食べるか」
 と、戦いながらソアさんは近くに落ちていたドロップアイテムの餅を口に入れる。
「ふむ、なかなか悪くな――――ぐっ…………!?」
 餅を咀嚼していたソアさんが急に青い顔をして苦しみだした! ま、まさか毒か!?
「ソア様! 大丈夫ですか!?」
 ソアさんの様子がおかしいことに気がついたナナカが慌ててソアさんのもとへ行った。
「………も、餅が…………喉に……詰まっ…………」 
 ガクリ。ソアさんの首が力なく横に傾いた! そして泡を吹いて気絶した! やばいよ!
「ソア様ー!? お年寄りはよく噛んで餅を食べないと! 飲み込む力が弱くなっているんですから! あああ、急いで餅を取らなきゃです!」
 妖精サイズに戻り、慌てて喉の奥から餅を取り出したナナカ。ふぅ。なんとか危機は脱したようだ。
「…………てかソアさんが離脱した穴やばくね!?」
 なんか急にドバっと俺のほうにモチが流れてきたんだが!
「私もやばいかもー!」
 ぎゃー! サイフォスさんのとこにも大量のモチが!
「モチー」
 しかも段々固くなってきてない!?
「フェ、フェイウ! モチが処理しきれなくなった! ドでかい一撃を頼む!」
 もうこうなったらフェイウを頼るしか無い!
「んー? どうしたの…………ってえええええぇぇぇ!? ソアさんが倒れてる!?」
 のんびりドロップアイテムを拾っていたフェイウが戦場を見て目をむいた。
「説明はあとだ! いいからお前の一撃で、このモチたちを一掃してくれ!」
「わ、わかった!」
 慌てて拾っていた餅を地面に置き、両手を高く上げる。
「フルチャージ! 行くよッ! 天雷ッ!」


 フェイウが叫ぶと、モチたちの頭上に急に雲が発生した。そして、発生した雲から、モチたちに向かって特大の雷が落ちた!
「モ、モチィ…………」
 ズドーン! 大地が揺れた。

 バチバチと未だスパークがやまない爆心地では、真っ黒焦げなモチがボロボロと崩れていく。
 や、やった! モチを壊滅状態に――――ってあれ?
 モチの他に、爆心地に倒れている人の影が。ま、まさか――
「う、うぅ、や、やられてしまいましたご主人様、も、申し訳ありませ…………がくっ」
 すすだらけになり、羽も薄汚れてしまった人物。間違いない……
「……………リーヴァァァァァァ!? ちょっとぉぉぉぉぉぉ! 何してくれちゃってんの!?」
 リーヴァにも命中してるじゃん! だめじゃん! 逆に戦力減っちゃったよ!?
「ご、ごめんリーヴァさん…………がくっ」
「お前も倒れるんかい!?」
 今の一撃に全てをつぎこんだからか知らんが、満足そうな顔でコイツ気絶しやがった!
「リ、リーヴァちゃん!? フェイウちゃん!?」
 遠くにいたサイフォスさんにはなんとか被害がなかったみたいだが、リーヴァがヘイトを稼いでくれていたモチがさらに俺とサイフォスさんのとこに!
「こ、これ以上は無理だって!」
 どんどんモチも固くなってるし!
「仕方ない! マナ開放! 迦具土!」
 奥の手である、迦具土を開放!
 炎風が吹き荒れ、俺の腕に炎が収束していく!
「おいおいネリア、そんなに力を使っちまって、持つのかよ!?」
 迦具土召喚により、刀身が伸びたヴィーオが困惑の声をあげた。
「ハッキリ言って持たない! でも、やらなきゃ死んじまう!」
 パワーアップした俺は、前方にパンチを繰り出す。
「はっ!」
 これだけでもかなりの数が減るからな!
「サイフォスさん! 撤退しよう! このままだと全滅だ!」
「そうね! 私も魔力がギリギリ…………って、嘘!?」
 サイフォスさんがいきなり驚愕の声をあげる。
「か、カガミモチ…………Sランクモンスター」
 なんと、モチが合体して巨大な三段のモチになった!
「Sランク!? やばいですよ! 逃げましょう!」
 ナナカがソアさんを抱え、遠くに避難を始めた。
「ご主人! ゲートを開くまで、五分間、なんとか耐えてください! ここからだと、元の世界にアクセスしづらいんです!」
「ご、五分!? いや、無理だって!」
 Sランク相手に五分は無理!
「ネリアくん! 私に任せて!」
 そう言ってサイフォスさんは杖を構え直す。
「水分身!」
 どろりと複数体展開していた水の魔人形が溶け、徐々に姿かたちを変えていく。
「ぶ、分身した!?」
 あっという間に水の魔人形は、サイフォスさんへと姿を変えた。
「さあ」
「一体」
「ホンモノは」
「どれでしょう?」
 サイフォスさんたちが次々に話し出す。す、すげぇ! 見分けがつかない!
「ネリアくん! 今から大技使うから、離れてて!」
「は、はい!」
 サイフォスさんたちが俺では到底組み立てられないような高度な魔法陣を形成していく。
「倒せないかもしれないけど、これが今の私の全力!」
「五分! 五分稼げばいいの!」
「初めて使う技だけど、今ならできる!」
「喰らえーっ!」
「「「「永久水牢!フォーエヴァーウォーターロック!」」」」
 ドバドバと大量の水が複数の魔法陣から放出され、カガミモチに纏わりついていく。
「モ、モチィ?」
 カガミモチは驚きの声をあげ、脱出を試みるも――
「無駄よ! ロック!」
 とぷん。やがて水は球体になり、カガミモチを完全に封じ込んだ。
「よし! これで時間が稼げる!」
「やった! 帰れる!」
「だいたいソア様が一番最初に倒れるなんてどういうことよ!」
「そもそも来たくなかったのにぃー」
 ……分身さんたち、心の声ダダ漏れですよサイフォスさん。
「モ、モ、モチィィ!!」
 カガミモチが急に暴れだした!?
「無駄よ!」
「あがいたって出れないわ! ざまー!」
「アナタの大きさが仇となったわね! ざまー!」
「ふっふーん! ざまー!」
 ……だから分身がやべぇって! 心の声ダダ漏れだって!
「…………モチッ!」
 スパァン! いきなりカガミモチが弾けた。
「なっ!?」
 サイフォスさんたちは驚き、術をかけるてを緩めてしまう。
「あ、危ない!」 
「!?」
 ボスッ! モチがサイフォスさんのうちの一人に体当たりを敢行してきた。そして倒れたサイフォスさんはドロリと水に戻った。
「な、なんで!? 周辺にモチはいなかったのに! ……まさか!」
 残ったサイフォスさんたちは水牢を見る。
「モチ!」
「モチー!」
「モチッ!」
 なんとカガミモチは分裂し、そのうちの数体かを水牢の外にはじき出していた!
「マズいわ! 今、動けない!」
「ッ! 俺が行きます!」
 急いでヴィーオを振るう。これは賭けだ! まだ六の技も習得していないけど、でもやらなきゃ!
「リースト流第十一の技! 不可思の一瞥いちべつ十戎じゅっかい』!」
 見よう見まね! 師匠のリースト流最後の技! 斬撃飛ばし!
 俺の放った十戒は不安定ながらも、サイフォスさんに近づくモチに飛んでいく。
「いけぇぇぇぇぇ!」
 頼む! このまま!
 斬! 十戎は危なっかしくモチに当たった。どうだ――?
「……モチー!」
 サイフォスさんの近くにいたモチは、見事に真っ二つ! ドロップアイテムを落とし消えた。
 よしっ! 見よう見まねだが、やったぜ!
「ありがとネリアくん!」
「いえ! お怪我がなくて、よかっ……危ない! 逃げて!」
「……え?」
 サイフォスさんが疑問の声をあげ、後ろを振り返る。そこには――
「モチー!」
 ……永久水牢を破ったカガミモチがいた。
「きゃっ!」
 カガミモチは目にも留まらぬスピードでサイフォスさんたちを薙ぎ払う。
「そ、そんな……」
「水牢が破られるなんて……」
「まだまだ未熟ってことね……」
 サイフォスさん全員は気を失い、どろりと残った二体の水の魔人形も溶けてしまった。
「……おいおい、冗談だろ?」
 みんな全滅。残るは俺一人。
「ご主人! アクセス完了まで残り……二分!」
 ……二分? もう、無理だろ……
 諦めかけていた。サイフォスさんが叶わないなら、俺には到底――
「ご主人! 諦めるんですか!? 私は諦めません!」
 ナナカの声が聞こえる。見ると必死にゲートを構築しようとしている。一分一秒でも早くつなげようと必死なのがわかる。
「……そうだよな、諦めてたまるかよ」
 何弱気になってたんだよ俺。後二分だろ? 百二十秒だもんな。
「うしっ! やってやんぜ!」
「その調子だ相棒! 俺も全力で行くぜ!」
 折れそうだった心を繋ぎ止める。
「ご主人! 近くにレアドロップの『福袋』が落ちてます! 開けてみてください!」
 福袋? 福袋って確か――
(福袋には超強力なアイテムや武器が入ってるみたい)
 サイフォスさんのセリフが思い出される。
「そうだ! なにかあるかも!」
 福袋のもとに駆け寄り、急いで開ける。
「えっとこれは――」
 がさがさと漁っていると、とあるものが出てきた。
「こ、これは……?」
「あ、相棒。これ、激レアアイテムの『フルエンチャントシール』だ!」
 フルエンチャント!?
「状況を変えるにはこれしかねぇ! 手の甲にそのシールを貼るんだ!」
「手の甲に?」
「ああ! 急げ! カガミモチが迫って来てやがる!」
「げっ! わかった!」
 ぴとっ。手の甲に金色のフルエンチャントシールを貼った。
「……効果なし?」
 なにも変わらないぞ?
「んなはずはねぇ! 直ぐ効くはず――マズいっ!」
「ぐふっ!?」
 カガミモチのタックル。サイフォスさんが喰らったのよりも、速い! でも――
「あんまり痛くない?」
 そう、痛くないのだ。それに、ふっとばされていない。
「モチッ!?」
 困惑の声をあげるカガミモチ。
「なんだ、もう効いてるじゃねぇか。ネリア、コイツをぶっ飛ばしちまえ!」
「まじか……」
 強くなったって実感は無いが、効いてるらしい。
「じゃ、行きますか! ハアッ!」
 ヴィーオを大きく振りかぶる。
「軽っ!?」
 木刀よりも軽いぞ!?
「フルエンチャントシールすげー!」
 俺はヴィーオをまるで木刀を振るうかのような軽い動作で振っていく。
「モ、モチィ……」
 カガミモチは少しずつ切り刻まれ、小さくなっていく。
「ご主人! ゲートの準備が出来ました! 皆さんを連れて帰りましょう!」
「おう! わかった!」
 カガミモチへの攻撃を中断し、全員を回収に行く。
「うおー! みんなが軽いー!」
 まあ、もともとみんな軽いんだけどね!
「っし! 回収完了! 帰るぞ!」
「はいっ! 転送!」







「…………帰ってきましたー!」
「ほんとだ帰ってきたぞー!」
 気がつくとここはサイフォスさんの家の前だった。
「……んん、いたたた……」
 あっ! サイフォスさんが目を覚ました!
「大丈夫ですか!? どこかお怪我は?」
 俺はポーション(サイフォスさん作)を取り出し、サイフォスさんに渡す。
「う、うん。ありがとう、大きな怪我は無いかな。でも、一応飲んどくね。……マズいッ!?」
 サイフォスさんは自分の作ったポーションの味に悶絶していた。マズいですよねそれ。
「……ね、りあ……?」
「お、フェイウも目を覚ましたか。この戦犯め」
「ご、ごめん」
「……ったく、次からは気をつけろよ?」
「はーい……」
 すっかりしおらしくなったフェイウはさておき、あとは――
「んー、寒いのぉ……あれ? モチはどうしたのじゃ?」
 ……餅を喉につまらせた大魔導師様のお目覚めです。
「あっ! わし、モチの毒にやられて……」
「いや、餅つまらせただけですけどね」
 さすがにツッコまざるをえない。
「ん、むぅぅ……ご主人様?」
「おし、リーヴァも目覚めた! ポーション飲んどきな」
「はい、頂きます…………マズいですぅ………」
 二人目のサイフォスポーションの犠牲者の出来上がりっと。

 俺は事の顛末をみんなに話した。
「なぬ!? フルエンチャントシールじゃと!? なんてもんが入っておるんじゃ! ええい、あの時モチの毒にやられていなければ……」
「まだ言いますか!? ……はぁ、とにかく、疲れました! 新年早々大変でした!」
 もう懲り懲りだぜ……。
「あっ! 見て! 初日の出!」
 フェイウが大声をあげた。
「おー、もうこんな時間か」
 なんやかんやで結構たってんのね。
「じゃー、今日は私の家でこのドロップアイテムである餅で、餅パーティといきますか!」
 サイフォスさんが、ごっそりと餅を取り出す。
「…………もう餅はこりごりだー!」
 俺の虚しい咆哮が、森中に響き渡った。






 感想 超大変でした。
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