最弱騎士だけど、最強の王女の騎士に選ばれました

黒田さん信者

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「……なるほど、大体わかった」
 また三十分ほど設計図とにらめっこし、そしてスッキリした顔で設計図から目を離した。目が疲れたのか、少しして指で目頭を揉む。

「この機構が原因か」
 ルベルが目を付けたのは、弾丸の雷管を叩くハンマーの部分だった。


 弾丸には、中に込められた火薬を起爆させるための『スイッチ』がある。雷管と呼ばれるもので、そこを叩くと起爆し、その衝撃で鉄の弾を押し出す。

「暴発しないように寝かせてあったハンマーのロックをトリガーで解除し、一度別方向にハンマーを起こしてから叩くのか。だからあの『捻り』が必要だったのか」
 ルベルはあのスカーレットの捻りの意味を理解し、それを踏まえて頭の中でイメージを組みなおす。

「そうか、あの捻りはスカーレットのクセではなくて、ハンマーを起こしていたのか。うん、合点が行った」
 嬉しそうにルベルはベッドから飛び降りた。

「そうと決まれば、早速実践しねぇとな」
 ルベルはクリーヴァを抱え、部屋から出た。







「むぅ、ルベルのばかっ」
 場所は変わり、ここは第七王女、スカーレットの執務室。ここでスカーレットはぶつくさと文句を言いながら目の前の書類を片づけていた。

「もう少し寂しがっても良いではないか!」
 バシーン! と判子を書類に叩きつける。そして大量に積まれた書類の山の頂上から一枚を取り、目を通してまた叩きつけるように判子を押す。

「……姫様、もう少し落ち着いて業務をなさってください」
 スカーレットのために紅茶を入れて運んできたラミベルがため息交じりにスカーレットをいさめる。

「あははー、姫様激おこー」
 書類の整理をしていたマリベルがのんきに感想を言う。

「ああそうだともおこだおこ! まったく、ルベルは鈍すぎる!」
 怒りに任せて普段の三倍のスピードで書類仕事を片づけていく。本当に内容を読んでいるかは怪しいところであるが、正直あまり目を通さないことを理解しているラミベルが後は判子を押すだけのものだけを積み上げていた。どうしても判断が必要なものは別の山にまとめ、『しっかりと読むように』と念を押して別途処理させている。

「もう許さん! こうなれば仕事を早く終わらせて、午後の時間をルベルと過ごすのだ!」
 シュババババと次々に仕事をこなしていく。みるみるうちに書類の山は小さくなっていく。ここ数日、ルベルのことにかまけすぎていて溜まっていた書類であったが、その遅れを取り戻す勢いだ。

(……これからは月一程度でルベル様にスカーレット姫様を怒らしてもらおうかしら)
 紅茶を入れ終わり、スカーレットの仕事ぶりを見て、ラミベルはそう考えた。
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