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しおりを挟む「よし、やるぞやるぞ」
部屋から出て演習場に到着したルベルは肩をぶんぶん回し、温める。もちろんストレッチも忘れない。
「まあ、まずは弾を取り出すか」
ストレッチを終え、ルベルはまずガシャッとシリンダーから弾を取り出し、ポケットにしまう。
「暴発が怖いからな」
いつもは演習弾(火薬だけ詰められた空砲)が入っていて、暴発しても問題なかったのだが、ルベルは今日『ホンモノ』の重さを体感するためにあえて実弾を入れていた。なので、一度実弾を取り出し、再び演習弾を詰め込む。
「うし、少し軽い気がするけどまずは練習だ」
ハンマーを起こす感覚。それを掴むためにもう一度ルベルはクリーヴァを振る。
「ふっ!」
剣との対話を終えたルベルの剣筋は、昨日や一昨日と比べると洗練され、より実践向きなものへと変化を遂げていた。
「悪くねぇ。正直まだ慣れないが、クリーヴァに合った振り方はこれだ」
クリーヴァの剣としての性能を持てあますことなく振りぬくことができ、悪くないと言いながらも嬉しそうだ。
「次は銃として、だな」
セーフティを外し、トリガーを引く。これでロックが解除され、クリーヴァは剣と銃をあわせ持つ武器と化した。
「行くぞ……!」
先ほどの軽く振る感じでは無く、しっかり腰だめに構え、意識をクリーヴァにのみ集中させる。
「はっ!」
渾身の一振り。捻りも加え、ルベル自身もほれぼれするような一振りであった。だが――
「……ハンマーが起きた感じがしねぇ……」
一番大事な部分であるハンマーが起きた感触が感じられなかった。
「おっかしいなぁ……」
自室で、セーフティを外しクリーヴァを傾けてハンマーを起こしてみたのだが、その時に感じた『カチン』というハンマーが起き、定位置に着いた時の音と感触が今回感じることができなかった。
「まあ、これから修正していけばいいか」
あの感触は、結構わかりやすかったので、感じそびれたことはないだろうともう一度集中して振る。
「シッ!」
ヒュッ! と風を切るいい音がした。しかし、ハンマーが起きた音と感触はしなかった。
「……あれぇ?」
これから一時間、ルベルは起きないハンマーと格闘し続けた。
「んなバカな……」
一時間格闘し、ルベルは一度もハンマーを起こすことができなかった。ハンマーが起きないと、雷管を叩くことができず、弾は発射されない。
「何がいけないんだ……?」
もう何度目かわからないセリフを呟き、首をひねる。
「部屋で起こした時と何が違うんだ……?」
こういう時は、再現性であるとルベルは思い出し、その時の状況を思い出す。そもそも再現性とは、成功したときの状況に限りなく近い状況を再現し、成功率を引き上げるものである。
「まず、セーフティを外すだろ? んで、トリガーを引く。そして傾ける……あれ? ハンマー寝たままじゃね?」
ほぼ同じ再現をしてもやはりハンマーは起きなかった。つまり……
「故障か、何かを再現できていないってことだよな。ううむ……」
もう一度思い出す。今度はより鮮明に。
「……」
目を瞑り、眉間に皺を寄せる。
「……工程はまんまそのまま。傾けた角度も同じ。湿度、気温も多分ほぼ変わらず。長さ……は、そもそも変わることないし、重さも…………あ」
ルベルはカッ! と目を見開いた。
「重さ違うじゃん!」
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