狂気醜行

春血暫

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狂気醜行

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 さて、と文弘は優に言う。
「閑話休題」
「何?」
「佐々塚優さん。あんたの犯行の動機はわかった。手口も」
「そう」
「動機は俺だ。俺がこの街で起こした事件を思い出させるため。後は食事だろ? あんたは人なのに人しか食べられない。それ以外を口から、というのができない」
「うん」
「手口は俺が殺ったときと同じ。ただ、力が強いあんたには道具なんて要らなかった。逆に殺りづらかったはず。だって、道具がすぐに壊れてしまうのだから」
「うん。じゃあ、どうして僕は川中さんと同じ手口で殺したの?」
「それをすれば俺が思い出すと思ったからだろ?」
「ふはは。半分正解」
「半分は?」
「川中さんの気持ちを知りたかったんだ。これを使って殺る気持ち。誰かの目の前で人を殺す気持ち。そういうのって実際にやらないとわからないじゃないか」
「…………」
「僕はね、君が思う以上に君のことが好きなんだ。この君に対する思いも、時を戻す度に強くなる」
「怖いよ」
「川中さんに言われたくないって。君は僕のストーカーだったじゃん」
「確かに。あんたに関することはノートに綺麗にまとめていた。だから、最後にあんたとのセックスの記憶も思い出したんだがな」
「思い出したんだ。てか、忘れていたって酷くない?」
「これに関しては俺は思い出したくなかったな」
「何言ってるの。僕じゃないから不満だったでしょ」
「うるさい」
「僕は不満だったよ。やはり、文弘じゃないと」
「呼び捨てすな。今はそんな風に呼び合う仲ではないだろ」
「そういう仲になれば良い」
「ならない」
「……瀧代のことが好きなの? 教え子なのに」
「うるさい」
「当たりか。えー、瀧代に負けるって何。さすがに何か嫌だ」
「うるさいってば、もう」
「……良いよ。付き合っても。どうせ君は僕のところに戻ってくるけど」
「そんなことはない」
「あるよ」
 絶対にね、と優はニヤッと笑った。
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