48 / 96
第2章
1990年Again
しおりを挟む
再び1990年にタイムスリップした…
これは悪夢なのか?
はぁ~…また徳を積む日々を過ごすのかよ…
「あの…山本くん、宿題やってきた?」
「…宿題?…またかよ」
さっき、この時代に戻ってきたばかりなのに、宿題なんてやってるワケがない。
て言うか、何の授業だよ…
また、ビンタ食らうのかよ…
「ほら、これ…」
ん?数学か…
しかも、方程式。
今度は解けない問題では無い。
「あぁ、いいよデザイアー。オレこの問題解るから大丈夫」
今は休み時間、オレはせっせとノートに問題を解いた。
「あ、スゴい…こんな難しい問題なのに」
だって、ついこの前まで大学生だったんだよ、オレは。
このぐらい、簡単だ。
それより、ジジイは何処だ?宇棚は?ポメ夫は?
いないのかよ…
天界のヤツらは肝心な時に現れないで、出て来るな、って時に現れてくる。
こんな調子じゃ、徳を積めそうに無いな。
いつになったら元の世界に戻れるのやら…
半ば諦めていた。
【何言ってるの!そんな弱気じゃダメでしょ!】
「ん?…」
今の声は…女?
「え…どうしたの?」
いや、デザイアーに言ってるんじゃないんだが。
何故か女の声が聞こえた。
幻聴なのか?
【幻聴じゃないわ、あなたの心に話し掛けてるの】
「誰だ?」
教室では仲のいい連中が集まって話をしている。
まだ休み時間だから、賑やかだ。
「ちょっと、何さっきから独り言言ってるの?」
ん?
斜め後ろの席を見ると、女子がこっちを見て訝しげな顔をしている。
コイツ、誰だっけ?
えーっと…
ちょい丸顔の愛嬌のある顔…
んーっと、あぁ、ここまで出かかってるのに、思い出せない!
【キーンコーン、カーンコーン】
チャイムが鳴った。
仕方ない、思い出すのは授業が終わってからにしよう。
【ガラッ】
先生が来た。
【起立!気をつけ、礼!】
これって、毎回授業の始まりにやるけど、必要なんだろうか?
【着席!】
「はい、それじゃ昨日宿題やってきたか?」
こんなもん、さっきやってすぐに解けたよ…
「よし、じゃあ山本!黒板に書いてみろ」
「…はい」
オレは黒板に宿題の答えを書いた。
「おっ!山本、出来るじゃないか!正解だ!」
先生が驚いてら…
まぁ、何せオレはこの頃バカだったからな。
『マジで?』
『あの智が問題を解いた!』
『どうなってんだ?』
ザワつく教室内。
クラスでビリを争う程の学力のオレが、難無く問題を解いたんだから。
そんな事よりも、さっきの声だ。
あれは一体…
【前回は徳を積めば元に戻すという、ミッションだったけど、今回は特にこれと言ったミッションは無いわ】
…!
まただ!
あぁ~、誰なんだ一体!
待てよ…ここでまた声を上げたりすると、周りから変な奴扱いされる可能性大だ。
危うく引っかかるとこだった。
出来るだけ、リアクションを控えよう。
どうも前回はリアクションが大きすぎて龍也達に拘束されたからな。
さて、誰だか知らないが、今回はミッション無しってのは、どういう事なんだ?
オレの心を読めるんだから、答えてもらおうじゃないか。
【フッ、どうやら学んだみたいね。前回は色々と手違いであなたに迷惑かけたけど、安心して。今回はあの連中は出て来ないから】
出て来ない?ジジイも茶坊主もポメ夫も出て来ないってのか?
【代わりに、私がお目付け役として、あなたを監視するからヨロシクね】
今度は女かよ…
でも、前回みたいなアホの連中とは違って少しはまともなんだろうか?
【当たり前でしょ!元々天界は精鋭の集まりなのよ!あの連中は、天界でも落ちこぼれのどうしようも無い部署なの】
…精鋭の集まりなのに、落ちこぼれがいるのかよ?
ところで、お前の名前は?
【…】
何だよ、名前無いのかよ?
【…それは】
何で言わないんだよ?
【えーっと…とにかく、今回はミッション無しだけど、あなたが自分で考えて、どうやったら元の世界に戻れるか色々と試してみてね】
は?どうやったら元の世界に戻れるか考えろ、だと?
ミッションは無いと言うけど、これじゃ永遠にクリア出来ないじゃないか!
【今回は自主性を重視するの】
…はぁ~、真奈美や亜莉沙とは会えないかもなぁ…
何だか…もう、どうでもいいや。
自主性に任すなんて言うけど、体のいい放任主義じゃないか。
戻れないなら、何もする気が起きない。
こうなったら、やりたい事やってハチャメチャな中学時代を過ごそう!
よし、決めた!
【ちょっと!何言ってんのよ!そんな事すれば、元に戻らないのよ、いいの?】
うるせーっ!何をしようがオレの勝手だろうが!
オレの人生、オレのやりたいようにして、何が悪いんだ!
それに、さっきから姿を見せないで、心の中に話しかけてきやがって!
お前は何モンなんだ?
【えーっと、そうね!…ちょっと待ってて。今、姿を現すから】
何やってんだ、一体?
【ちょっと待っててって、言ってるでしょ?今支度してるの!】
何だ、そりゃ!支度?何の支度だよ!
【ほら、人前に出て来るから、化粧もしないといけないし、服だって部屋着のままってワケにもいかないでしょ?】
おい、ホントに天界は精鋭の集まりなのかよ?
…………………また、胡散臭いのが一人増えただけだろ!
「はいはーい、今現れたわよ~っ、お待たせ!」
「ゲッ!!」
コイツはホントに天界から来たのか?
思いっきり、ギャルじゃないか!
「おい、山本!どうした、急に大きい声上げて?」
ヤベっ!!また声を出してしまった。
「あー、いや…ちょっと答えが間違ってるのがあったから…ハハハッ」
また、皆から変な奴呼ばわれされるとこだったよ。
それよりも、コイツの格好…天界というより、渋谷にいると言った方が似合うんじゃないのか?
金髪に染めた巻き髪、まつ毛のエクステにアイプチ。
派手で露出の多い服。長いネイル…
ヒアルロン酸を注入してるのか、涙袋がクッキリと。
しかも、峰不二子かよ!ってぐらいの体型。
「おい…お前、全身イジってるだろ?」
小声で聞いてみた。
「…え、イジるって…一体なんの事かしら…アハハハ」
…別の意味で胡散臭い…
そう言えば、コイツの名前を聞いてない。
さっき、言いかけたんだけど、はぐらかしたんだよな、確か。
「な、名前?えー、よく言われるのはサヤカ。これからはサヤカって呼んでね、ウフッ」
「あだ名じゃなく、本名を名乗れ…」
これ以上、大きな声は出せない。
「どうしても、言わなきゃダメ?」
コイツ、もしかして、本名言うのが恥ずかしいのか?
「解ったわよ!私の名前は綾坂梅(あやさか うめ)…でも、サヤカって呼んでね」
ウメ?バーさんみたいな名前だなw
オレは笑いを堪えるのに必死だった。
何で、綾坂梅という名前なのに、サヤカで呼ばそうとしてるんだ?
「えーっと…だって、この名前キライなんだもーん!」
コイツ、ホントに天界のヤツか?
これは悪夢なのか?
はぁ~…また徳を積む日々を過ごすのかよ…
「あの…山本くん、宿題やってきた?」
「…宿題?…またかよ」
さっき、この時代に戻ってきたばかりなのに、宿題なんてやってるワケがない。
て言うか、何の授業だよ…
また、ビンタ食らうのかよ…
「ほら、これ…」
ん?数学か…
しかも、方程式。
今度は解けない問題では無い。
「あぁ、いいよデザイアー。オレこの問題解るから大丈夫」
今は休み時間、オレはせっせとノートに問題を解いた。
「あ、スゴい…こんな難しい問題なのに」
だって、ついこの前まで大学生だったんだよ、オレは。
このぐらい、簡単だ。
それより、ジジイは何処だ?宇棚は?ポメ夫は?
いないのかよ…
天界のヤツらは肝心な時に現れないで、出て来るな、って時に現れてくる。
こんな調子じゃ、徳を積めそうに無いな。
いつになったら元の世界に戻れるのやら…
半ば諦めていた。
【何言ってるの!そんな弱気じゃダメでしょ!】
「ん?…」
今の声は…女?
「え…どうしたの?」
いや、デザイアーに言ってるんじゃないんだが。
何故か女の声が聞こえた。
幻聴なのか?
【幻聴じゃないわ、あなたの心に話し掛けてるの】
「誰だ?」
教室では仲のいい連中が集まって話をしている。
まだ休み時間だから、賑やかだ。
「ちょっと、何さっきから独り言言ってるの?」
ん?
斜め後ろの席を見ると、女子がこっちを見て訝しげな顔をしている。
コイツ、誰だっけ?
えーっと…
ちょい丸顔の愛嬌のある顔…
んーっと、あぁ、ここまで出かかってるのに、思い出せない!
【キーンコーン、カーンコーン】
チャイムが鳴った。
仕方ない、思い出すのは授業が終わってからにしよう。
【ガラッ】
先生が来た。
【起立!気をつけ、礼!】
これって、毎回授業の始まりにやるけど、必要なんだろうか?
【着席!】
「はい、それじゃ昨日宿題やってきたか?」
こんなもん、さっきやってすぐに解けたよ…
「よし、じゃあ山本!黒板に書いてみろ」
「…はい」
オレは黒板に宿題の答えを書いた。
「おっ!山本、出来るじゃないか!正解だ!」
先生が驚いてら…
まぁ、何せオレはこの頃バカだったからな。
『マジで?』
『あの智が問題を解いた!』
『どうなってんだ?』
ザワつく教室内。
クラスでビリを争う程の学力のオレが、難無く問題を解いたんだから。
そんな事よりも、さっきの声だ。
あれは一体…
【前回は徳を積めば元に戻すという、ミッションだったけど、今回は特にこれと言ったミッションは無いわ】
…!
まただ!
あぁ~、誰なんだ一体!
待てよ…ここでまた声を上げたりすると、周りから変な奴扱いされる可能性大だ。
危うく引っかかるとこだった。
出来るだけ、リアクションを控えよう。
どうも前回はリアクションが大きすぎて龍也達に拘束されたからな。
さて、誰だか知らないが、今回はミッション無しってのは、どういう事なんだ?
オレの心を読めるんだから、答えてもらおうじゃないか。
【フッ、どうやら学んだみたいね。前回は色々と手違いであなたに迷惑かけたけど、安心して。今回はあの連中は出て来ないから】
出て来ない?ジジイも茶坊主もポメ夫も出て来ないってのか?
【代わりに、私がお目付け役として、あなたを監視するからヨロシクね】
今度は女かよ…
でも、前回みたいなアホの連中とは違って少しはまともなんだろうか?
【当たり前でしょ!元々天界は精鋭の集まりなのよ!あの連中は、天界でも落ちこぼれのどうしようも無い部署なの】
…精鋭の集まりなのに、落ちこぼれがいるのかよ?
ところで、お前の名前は?
【…】
何だよ、名前無いのかよ?
【…それは】
何で言わないんだよ?
【えーっと…とにかく、今回はミッション無しだけど、あなたが自分で考えて、どうやったら元の世界に戻れるか色々と試してみてね】
は?どうやったら元の世界に戻れるか考えろ、だと?
ミッションは無いと言うけど、これじゃ永遠にクリア出来ないじゃないか!
【今回は自主性を重視するの】
…はぁ~、真奈美や亜莉沙とは会えないかもなぁ…
何だか…もう、どうでもいいや。
自主性に任すなんて言うけど、体のいい放任主義じゃないか。
戻れないなら、何もする気が起きない。
こうなったら、やりたい事やってハチャメチャな中学時代を過ごそう!
よし、決めた!
【ちょっと!何言ってんのよ!そんな事すれば、元に戻らないのよ、いいの?】
うるせーっ!何をしようがオレの勝手だろうが!
オレの人生、オレのやりたいようにして、何が悪いんだ!
それに、さっきから姿を見せないで、心の中に話しかけてきやがって!
お前は何モンなんだ?
【えーっと、そうね!…ちょっと待ってて。今、姿を現すから】
何やってんだ、一体?
【ちょっと待っててって、言ってるでしょ?今支度してるの!】
何だ、そりゃ!支度?何の支度だよ!
【ほら、人前に出て来るから、化粧もしないといけないし、服だって部屋着のままってワケにもいかないでしょ?】
おい、ホントに天界は精鋭の集まりなのかよ?
…………………また、胡散臭いのが一人増えただけだろ!
「はいはーい、今現れたわよ~っ、お待たせ!」
「ゲッ!!」
コイツはホントに天界から来たのか?
思いっきり、ギャルじゃないか!
「おい、山本!どうした、急に大きい声上げて?」
ヤベっ!!また声を出してしまった。
「あー、いや…ちょっと答えが間違ってるのがあったから…ハハハッ」
また、皆から変な奴呼ばわれされるとこだったよ。
それよりも、コイツの格好…天界というより、渋谷にいると言った方が似合うんじゃないのか?
金髪に染めた巻き髪、まつ毛のエクステにアイプチ。
派手で露出の多い服。長いネイル…
ヒアルロン酸を注入してるのか、涙袋がクッキリと。
しかも、峰不二子かよ!ってぐらいの体型。
「おい…お前、全身イジってるだろ?」
小声で聞いてみた。
「…え、イジるって…一体なんの事かしら…アハハハ」
…別の意味で胡散臭い…
そう言えば、コイツの名前を聞いてない。
さっき、言いかけたんだけど、はぐらかしたんだよな、確か。
「な、名前?えー、よく言われるのはサヤカ。これからはサヤカって呼んでね、ウフッ」
「あだ名じゃなく、本名を名乗れ…」
これ以上、大きな声は出せない。
「どうしても、言わなきゃダメ?」
コイツ、もしかして、本名言うのが恥ずかしいのか?
「解ったわよ!私の名前は綾坂梅(あやさか うめ)…でも、サヤカって呼んでね」
ウメ?バーさんみたいな名前だなw
オレは笑いを堪えるのに必死だった。
何で、綾坂梅という名前なのに、サヤカで呼ばそうとしてるんだ?
「えーっと…だって、この名前キライなんだもーん!」
コイツ、ホントに天界のヤツか?
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる