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梅が教師
コイツが教師とは…
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なんて事だ…
よりによって、梅が臨時教師なんて。
そもそも、コイツにそんな事が出来るのかよ!
「はい、では教科書の135ページを開いて」
とりあえず、お手並み拝見とするか。
「はい、ではここを山本くん読んで」
オレかよ!
「春はあけぼの。やうやうしろくなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。」
「はい、よく出来ました。では山本くん、これを現代の文に訳してみてくれる?」
現代に訳せだと?
そんな事、佐伯は言わなかったぞ!
「どうしたの、山本くん。解らないのかしら?」
コノヤロ、何が解らないのかしら?だ!
「春はなんといってもほのぼのと夜が明けるとき。だんだんとあたりが白んで、山のすぐ上の空がほんのりと明るくなって、淡い紫に染まった雲が細くたなびいている様子。」
「あら、スゴいわね。よく出来ました。やれば出来るじゃない!」
バカにしてんのか、コイツ!
ついこの間まで、オレは大学生だったんだぞ!
『何か最近、智が頭良くなってきたんだけど』
『隣でデザイアーが教えてるんだろ?』
『やっぱり、アイツにだけは何か見えるんだろうか』
『何か、色々な意味でヤバい!』
クラスで1,2位を争うバカが急激に勉強が出来るようになると、誰だってそう思うよな…
「はい、静かに!じゃあ、次を山本くん読んで」
またオレかよ!
「夏は夜。
月の頃はさらなり。
闇もなほ、螢(ほたる)の多く飛びちがひたる。
また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くも、をかし。
雨など降るも、をかし」
「はい、じゃあ、それを現代風に訳して」
いい加減にしろよ…
「夏は夜。
月夜はもちろん。
闇夜に飛び交うたくさんの蛍。
1、2匹の蛍ほのかに光りながら飛んでいくのも素敵。
雨の夜も素敵」
「スゴいわね!佐伯先生の評価だと、キミは全く授業を聞いてないから、いつもテストの点数が悪いって書いてあるけど、やれば出来るじゃないの」
エラソーに!
て言うか、コイツはオレに読ませてるだけだろ!
「この枕草子は清少納言の作品なんだけど、これは今風に訳すと、要は春夏秋冬を日記みたいに書いてるワケ。そんなに難しい事を書いてないから、皆もちゃんと覚えてよね、テストに出るから」
もっともらしい事言ってるけど、コイツが言うと胡散臭い!
「春、夏とくれば次は秋。それじゃ秋の文を山本くん読んで」
「何でさっきからオレばっかりなんだよ!」
コノヤロー、オレしか指してないじゃないか。
「先生に向かって、何て口の利き方なの!」
お前が先生だなんて、絶対に認めないぞオレは!
「ところで先生、何でまたこんな中途半端な時期に新任としてこの学校に来たんですか?」
今度はこっちが質問攻めしてやる!
「えっ…何でって、それは佐伯先生が病気になったから代わりに国語の授業を受け持つ事になっただけよ。別に何も変じゃないでしょ?」
「じゃあ、それまでは何処の学校で教鞭を執ってたんですか?」
「えーっと、それは…その質問、授業と関係あるのかしら?」
「だって変じゃないですか。この時期に新任として来るなんて、それまで教師だったんですか?」
しどろもどろになってら。
「先生はこの前まで実習生だったの!だから、キミみたいな問題児相手に授業をするのが今回が初めてなの、わかったかな?」
「解りました!それともう1つ質問なんですが、先生は何処の大学を出たのですか?」
「えっ…だ、大学?」
狼狽えてるのが丸わかりだw
まさか、出身大学を聞かれるとは思ってなかっただろう。
「先生、ついこの間まで大学生だったんですよね?何処の大学なのか、教えてくれてもいいじゃないですか」
「そ、そうね…大学ね。大学はフェリス女学院大学。あのお嬢様学校で有名なところよ」
何が、フェリス女学院大学だ!
お前、どう見てもお嬢様という雰囲気じゃないだろ!
「あれ、変だな…フェリス女学院大学って、教育学部ありましたっけ?先生、どうやって教員免許取ったんですか?」
ギャハハハハハハハ!コイツ、自ら墓穴掘ったな!
「うるさいっ!何なの、キミは!さっきから人の揚げ足ばかりとって!」
「おい智、相手は先生になったばかりなんだぞ。あんまりイジめるなよ!」
「そうだよ、サヤカちゃん可愛そうだろ!」
謙司、チャッピー!お前らはコイツに騙されてるんだぞ!
「そ、そうよ…えっと、吉田くんや加藤くんの言う通り、先生はまだ未熟なんだし、少しは大目に見てくれるかな?皆は先生の事イジメないでね!」
「当たり前じゃん、サヤカちゃんの事応援するから!」
「オレも!」
「サヤカちゃん、可愛いから許す!」
ダメだ…龍也も泰彦も梅の味方だ。
「ありがとう、牛島くんに金澤くん。先生の事、可愛いなんて言ってくれて、何ていい生徒なんだろ。これからもヨロシクね!」
『はーい!』
『オレ、サヤカちゃんのファンになる!』
『サヤカちゃんいっその事、このクラスの担任になってよ!』
『賛成!』
はぁ…皆、コイツの外見に惑わされている。
【キーンコーン、カーンコーン】
「はい、じゃあ今日の授業はお終い!皆、またねーっ!」
梅は愛嬌を振りまき、教室を出た。
クソっ、このクラスの男子全員を手懐けやがった。
こうなったら、1日も早く化けの皮を剥いでやるもんねぇっ!
よりによって、梅が臨時教師なんて。
そもそも、コイツにそんな事が出来るのかよ!
「はい、では教科書の135ページを開いて」
とりあえず、お手並み拝見とするか。
「はい、ではここを山本くん読んで」
オレかよ!
「春はあけぼの。やうやうしろくなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。」
「はい、よく出来ました。では山本くん、これを現代の文に訳してみてくれる?」
現代に訳せだと?
そんな事、佐伯は言わなかったぞ!
「どうしたの、山本くん。解らないのかしら?」
コノヤロ、何が解らないのかしら?だ!
「春はなんといってもほのぼのと夜が明けるとき。だんだんとあたりが白んで、山のすぐ上の空がほんのりと明るくなって、淡い紫に染まった雲が細くたなびいている様子。」
「あら、スゴいわね。よく出来ました。やれば出来るじゃない!」
バカにしてんのか、コイツ!
ついこの間まで、オレは大学生だったんだぞ!
『何か最近、智が頭良くなってきたんだけど』
『隣でデザイアーが教えてるんだろ?』
『やっぱり、アイツにだけは何か見えるんだろうか』
『何か、色々な意味でヤバい!』
クラスで1,2位を争うバカが急激に勉強が出来るようになると、誰だってそう思うよな…
「はい、静かに!じゃあ、次を山本くん読んで」
またオレかよ!
「夏は夜。
月の頃はさらなり。
闇もなほ、螢(ほたる)の多く飛びちがひたる。
また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くも、をかし。
雨など降るも、をかし」
「はい、じゃあ、それを現代風に訳して」
いい加減にしろよ…
「夏は夜。
月夜はもちろん。
闇夜に飛び交うたくさんの蛍。
1、2匹の蛍ほのかに光りながら飛んでいくのも素敵。
雨の夜も素敵」
「スゴいわね!佐伯先生の評価だと、キミは全く授業を聞いてないから、いつもテストの点数が悪いって書いてあるけど、やれば出来るじゃないの」
エラソーに!
て言うか、コイツはオレに読ませてるだけだろ!
「この枕草子は清少納言の作品なんだけど、これは今風に訳すと、要は春夏秋冬を日記みたいに書いてるワケ。そんなに難しい事を書いてないから、皆もちゃんと覚えてよね、テストに出るから」
もっともらしい事言ってるけど、コイツが言うと胡散臭い!
「春、夏とくれば次は秋。それじゃ秋の文を山本くん読んで」
「何でさっきからオレばっかりなんだよ!」
コノヤロー、オレしか指してないじゃないか。
「先生に向かって、何て口の利き方なの!」
お前が先生だなんて、絶対に認めないぞオレは!
「ところで先生、何でまたこんな中途半端な時期に新任としてこの学校に来たんですか?」
今度はこっちが質問攻めしてやる!
「えっ…何でって、それは佐伯先生が病気になったから代わりに国語の授業を受け持つ事になっただけよ。別に何も変じゃないでしょ?」
「じゃあ、それまでは何処の学校で教鞭を執ってたんですか?」
「えーっと、それは…その質問、授業と関係あるのかしら?」
「だって変じゃないですか。この時期に新任として来るなんて、それまで教師だったんですか?」
しどろもどろになってら。
「先生はこの前まで実習生だったの!だから、キミみたいな問題児相手に授業をするのが今回が初めてなの、わかったかな?」
「解りました!それともう1つ質問なんですが、先生は何処の大学を出たのですか?」
「えっ…だ、大学?」
狼狽えてるのが丸わかりだw
まさか、出身大学を聞かれるとは思ってなかっただろう。
「先生、ついこの間まで大学生だったんですよね?何処の大学なのか、教えてくれてもいいじゃないですか」
「そ、そうね…大学ね。大学はフェリス女学院大学。あのお嬢様学校で有名なところよ」
何が、フェリス女学院大学だ!
お前、どう見てもお嬢様という雰囲気じゃないだろ!
「あれ、変だな…フェリス女学院大学って、教育学部ありましたっけ?先生、どうやって教員免許取ったんですか?」
ギャハハハハハハハ!コイツ、自ら墓穴掘ったな!
「うるさいっ!何なの、キミは!さっきから人の揚げ足ばかりとって!」
「おい智、相手は先生になったばかりなんだぞ。あんまりイジめるなよ!」
「そうだよ、サヤカちゃん可愛そうだろ!」
謙司、チャッピー!お前らはコイツに騙されてるんだぞ!
「そ、そうよ…えっと、吉田くんや加藤くんの言う通り、先生はまだ未熟なんだし、少しは大目に見てくれるかな?皆は先生の事イジメないでね!」
「当たり前じゃん、サヤカちゃんの事応援するから!」
「オレも!」
「サヤカちゃん、可愛いから許す!」
ダメだ…龍也も泰彦も梅の味方だ。
「ありがとう、牛島くんに金澤くん。先生の事、可愛いなんて言ってくれて、何ていい生徒なんだろ。これからもヨロシクね!」
『はーい!』
『オレ、サヤカちゃんのファンになる!』
『サヤカちゃんいっその事、このクラスの担任になってよ!』
『賛成!』
はぁ…皆、コイツの外見に惑わされている。
【キーンコーン、カーンコーン】
「はい、じゃあ今日の授業はお終い!皆、またねーっ!」
梅は愛嬌を振りまき、教室を出た。
クソっ、このクラスの男子全員を手懐けやがった。
こうなったら、1日も早く化けの皮を剥いでやるもんねぇっ!
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