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楽しい中2ライフ
1991年
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年が明けて1991年になった。
正月と言っても特に何もやる事はない。
宿題はまだ何もやってない。
勉強するって気分じゃないしな。
じゃあ、素振りでもしようか…
いや、さすがに正月は休もう。
ならばゲームか。
この年代のゲームは散々やったし、今のオレには懐かしさしかない。
いくら最新と言われても、もっと最新で高度なゲームをやっていたから、子供騙しみたいなゲームにしか感じない。
あぁ、ヒマだ。
ふと横を見ると、ポメ夫はいつものようにベッドでひっくり返ってグーグー寝ている。
…コイツが羨ましい。
こんなに何時間も寝れるなんて。
他にやる事は無いのか…
「今日は晩御飯いらないから。それじゃ行って来まーす!」
ドアの向こうでは、アネキの声がする。
この頃、オトコを取っかえ引っ変えしていた。
まだJKの分際でアッシーくんや、メッシーくんなんてのもいた。
まだバブル崩壊前だから、浮かれているんだろう。
バブル崩壊と同時にアネキのオトコ遍歴も落ち着いた。
アネキは高校を卒業すると、女子の短大に入学してその後は一般企業に就職する。
28才の時、職場の上司と結婚。
1女1男の母になる。
この長女がクソ生意気なんだよな。
「オジサン、ママに聞いたけど、私と同じぐらいの年は全く勉強出来なかったんだってw」
事ある毎にオレをdisってきやがる。
それもこれも、アネキが余計な事を吹き込むからだ。
阿莉砂はパパっ子だから、そんな長女の事を嫌っている。
「パパ、私あの人嫌い!だってパパの事バカにしてるんだもん」
阿莉砂はいい子に育ってくれた。
そんないい子と会えるのはいつになるのやら…
いや、そんな事を考えても仕方ない。
オレは決めたんだ。今を楽しもうと。
いずれ、元の世界に戻るだろう。
その時にここで悔いのない生活を送ろうと決めたんだ。
居間でおふくろの声がした。
「智、電話よ!」
電話?一体誰だろう?
「誰から?」
どうせまた龍也達だろう。
「アンタ綾坂先生って、佐伯先生の代わりに国語の授業やってる先生だっけ?」
ん、梅から?
何で梅がオレの家に電話かけてくるんだよ。
イヤな予感がする。
受話器を取った。
「はい、もしもし」
【ねーねー、ヒマでしょ?】
第一声がそれかよ!
「ヒマじゃない、切るぞ」
【わー、ちょっとちょっと待った!】
「何だよ、一体?」
【ほら、前に私の家見てみたいって言ってたでしょ?良かったら、今から来ない?】
「は?」
【いや、だから家に来ないって言ってるの。どうせヒマなんでしょ?】
そんな事で電話掛けてくるなよ。
話なら、直接オレの心に話せばいいのに、何でまた電話なんて…
「じゃあ、今から龍也達に行けるか聞いてみるよ」
【あぁーっと、今日は金澤くん達は呼ばなくていいかも…】
ん?一体どういう事?
「何だよ、アイツら呼ばくていいのかよ?」
【うーん、ちょっと…ね。で、どうする?来るの、来ないの?】
何、この彼氏彼女みたいな会話は?
「そもそも、オレ一人で行って何するんだよ?」
【いや、ほら!そうだ、私がご飯作るから食べに来ない?何か食べたいのあるでしょ?】
龍也達は、梅が作る料理は美味いって言ってたっけ。
「イカスミパスタとか、そんなのも大丈夫なの?」
【うんうん、任せて!どう、来る?】
何か企んでないだろうか?
「つーか、本来の目的は何だよ?」
オレ一人ってのが引っ掛かる。
【いや、何もないのよ…ただ、この前呼ばれなかったから、呼んでみようなかぁって】
「それは、オレがテストで90点取れなかったからだし、約束は約束だろ?」
【んー、まぁいいじゃん!ね?】
「ったく…オレはそういう抜け駆けみたいな事はしたくないんだよ」
【いいじゃないの、黙っていれば判らないんだし、ねっ】
「ホントの理由は何?」
【何も無いわよ!ただ呼んでみたかっただけだってば】
どうすっかな…
ヒマだしなぁ。
その前にポメ夫にも聞いてみるか。
「とりあえず、ポメ夫にも聞いて何の問題も無かったら行くよ」
【えっ!ちょ、ちょっと待ってよ!何で部長に聞くの?これは個人的な事なんだし、部長には関係無いでしょ!】
…怪しい!
「個人的な事なら、別に今じゃなくても、学校で話せばいいだろ。それに、話だけならオレの心の中で会話出来るだろ」
【もう、それだけじゃ伝わらない話もあるでしょう!】
「わかったわかった!じゃあこれから行くよ」
【ホント?じゃあ待ってるね】
【ガチャっ、プープープーっ…】
何だコイツ、すぐに切りやがって!
「オレ、これから出掛けるから」
居間でテレビを観ていたオヤジとおふくろに声を掛けた。
「何だ、これからかよ。先生から電話があったって事は、お前また何かやったのか?」
「しかも、正月に電話がくるなんて、よっぽどの事をやったんでしょ?」
ただでさえ、どうしようもないバカ息子だと思われてるのに、これじゃ何も言えないじゃないか!
「違うよ、先生が特別に勉強を教えてくれるって、オレたちに連絡してきたんだよ!」
嘘も方便だ。
「あら、こんな時に勉強を教えてくれるって、いい事じゃないの!行ってらっしゃい!」
「そうだ、さっさと先生のとこへ行け!」
…手のひら返しかよ!
かくして、オレは梅の家に行くのだった。
正月と言っても特に何もやる事はない。
宿題はまだ何もやってない。
勉強するって気分じゃないしな。
じゃあ、素振りでもしようか…
いや、さすがに正月は休もう。
ならばゲームか。
この年代のゲームは散々やったし、今のオレには懐かしさしかない。
いくら最新と言われても、もっと最新で高度なゲームをやっていたから、子供騙しみたいなゲームにしか感じない。
あぁ、ヒマだ。
ふと横を見ると、ポメ夫はいつものようにベッドでひっくり返ってグーグー寝ている。
…コイツが羨ましい。
こんなに何時間も寝れるなんて。
他にやる事は無いのか…
「今日は晩御飯いらないから。それじゃ行って来まーす!」
ドアの向こうでは、アネキの声がする。
この頃、オトコを取っかえ引っ変えしていた。
まだJKの分際でアッシーくんや、メッシーくんなんてのもいた。
まだバブル崩壊前だから、浮かれているんだろう。
バブル崩壊と同時にアネキのオトコ遍歴も落ち着いた。
アネキは高校を卒業すると、女子の短大に入学してその後は一般企業に就職する。
28才の時、職場の上司と結婚。
1女1男の母になる。
この長女がクソ生意気なんだよな。
「オジサン、ママに聞いたけど、私と同じぐらいの年は全く勉強出来なかったんだってw」
事ある毎にオレをdisってきやがる。
それもこれも、アネキが余計な事を吹き込むからだ。
阿莉砂はパパっ子だから、そんな長女の事を嫌っている。
「パパ、私あの人嫌い!だってパパの事バカにしてるんだもん」
阿莉砂はいい子に育ってくれた。
そんないい子と会えるのはいつになるのやら…
いや、そんな事を考えても仕方ない。
オレは決めたんだ。今を楽しもうと。
いずれ、元の世界に戻るだろう。
その時にここで悔いのない生活を送ろうと決めたんだ。
居間でおふくろの声がした。
「智、電話よ!」
電話?一体誰だろう?
「誰から?」
どうせまた龍也達だろう。
「アンタ綾坂先生って、佐伯先生の代わりに国語の授業やってる先生だっけ?」
ん、梅から?
何で梅がオレの家に電話かけてくるんだよ。
イヤな予感がする。
受話器を取った。
「はい、もしもし」
【ねーねー、ヒマでしょ?】
第一声がそれかよ!
「ヒマじゃない、切るぞ」
【わー、ちょっとちょっと待った!】
「何だよ、一体?」
【ほら、前に私の家見てみたいって言ってたでしょ?良かったら、今から来ない?】
「は?」
【いや、だから家に来ないって言ってるの。どうせヒマなんでしょ?】
そんな事で電話掛けてくるなよ。
話なら、直接オレの心に話せばいいのに、何でまた電話なんて…
「じゃあ、今から龍也達に行けるか聞いてみるよ」
【あぁーっと、今日は金澤くん達は呼ばなくていいかも…】
ん?一体どういう事?
「何だよ、アイツら呼ばくていいのかよ?」
【うーん、ちょっと…ね。で、どうする?来るの、来ないの?】
何、この彼氏彼女みたいな会話は?
「そもそも、オレ一人で行って何するんだよ?」
【いや、ほら!そうだ、私がご飯作るから食べに来ない?何か食べたいのあるでしょ?】
龍也達は、梅が作る料理は美味いって言ってたっけ。
「イカスミパスタとか、そんなのも大丈夫なの?」
【うんうん、任せて!どう、来る?】
何か企んでないだろうか?
「つーか、本来の目的は何だよ?」
オレ一人ってのが引っ掛かる。
【いや、何もないのよ…ただ、この前呼ばれなかったから、呼んでみようなかぁって】
「それは、オレがテストで90点取れなかったからだし、約束は約束だろ?」
【んー、まぁいいじゃん!ね?】
「ったく…オレはそういう抜け駆けみたいな事はしたくないんだよ」
【いいじゃないの、黙っていれば判らないんだし、ねっ】
「ホントの理由は何?」
【何も無いわよ!ただ呼んでみたかっただけだってば】
どうすっかな…
ヒマだしなぁ。
その前にポメ夫にも聞いてみるか。
「とりあえず、ポメ夫にも聞いて何の問題も無かったら行くよ」
【えっ!ちょ、ちょっと待ってよ!何で部長に聞くの?これは個人的な事なんだし、部長には関係無いでしょ!】
…怪しい!
「個人的な事なら、別に今じゃなくても、学校で話せばいいだろ。それに、話だけならオレの心の中で会話出来るだろ」
【もう、それだけじゃ伝わらない話もあるでしょう!】
「わかったわかった!じゃあこれから行くよ」
【ホント?じゃあ待ってるね】
【ガチャっ、プープープーっ…】
何だコイツ、すぐに切りやがって!
「オレ、これから出掛けるから」
居間でテレビを観ていたオヤジとおふくろに声を掛けた。
「何だ、これからかよ。先生から電話があったって事は、お前また何かやったのか?」
「しかも、正月に電話がくるなんて、よっぽどの事をやったんでしょ?」
ただでさえ、どうしようもないバカ息子だと思われてるのに、これじゃ何も言えないじゃないか!
「違うよ、先生が特別に勉強を教えてくれるって、オレたちに連絡してきたんだよ!」
嘘も方便だ。
「あら、こんな時に勉強を教えてくれるって、いい事じゃないの!行ってらっしゃい!」
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…手のひら返しかよ!
かくして、オレは梅の家に行くのだった。
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