41才の中学二年生(改訂版)

sky-high

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楽しい中2ライフ

梅の家

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電車に乗って、2回乗り換えてようやく梅の住む家の駅に着いた。


「ったく、不便な場所だ!」

一応都心なのだが、駅の周辺は閑静な住宅街だ。


こんな所に高層マンションがあるのかよ。


確かに顔を上げると、高くそびえ立つマンションが目の前にある。

【グランメゾン 〇〇レジデンス】

これ、いわゆる億ションてヤツじゃないのか…

確か芸能人が住んでるっていう。


まるでホテルみたいな外観だ。


オレみたいなのが、こんな所にいたら場違いだろ…

エントランスは吹き抜けで、大理石の床。

しかも、赤の絨毯が敷いてある。


おいおい、いくら天界の力とは言え、こんな豪華なマンションに住めるのかよ…


梅の住む階は確か7階。


これだけ豪華だとセキリュティも厳しい。

当然、オートロックだ。


入り口で702号室をプッシュする。


【はーい】


「来たぞ」


【今開けるから待ってて】

ガチャリと施錠を解除する音がして、中へ入った。


一体、どんな部屋なんだろうか。




エレベーターに乗り込む。


はぁー、エレベーターからして、作りが違う…

もしかしたら、オレは中2に戻らなきゃこんな体験はしなかっただろうな。


あっという間に7階だ。


703…こりゃまた重厚なドアだ。


ガチャ…


えっ、呼び鈴鳴らす前に開いたの?


「いらっしゃーい、よく来たわね」


…何、その格好?


「おい…それは服なのかよ?」


まるでストIIの春麗みたいな両サイドにスリットが入ったチャイナドレス。


「えへ、いいでしょ?どう、似合ってる?」


「お前は露出狂なのか?」

他のヤツらは興奮するだろうが、何せオレはコイツの年齢も知ってるし、イジりまくった体型を見ても何とも思わない。


「変態みたいな言い方しないでよ!こういうコスプレもいいかなぁって」


「頼むから、そんな格好で外へ出るなよ」


コイツならやりかねない。


「いいから入って」


「お邪魔します」

中へ入った。


「はーっ、こりゃホテルのスィートルームだな」

だだっ広いリビングの窓から、都内の高層ビルを一望出来る。


「どう、中々良い部屋でしょ」

「言い部屋は良い部屋なんだが…とても人が住むような部屋とは思えないよ」


ホントに広い。

「ここ、家賃いくらなんだ?」


「さぁ、だってほら天界が提供してくれたし。多分、3億から4億はするんじゃないかな」


「はぁ?億ションかよ!」


こんな部屋に一人で住んでるのかよ。


「ねぇ、ところでお腹空いてない?」

ん?そういや、何かニンニクのいい匂いがする。

「この時期、おせちばかり食べるでしょ?だから、こういうのどうかな?」


「うおっ、ローストビーフじゃん!」


「他にもあるわよ~」


「ペペロンチーノだ!」


「後はカプレーゼにタコとトマトのイタリアンサラダでどうだっ!」


「スゲーっ!これ作ったのかよ?」


彩り良く、食欲をそそる物ばかりだ。


「そうよ、言ったでしょ料理は得意だって」

どんなヤツにも取り柄ってあるんだな。


それにしても、ホントに広い。

これなら、クラスの全員が来ても狭いとは感じない。


白を基調とした明るいインテリア。


まるで、一流ホテルの最上階のレストランでメシを食ってるみたいに錯覚してしまう。



「ところで、オレをここへ呼んだって事は何か用があったんだろ?」


オレはメシを喰う手を止めずに聞いた。


「え?用事が無いと呼んじゃダメだったかな?」


「いや、そういうワケじゃないけど、何かあるんじゃないかって思ったからさ」


「いや、えーっと…ほら、こうやって落ち着いて話をした事無いでしょ?だからたまにはいいかなぁと思って」


「ふーん、まぁいいか」


それよか、美味いなこの料理は!


…この際だから、聞いておきたい事もあるし、色々と話をしてみるか。


「前から思ってたんだけど、お前は人間じゃないんだよな?分類すると、何のカテゴリーに属するんだ?」


これは前から聞いてみたかった。


「いや、だから天使だって前に言わなかったっけ?」


「天使ぃ~?だって天使って言ったら、背中に羽が生えて頭に輪っか乗せてるんじゃないのか?」


そういや、前に聞いたような…


「それは、人間たちのイメージに過ぎないの。天使って言うけど、人間とそんなに変わりはないのよ」


「じゃあ次の質問…」


「ちょっと待って、そんなに天界の様子が気になるの?」


「当たり前だろ、こんな機会滅多にないんだし、色々と聞きたいんだよ」


「えー、答えられる範囲なら大丈夫だけどさ。それより、私のスリーサイズとか聞いてみたいと思わない?」


何言ってんだ、コイツ…


「イジった身体のサイズに興味はねえよ!」


「だからイジってないってば!」


いつまで言い張るんだよ。


「そんな事より、お前の住んでる所は天界だろ?で、オレたちが今住んでるのは下界なワケじゃん?」


「うん、そう呼ばれるわね」


「思ったんだけどさ、天界は日本仕様なのか?」


「ん?どういう事?」

梅は首を傾げた。


「だって、お前もそうだけど、天界の連中だったジジイや宇棚の茶坊主もそうだし、バカ犬は…あれは犬か。
アイツらだって見た目からして日本人じゃないか。天界は日本人タイプしかいないのかよ?」


これは聞きたかった。

外国人タイプの天使だっているだろう。


「あー、そういう事ね…私達の管轄は日本だから、見た目が日本人なの」


「ウソくせぇな!」


「ウソじゃないもん、天界って言うけど、色んな国の管轄があって、私は日本の管轄に配属されたからこんな外見なの」


「じゃあ、例えばアメリカの管轄になれば、見た目がアメリカ人みたいに変わるのかよ?」


異動の度に変身するのだろうか。


「さぁ、どうなんだろうね。何せ、まだ研修期間だし、異動はしないって申請はしているし」


「天界ってのは、会社組織なのかよ?」


こんな事、誰が信じるんだろうか。


「そんなもんよ。何処の世界だってそうじゃない」


「じゃあ、天界に社長っているのか?」


「社長はいないけど、トップは神様よ」

神様ねぇ…一度でいいから姿を見てみたいもんだ。

コイツは神様を見たことあるんだろうか。


「なぁ梅」


「だから、サヤカって呼んでよ!」


「うるせぇ、いつまでこだわってんだよ!まぁいい、そんな事より、お前神様って見た事あるのか?」


「まさか!だって私なんか、まだ入って間もないのよ。姿を見る事が出来るのは部長クラスじゃないと」

とんでもない、とばかりに大袈裟に首を振った。


「あのバカ犬はどういう経緯で部長になったんだよ?」


大体、犬が部長っておかしいだろ。


「あぁ、何でも聞いた話によると、元々は神様が飼ってた犬だったとか…」


「それがあのバカ犬なのかよ?」


この話を信じるのはオレだけだろうな…




その後もオレは梅に天界の事を色々と聞きまくった。
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